肝細胞がんに対するニボルマブに関する治験

治験名

ONO-4538/BMS-936558 第3相試験

根治的肝切除またはアブレーション後の再発高リスクの肝細胞がん患者に対するニボルマブとプラセボを比較する治験

治験概要:

根治的肝切除か熱凝固療法後の肝細胞がんで、再発リスクの高い患者さんに対するニボルマブとプラセボを比較する第3相試験です。
登録予定数は530人。
試験デザインは、無作為化二重盲検試験。
フェーズは、第3相臨床試験。
比較対象は、ニボルマブとプラセボ。
ニボルマブとプラセボを比較して無再発生存期間が改善するかを評価します。

疾患解説:肝細胞がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肝臓がんに罹患した人は、約40000人強です。50代くらいから増加し始め、80代前後をピークに、その後は減少します。
肝臓がんは、肝臓の細胞ががん化した悪性腫瘍です。肝臓内にある胆管にできたがんは、肝内胆管がんといいます。
日本人の肝臓がんはウイルス性肝炎から発生することが多いのが特徴です。最近は、C型やB型の肝炎ウイルスに対する治療薬ができたことで、ウイルス性肝炎がかなりコントロールできるようになったため減少傾向にあります。
その一方で、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)など肝炎ウイルス以外の原因による肝臓がんが増加傾向にあるという報告もあります。

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 根治的肝切除または熱凝固療法を受けた初回診断された肝細胞がん患者
  • 非ウイルス性の肝細胞がん、B型肝炎ウイルス由来肝細胞がんはC 型肝炎ウイルス由来肝細胞がんがある患者
  • Child Pughスコア5または6
  • 全身状態(performance status:PS)が0または1の患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 線維層板状肝細胞がん、肉腫様肝細胞がんまたは肝内胆管がんと肝細胞がんの混合型の患者
  • 腫瘍転移または悪性疾患併発の所見がある患者
  • 肝細胞がんに対する局所療法などの治療歴がある患者
  • 肝臓移植を受けたまたは肝臓移植の待機リストに登録されている患者

Child-Pugh分類

Child-Pugh分類は、肝障害度を示す指標です。脳症、腹水、血清ビリルビン濃度、血清アルブミン濃度、プロトロンビン活性値の5項目を1~3点で評価し、その合計点によりA~Cの3段階に分類します。もっとも障害度が低いのがA、高いのはCです。

ポイント1点2点3点
脳症ない軽度ときどき昏睡
腹水ない少量中等量
血清ビリルビン値(mg/dL)2.0未満2.0~3.03.0超
血清アルブミン値(g/dL)3.5超2.8~3.52.8未満
プロトロンビン活性値(%)70超40~7040未満
A5~6点
B7~9点
C10~15点

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、米国の腫瘍学の団体(ECOG)が決めた全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。

PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 ONO-4538/BMS-936558 第3相試験
試験の概要本試験は根治的肝切除又はアブレーション後の再発高リスクの肝細胞がん(HCC)患者において、ニボルマブがプラセボと比較して無再発生存期間(RFS)を改善するかどうかを評価する
疾患名肝細胞がん
試験薬剤名ニボルマブ
用法・用量静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン無作為化二重盲検試験
目標症例数530
適格基準
  • 根治的肝切除又はアブレーションを受けた初回診断されたHCC患者
  • 非ウイルス性HCC、HBV-HCC又はHCV-HCCを有する患者
  • Child Pughスコア5又は6
  • Eastern Cooperative Oncology Group performance statusが0又は1の患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 線維層板状HCC、肉腫様HCC又は肝内胆管がんとHCCの混合型の患者
  • 腫瘍転移又は悪性疾患併発の所見を有する患者
  • HCCに対する局所療法などの治療歴を有する患者
  • 肝臓移植を受けた又は肝臓移植の待機リストに登録されている患者
主要な評価項目無再発生存期間(RFS)
主要な評価方法
副次的な評価項目1. 全生存期間(OS)
2. 再発までの期間(TTR)
副次的な評価方法
予定試験期間2017年12月~2025年6月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより