ステージ1B~3A期非小細胞肺がんに対するニボルマブ併用療法に関する治験

治験名

CheckMate 816: CHECKpoint pathway and nivoluMAb clinical Trial Evaluation 816

早期非小細胞肺がんの治療における化学療法と比較したニボルマブおよびイピリムマブあるいはニボルマブおよびプラチナダブレットによる化学療法の安全性および有効性を決定する臨床試験。

治験概要:

ステージIB~3Aまでの早期非小細胞肺がんを対象としたニボルマブとイピリムマブの有効性と安全性を評価する第3相臨床試験です。
登録予定数は642人。
比較する対象グループは、
・ニボルマブとイピリムマブの併用療法と化学療法の比較
・ニボルマブとプラチナ製剤(カルボプラチン、シスプラチン)を含む2剤併用化学療法と化学療法
上記の比較により、ニボルマブとイピリムマブの併用療法とニボルマブ+プラチナダブレットによる化学療法の安全性および有効性を決定することを目的としています。

疾患解説:非小細胞性肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。
特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:イピリムマブ

イピリムマブは、抗CTLA-4抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 イピリムマブは、がん細胞を攻撃する活性化T細胞とT細胞を制御する制御性T細胞状に発現するCTLA-4と抗原提示細胞状に発現しているCD80とCD86との結合を阻害することで、がんを攻撃するT細胞を増強します。また、がん細胞を攻撃するT細胞を抑制する制御性T細胞を抑制することで、がん免疫反応を促進させます。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 早期非小細胞肺がん(1B~3A期)であることが確認され、切除可能とみなされる患者
  • 提案される肺切除術に対して、肺機能に忍容性がある判断される患者
  • 全身状態(performance status:PS)が0または1の患者
  • 腫瘍組織検体が採取可能な患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 局所進行性の切除不能または転移性病変がある患者
  • 活動性または既知の自己免疫疾患、もしくはその疑いのある患者
  • T細胞共刺激経路を標的とする抗体による治療歴がある患者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、米国の腫瘍学の団体(ECOG)が決めた全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。

PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 CheckMate 816: CHECKpoint pathway and nivoluMAb clinical Trial Evaluation 816
試験の概要この研究の目的は、早期非小細胞肺癌の治療における化学療法と比較したニボルマブおよびイピリムマブあるいはニボルマブ及びプラチナダブレットによる化学療法の安全性および有効性を決定することである。
疾患名非小細胞性肺癌
試験薬剤名ニボルマブ、イピリムマブ
用法・用量ニボルマブ+イピリムマブを静脈内投与
試験薬剤名ニボルマブ、カルボプラチン、シスプラチン、ゲムシタビン、ペメトレキセド
用法・用量ニボルマブ+プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザインランダム化オープンラベル第3相臨床試験
目標症例数642
適格基準
  • 早期非小細胞肺がん(1B~3A期)であることが確認され、切除可能とみなされる患者
  • 提案される肺切除術に対して、肺機能に忍容性がある判断される患者
  • Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG) performance statusが0又は1の患者
  • 腫瘍組織検体が採取可能な患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 局所進行性の切除不能又は転移性病変を有する患者
  • 活動性又は既知の自己免疫疾患、若しくはその疑いのある患者
  • T細胞共刺激経路を標的とする抗体による治療歴を有する患者
主要な評価項目・EFS
・pCR
主要な評価方法
副次的な評価項目・OS
・MPR
副次的な評価方法
予定試験期間2017年6月~2028年11月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより