寛解期の急性骨髄性白血病に対するベネトクラクス+アザシチジンの治験

治験の募集状況は、「jRCT 臨床研究等提出・公開システム外部リンク」ページでご確認ください。

上記ページにアクセスし、条件欄から「研究の名称」を選択、このページの「試験概要詳細」の「試験の名称」をコピーして、キーワード欄に貼り付け、検索してください。

治験

VIALE-M

従来の化学療法後の第一寛解期にある急性骨髄性白血病患者の維持療法としてのベネトクラクス+アザシチジンをベストサポーティブケアと比較する無作為化、非盲検、2群、多施設共同、第3相試験

治験概要:

急性骨髄性白血病に対する治験。化学療法後の第一寛解期の患者さんが対象です。
ベネトクラクス+アザシチジンとベストサポーティブケアを比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、36人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化、非盲検、2群、多施設共同。
試験群:ベネトクラクス+アザシチジン
対照群:ベストサポーティブケア
再発生存期間、全生存期間、微小残存病変、患者報告アウトカムなどで評価します。

疾患解説:急性骨髄性白血病

疾患の詳細は、「急性骨髄性白血病を知る」を参照ください。

治験薬:ベネトクラクス

ベネトクラクスは、BCL-2 タンパク質と選択的に結合し阻害する分子標的薬です。
血液がんや他のがんではBCL-2 が過剰発現していることがあります。このBCL-2が過剰発現していると、抗がん薬などでがん細胞を攻撃しても、細胞死や自己破壊を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2 タンパク質を標的とすることで、がん細胞で失われた細胞死や自己破壊の過程を回復させ、細胞死を誘導する作用があります。

治験薬:アザシチジン

アザシチジンは、DNAメチル化阻害薬です。
がん細胞では、DNAのメチル化が活性しているため、がん抑制遺伝子が抑制されています。アザシチジンは、DNAのメチル化を誘導することで、がん抑制遺伝子を発現させることで、抗腫瘍効果を発揮します。また、細胞の基となるたんぱく質の合成を妨げることで、異常細胞の増殖を抑制します。

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。
※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。

試験概要詳細

試験の名称従来の化学療法後の第一寛解期にある急性骨髄性白血病患者の維持療法としてのベネトクラクス + アザシチジンをベストサポーティブケアと比較する無作為化,非盲検,2群,多施設共同,第III相試験(VIALE-M)[M19-708]
試験の概要本試験の主要目的は、従来の化学療法後に初回寛解を達成した急性骨髄性白血病(AML)成人患者を対象として、維持療法としてベネトクラクスとアザシチジン(AZA)の併用投与の安全性及び有効性を支持療法(BSC)と比較評価することである。本試験は無再発生存期間(RFS)の改善を評価する2つのパートで構成される:パート1(用量確認)とパート2(無作為化)。パート2は、パート1で安全性を約4週間評価した後に開始する。本治験期間中、被験者は約2年間ベネトクラクスとアザシチジンの併用投与又は支持療法を受け、来院回数は1~5回/月とする
疾患名急性骨髄性白血病
試験薬剤名ベネトクラクス
用法・用量ベネトクラクスを各28日サイクルでDay1から1日1回経口投与する
対照薬剤名支持療法
用法・用量
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン本試験の主要目的は、従来の化学療法後に初回寛解を達成した急性骨髄性白血病(AML)成人患者を対象として、維持療法としてベネトクラクスとアザシチジン(AZA)の併用投与の安全性及び有効性を支持療法(BSC)と比較評価することである。本試験は無再発生存期間(RFS)の改善を評価する2つのパートで構成される:パート1(用量確認)とパート2(無作為化)。パート2は、パート1で安全性を約4週間評価した後に開始する。本治験期間中、被験者は約2年間ベネトクラクスとアザシチジンの併用投与又は支持療法を受け、来院回数は1~5回/月とする
目標症例数36
適格基準
  • 新たに急性骨髄性白血病(AML)と診断された者
  • 以下の疾患活動性基準を満たす者
    世界保健機関(WHO)基準(2017)によりAMLと確認され、予定された寛解導入及び地固め化学療法の完了後に完全寛解(CR)又は血球数の回復を伴わない完全寛解(CRi)が確認されている
    組み入れ前4ヵ月以内又は従来の治療の最終投与後75日以内に初回のCR又はCRiが得られている
    National Comprehensive Cancer Network(NCCN)2016の基準でAMLの細胞遺伝学的所見が中間リスク又は高リスクである
  • Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance statusが2以下である患者
  • 治験実施計画書に記載されているとおり、適切な血液学的検査、腎機能検査及び肝機能検査値を有する患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 急性前骨髄球性白血病(APL)の既往歴がない者
  • AMLの活動性の中枢神経浸潤の既往歴がない者
主要な評価項目有効性/efficacy
検証的/confirmatory
主要な評価方法無再発生存期間(RFS)
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
薬物動態/pharmacokinetics
副次的な評価方法全生存期間(OS)
微小残存病変(MRD)
患者報告アウトカム
予定試験期間2019年10月1日~2025年8月31日

出典:臨床研究等提出・公開システムより