切除不能な肝細胞がんに対するデュルバルマブとトレメリムマブ併用療法の治験

治験名

切除不能な肝細胞癌を有する被験者を対象に単剤療法及び併用療法として投与したときのMEDI4736及びtremelimumabの安全性、忍容性及び臨床効果を検討する試験

治験概要

この臨床試験は、切除不能な肝細胞がんを有する被験者において、tremelimumab(トレメリムマブ)とMEDI4736(デュルバルマブ)との併用療法、デュルバルマブ単剤療法またはトレメリムマブ単剤療法としての安全性、忍容性、抗腫瘍活性、薬物動態、薬力学および免疫原性を検討するようデザインされた、多施設共同、非盲検、層別化、無作為化試験です。

疾患解説肝細胞がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肝臓がんに罹患した人は、約40000人強です。50代くらいから増加し始め、80代前後をピークに、その後は減少します。

肝臓がんは、肝臓の細胞ががん化した悪性腫瘍です。肝臓内にある胆管にできたがんは、肝内胆管がんといいます。

日本人の肝臓がんはウイルス性肝炎から発生することが多いのが特徴です。最近は、C型やB型の肝炎ウイルスに対する治療薬ができたことで、ウイルス性肝炎がかなりコントロールできるようになったため減少傾向にあります。

その一方で、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)など肝炎ウイルス以外の原因による肝臓がんが増加傾向にあるという報告もあります。

治験薬デュルバルマブ

デュルバルマブは、抗PD-L1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。

免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。

がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:トレメリムマブ

トレメリムマブは、抗CTLA-4抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。

がん細胞を攻撃するT細胞の表面に発現するCTLA-4とT細胞を抑制するCD80/86が結合しないようにするのが抗CTLA-4抗体です。これにより、T細胞は活性化したままがん細胞に誘導されます。また、がん細胞は、過剰な免疫応答にブレーキをかける制御性T細胞を誘導し、攻撃を抑制します。制御性T細胞に発現しているCTLA-4と抗CTLA-4抗体が結合することで排除することで、免疫抑制を解除します。

抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体との併用療法薬として効果が期待されています。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 腫瘍組織の病理組織学的所見に基づきHCCと確定診断されている。病理学的に確されたまたは非侵襲的な方法により確認された切除不能なHCCの診断を受けている
  • 免疫療法歴がなく、ソラフェニブによる治療で増悪、不耐容を示した、またはそれを拒否した患者さん。ソラフェニブ以外の全身療法による治療を受けた患者さんは適格ではありません
  • 年齢:18歳以上(日本では20歳以上)
  • 性別:男女
対象とならない人
  • 免疫療法歴がある患者さん
  • 過去12か月以内に肝性脳症の既往歴を有する、あるいは脳症を予防またはコントロールする薬剤を必要とする患者さん
  • 12か月以内に胃腸出血(例:食道静脈瘤出血、潰瘍出血)を来したことがある患者さん
  • 予定初回投与前6か月以内に非薬理学的介入が必要となる腹水、あるいは症状のコントロールを維持するために薬理学的介入の拡大が必要となる腹水のある患者さん
  • 門脈本幹に血栓(Vp4)が画像検査で確認されている患者さん
  • がん治療を目的とした化学療法、免疫療法または生物学的療法もしくはホルモン療法を並行して受けている患者さん
  • 一部の例外を除き活動期の自己免疫疾患または炎症性疾患がある、または過去に確認されている患者さん
  • 一部の例外を除き免疫抑制剤を現在投与されている、または過去14日以内に投与された患者さん

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、日本国内では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP) 」という厳しいルールに基づき、行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで進められます。治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを正しく理解しましょう。

試験詳細

試験の名称切除不能な肝細胞癌を有する被験者を対象に単剤療法及び併用療法として投与したときのMEDI4736及びtremelimumabの安全性、忍容性及び臨床効果を検討する試験
試験の概要本試験は、切除不能な肝細胞癌を有する被験者において、tremelimumabとMEDI4736 (Durvalumab)との併用療法、MEDI4736単剤療法またはtremelimumab単剤療法としての安全性、忍容性、抗腫瘍活性、薬物動態、薬力学及び免疫原性を検討するようデザインされた、多施設共同、非盲検、層別化、無作為化試験である。
疾患名肝細胞癌
試験薬剤名MEDI4736 + tremelimumab、MEDI4736、tremelimumab,
用法・用量MEDI4736 + tremelimumab:MEDI4736とtremelimumabを併用し、静脈内投与する。MEDI4736:MEDI4736を静脈内投与する。tremelimumab:tremelimumabを静脈内投与する。
試験のフェーズフェーズ2(第2相臨床試験)
試験のデザイン無作為化、安全性/有効性検討、並行群比較、非盲検
目標症例数
適格基準
  • 腫瘍組織の病理組織学的所見に基づきHCCと確定診断されている。病理学的に確認された又は非侵襲的な方法により確認された切除不能なHCCの診断を受けている
  • 免疫療法歴がなく、ソラフェニブによる治療で増悪、不耐容を示した、又はそれを拒否した患者。ソラフェニブ以外の全身療法による治療を受けた患者は適格でない
  • 18歳以上(日本では20歳以上)
  • 性別:両方
除外基準
  • 免疫療法歴がある患者
  • 過去12か月以内に肝性脳症の既往歴を有する、あるいは脳症を予防又はコントロールする薬剤を必要とする
  • 12か月以内に胃腸出血(例:食道静脈瘤出血、潰瘍出血)を来したことがある
  • 予定初回投与前6ヶ月以内に非薬理学的介入が必要となる腹水、あるいは症状のコントロールを維持するために薬理学的介入の拡大が必要となる腹水
  • 門脈本幹に血栓(Vp4)が画像検査で確認されている
  • 癌治療を目的とした化学療法、免疫療法又は生物学的療法若しくはホルモン療法を並行して受けている患者
  • 一部の例外を除き活動期の自己免疫疾患又は炎症性疾患がある、又は過去に確認されている患者
  • 一部の例外を除き免疫抑制剤を現在投与されている、又は過去14日以内に投与された患者
主要な評価項目
主要な評価方法
副次的な評価項目
副次的な評価方法
予定試験期間

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより