非小細胞肺がんに対するニボルマブ併用療法の治験

治験名

CheckMate 722: CHECKpoint pathway and nivoluMAb clinical Trial Evaluation 722

EGFR-TKIによる一次治療で進行が認められたEGFR遺伝子変異陽性かつT790M陰性の非小細胞肺がん患者において、ニボルマブとペメトレキセド/プラチナ製剤またはニボルマブとイピリムマブの併用療法とペメトレキセド/プラチナ製剤の単独療法の無増悪生存期間の延長を比較する臨床試験。

疾患解説:非小細胞性肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。
特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:イピリムマブ

イピリムマブは、抗CTLA-4抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 イピリムマブは、がん細胞を攻撃する活性化T細胞とT細胞を制御する制御性T細胞状に発現するCTLA-4と抗原提示細胞状に発現しているCD80とCD86との結合を阻害することで、がんを攻撃するT細胞を増強します。また、がん細胞を攻撃するT細胞を抑制する制御性T細胞を抑制することで、がん免疫反応を促進させます。

主な治験参加条件

対象となる人
  • EGFRチロシンキナーゼ阻害剤単剤による治療で進行が認められたEGFR遺伝子変異陽性かつ組織学的にステージIVまたは再発非小細胞肺がんの患者
  • EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療で進行が認められた後にエクソン20のT790M変異が検出されていない患者
  • 固形がんの治療効果判定基準第1.1版に基づく測定可能病変が確認された患者
  • PD-L1 IHC検査およびエクソン20のT790M変異の検査に用いる検体が利用可能な患者
  • 中枢神経系転移が適切に治療され、神経学的にベースラインまで回復している患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • がん性髄膜炎がある患者
  • 活動性自己免疫性疾患、または疑われる患者
  • 小細胞肺がんへの転化が認められた患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 CheckMate 722: CHECKpoint pathway and nivoluMAb clinical Trial Evaluation 722
試験の概要上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤による一次治療で進行が認められたEGFR遺伝子変異(G719X、L861Q、Del 19及びL858R)陽性かつT790M陰性の非小細胞肺癌患者において、ニボルマブとペメトレキセド/プラチナ製剤又はニボルマブとイピリムマブの併用療法とペメトレキセド/プラチナ製剤の単独療法の無増悪生存期間(PFS)の延長を比較検討する。
疾患名非小細胞性肺癌
試験薬剤名ニボルマブ、イピリムマブ
用法・用量静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザインランダム化オープンラベル第3相臨床試験
目標症例数465
適格基準
  • EGFRチロシンキナーゼ阻害剤単剤による治療で進行が認められたEGFR遺伝子変異陽性かつ組織学的にステージIV又は再発非小細胞肺癌と確認された患者
  • EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療で進行が認められた後にエクソン20のT790M変異が検出されていない患者
  • 固形癌の治療効果判定基準第1.1版(RECIST 1.1)に基づく測定可能病変が確認された患者
  • PD-L1 IHC検査及びエクソン20のT790M変異の検査に用いる検体が利用可能である患者
  • 中枢神経系転移が適切に治療され、神経学的にベースラインまで回復している患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 癌性髄膜炎を有する患者
  • 活動性自己免疫性疾患を有する、又は疑われる患者
  • 小細胞肺癌への転化が認められた患者
主要な評価項目無増悪生存期間
主要な評価方法ニボルマブとペメトレキセド/プラチナ製剤又はニボルマブとイピリムマブの併用療法とペメトレキセド/プラチナ製剤の単独療法の無増悪生存期間を比較する。
副次的な評価項目全生存期間
副次的な評価方法ニボルマブとペメトレキセド/プラチナ製剤又はニボルマブとイピリムマブの併用療法とペメトレキセド/プラチナ製剤の単独療法の全生存期間を比較する。
予定試験期間2017年2月~2024年1月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより