頭頸部がんに対するニボルマブと放射線療法併用療法に関する治験

治験名

ニボルマブの第3相試験

局所進行性頭頸部扁平上皮がんを対象とした第3相試験。
1:シスプラチン不適応の患者において、セツキシマブおよび放射線療法併用に対するニボルマブ及び放射線療法併用の優越性を検証する治験
2:シスプラチン適応の患者において、シスプラチンおよび放射線療法併用に対するニボルマブ、シスプラチンおよび放射線療法併用の優越性を検証する治験

治験概要:

局所進行性頭頸部扁平上皮がんを対象にしたシスプラチン不適応と適応の2つのコホート。
シスプラチン不適応は、放射線療法に併用するセツキシマブとニボルマブを比較する治験。
シスプラチン適応は、シスプラチンと放射線療法併用にニボルマブの上乗せ効果を検証する治験。
登録予定数は1046人。
試験デザインは、多施設共同二重盲検無作為化試験。
フェーズは、第3相臨床試験。
2つの独立したコホートで構成されている
1:シスプラチンが不適応の患者さんに対するコホート
セツキシマブと放射線療法併用とニボルマブと放射線療法併用を比較
2:シスプラチン適応の患者さんに対するコホート
シスプラチンと放射線療法併用とニボルマブ+シスプラチン+放射線療法併用を比較

疾患解説:頭頸部がん

頭頸部がんは、文字通り「頭部」と「頸部(首の部分)」、脳より下鎖骨より上にできたがんの総称です。主な種類は、咽頭がん、口腔がん、喉頭がん、鼻、副鼻腔がん、唾液腺がん、甲状腺がんなどがあります。咽頭は、さらに詳細に上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分類されます。脳腫瘍は、頭頸部がんには分類されません。
頭頸部がんのうち口腔がん、咽頭がんの罹患数は、2013年の国立がん研究センターのがん登録・統計によると男性で約13200人、女性で約5800人、男女合計で約19000人、全部位の約2%程度です。死亡数も男性で約5000人、女性で約2000人、合計で約7000人と、部位別でみると比較的少ないですが、発生原因や治療法、予後が異なるのが特徴です。
頭頸部がんのほとんどは、扁平上皮という組織ががん化したものです。がんが発生した器官の違いによって症状はさまざまです。口腔がんである舌がんでは、舌がしみたり痛みがあるなどの症状があることもありますが、ほとんどの頭頸部がんでは初期には自覚症状がみられないこともあります。首のしこりやのどの違和感など、すこしでも気になる症状があれば検査を受けることが大切です。

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 組織学的に再発または転移性頭頸部扁平上皮がんであることが確認されており、原発巣が口腔、中咽頭、下咽頭または喉頭のいずれかである患者
  • 局所進行性疾患で、切除不能または切除可能であるが臓器温存法が適している患者
  • 再発または転移性頭頸部扁平上皮がんに対する放射線療法または全身療法の施行歴がない患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 上咽頭または副鼻腔由来のがん、皮膚および唾液腺由来の扁平上皮がんまたは組織学的に非扁平上皮がん(粘膜悪性黒色腫など)であることが確認された患者、原発不明の扁平上皮がん患者
  • 転移性疾患であることが臨床的または画像検査により明らかになった患者
  • 予定している放射線照射野と重複する放射線療法の既往がある患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称ニボルマブの第3相試験
試験の概要本試験は2つの独立したコホートで構成されており、両コホート共に局所進行性頭頸部扁平上皮がんを対象としている.1つ目のコホートの目的は、シスプラチン不適応の患者において、セツキシマブ及び放射線療法併用に対するニボルマブ及び放射線療法併用の優越性を検証する.2つ目のコホートの目的は、シスプラチン適応の患者において、シスプラチン及び放射線療法併用に対するニボルマブ、シスプラチン及び放射線療法併用の優越性を検証する。
疾患名頭頸部がん
試験薬剤名ニボルマブ、シスプラチン
用法・用量静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン多施設共同二重盲検無作為化試験
目標症例数1046
適格基準
  • 組織学的にSCCHNであることが確認されており、原発巣が口腔、中咽頭、下咽頭又は喉頭のいずれかである患者
  • 局所進行性疾患で、切除不能又は切除可能であるが臓器温存法が適している患者
  • SCCHNに対する放射線療法又は全身療法の施行歴がない患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 上咽頭又は副鼻腔由来のがん、皮膚及び唾液腺由来の扁平上皮がん又は組織学的に非扁平上皮がん(粘膜悪性黒色腫など)であることが確認された患者、原発不明の扁平上皮がん患者
  • 転移性疾患であることが臨床的又は画像検査により明らかになった患者
  • 予定している放射線照射野と重複する放射線療法の既往を有する患者副腎皮質ステロイドによる全身治療が必要な疾患を有する患者
主要な評価項目無イベント生存期間(EFS)
主要な評価方法
副次的な評価項目局所制御期間(DLRC)、全生存期間(OS)、EORTC QLQ-C30、EORTC QLQ-H&N35
副次的な評価方法
予定試験期間2017年12月~2022年11月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより