胃がんに対する補助化学療法にニボルマブを併用する治験

治験名

ONO-4538第3相試験

胃がんに対する術後補助化学療法における多施設共同二重盲検無作為化試験

治験概要:

胃がんと胃食道接合部がん患者を対象にした、術後補助化学療法にニボルマブを併用する治験。
術後補助化学療法にニボルマブを併用した群と補助化学療法にプラセボを併用した群で比較してニボルマブの有効性と安全性を評価する多施設共同二重盲検無作為化試験です。
登録予定数は700人。
試験デザインは、多施設共同無作為化二重盲検試験。
フェーズは、第3相臨床試験。
比較する対象は
対象群1:補助化学療法+ニボルマブ
対象群2:補助化学療法+プラセボ
で主要評価項目は無再発生存期間、副次的な評価項目は全生存期間、3年・5年の全生存期間、3年・5年の無再発生存期間で評価します。

疾患解説:胃がん

国立がん研究センターのがん登録・統計の2014年の全国推計値によると、胃がんに罹った人は、男性89094人、女性40145人、合計129239人で女性に比べて男性が2倍以上多くなっています。50代で徐々に増えはじめ、男性は70代をピークにその後は減少しますが、女性は、80代からさらに増加していきます。
胃がんのリスク要因は、喫煙、塩分の多い食事や野菜などの不足、生活習慣などいくつもあるといわれていますが、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染がリスクを高めるといわれています。
早期の胃がんではほとんど自覚症状がありませんが、がんの進行につれて起こる、胃痛、胸やけ、吐き気、食欲不振などが代表的な症状です。こうした気になる症状があれば医療施設で検査を受けてください。
胃がん検診は、対策型検診と任意型検診があります。対策型検診は、会社などで加入している健康保険組合や自治体が定期的に行うもので、任意型検診は、個人の希望で行う検診です。いずれの検診でも、有効性評価に基づくがん検診ガイドラインでは、50歳以上を対象として、問診と胃部X線検査(当分は1年に1回)か胃内視鏡検査を2年に1回受けることが推奨されています。
胃は内側から粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5つの層からできています。多くの胃がんは一番内側にある粘膜層から発生し、次第に胃壁の外側に向かって進行していきます。胃がんのステージ分類は、がんが5つの層のどこまで達しているかという深達度、リンパ節への転移、遠隔臓器への転移の3つの要素で決定されます。
早期胃がんの治療では、体への負担が外科的手術より少ない内視鏡を使った手術も可能な場合もあります。大まかにいうと、ステージII程度の進行度なら「容易に手術が可能」と判断し、ステージIII程度の進行度なら「ギリギリ切除可能」と判断され、ステージIVに至ると「根治切除ができない」となります。ただし、ステージだけでは治療方針は決まりません。 手術と薬物療法を組み合わせることで、従来は治癒が難しかった胃がんも治療の対象となっています。今後、新しい薬剤と手術を組み合わせた臨床試験が進むことで、胃がんの手術療法の治療成績は、さらに向上していくと考えられています。

胃がんの深達度
胃がんの深達度

胃がんの治療方針の基本の考え方
胃がんの治療方針の基本の考え方

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 胃がん(腺がん)の患者
  • 胃摘出術を実施し、がんの遺残が認められない患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 重複がんがある患者
  • 他の抗体製剤に対する高度の過敏反応の合併または既往がある患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 ONO-4538第3相試験
試験の概要胃がん(食道胃接合部がんを含む)に対する術後補助化学療法にONO-4538を併用したときの有効性及び安全性について、術後補助化学療法にプラセボを併用した群を対照とした多施設共同二重盲検無作為化試験により検討する
疾患名胃がん
試験薬剤名ニボルマブ
用法・用量静脈内投与
試験薬剤名プラセボ
用法・用量静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン多施設共同二重盲検無作為化試験
目標症例数700
適格基準
  • 胃がんで組織学的に腺がんであることが確認された患者
  • 胃摘出術を実施し、がんの遺残が認められない患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 重複がんを有する患者
  • 他の抗体製剤に対する高度の過敏反応の合併又は既往を有する患者
主要な評価項目無再発生存期間(RFS)
主要な評価方法
副次的な評価項目全生存期間(OS)、3年及び5年OS率、3年及び5年RFS率
副次的な評価方法
予定試験期間2016年4月~2021年6月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより