骨髄異形成症候群・慢性骨髄単球性白血病・急性骨髄性白血病に対するペボネディスタットの治験
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治験名
PANTHER
高リスク骨髄異形成症候群(HRMDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)又は低芽球比率急性骨髄性白血病(AML)の患者に対する一次治療としてのペボネディスタット+アザシチジン併用投与とアザシチジン単独投与の比較試験
治験概要:
高リスクの骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、低芽球比率急性骨髄性白血病を対象とした治験。
ペボネディスタットとアザシチジンの併用とアザシチジン単独療法を比較して、無イベント生存期間で評価する臨床試験です。
登録予定数は450人。
試験デザインは、ランダム化、非盲検、オープン試験。
フェーズは、第3相臨床試験。
比較する対象は
試験群:ペボネディスタット+アザシチジンの併用
対照群:アザシチジン単独
で主要評価項目は無イベント生存期間、副次的な評価項目は全生存期間などで評価します。
疾患解説:骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群の国内の患者数は、10万人あたり1~2人前後と推定されており、60歳を超えると急激に増加します。
骨髄異形成症候群は、血液細胞の元となる造血幹細胞に異常が起こった、骨髄系細胞に由来する血液がんの1つで、さまざまな病態があるため症候群と呼ばれています(図1)。骨髄系細胞由来の血液がんは、急性骨髄性白血病や慢性骨髄性白血病があります。
がん化した骨髄異形成症候群の造血幹細胞は、機能の異常や形状の異常が認められます。そのため未熟なまま分化がとまったり、成熟したように見えても細胞が壊れたりすることで血液細胞が減っていきます。赤血球、白血球、血小板に同時に異常が発生することもありますが、それぞれ分化する過程で異常が生じて、徐々に進行していく場合もあります。
発症原因のほとんどは不明ですが、全症例の約10%前後は治療関連骨髄異形成症候群といわれています。治療関連骨髄異形成症候群は、殺細胞性抗がん剤や放射線治療を受けた数年後に発症した症例です。
骨髄異形成症候群の症状は、血液細胞の減少と正常に機能しなくために起こります。赤血球が減少すると倦怠感、動悸、息切れなどがあらわれ、好中球が減少すると感染症にかかりやくなり発熱が起こります。血小板が減少すると、鼻血や皮膚・粘膜に点状の出血が現れることがあります。

疾患解説:慢性骨髄単球性白血病
慢性骨髄単球性白血病は、単球の増加を特徴とした骨髄増殖性腫瘍と骨髄異形成症候群の性質を併せ持つ白血病です。骨髄内で異常に白血球の一種である単球が増殖することで、白血球、赤血球、血小板などの正常な血液細胞が締め出されることでさまざまな症状が起こります。
主な症状は、倦怠感、体重減少、発熱、寝汗のほか、感染症や出血などがあります。白血球が増加している場合は、肝腫大や脾腫大を伴うこともあります。
疾患解説:急性骨髄性白血病
白血病は、血液細胞ががん化する血液のがんです。
白血病は、造血幹細胞のうち骨髄系とリンパ系の2つと症状の違いによる急性と慢性の2つの分類から、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病の4つに大きく分類されます(表1)。
国立がん研究センターのがん統計によると2014年に白血病に罹患した人は、約12000人です。
急性骨髄性白血病は、年間10万人に2~3人程度が発症するといわれ、高齢になるほど増加します。
急性骨髄性白血病は、未熟な血液細胞が何らかの原因の遺伝子異常によりがん化し、無制限に増加することで発症します。骨髄中の白血病細胞がWHO分類で20%以上、FAB分類で30%以上になると急性骨髄性白血病と診断されます。
急性骨髄性白血病の主な症状は、正常な血液が作られなくなることで起こるものと腫瘍化した細胞が臓器に浸潤して現れるものがあります。
正常な白血球が作られなくなるとウイルスや細菌などに対する抵抗力が低下し感染症にかかりやすくなります。赤血球の減少は、倦怠感、動悸、息切れといった症状がでます。血小板の減少は、鼻血がでたりあざができやすくなり、出血しやすくなります。
臓器に浸潤すると、肝臓や脾臓が腫れ、お腹が張ったり痛みが起こります。骨に浸潤すると、腰痛や関節痛、髄膜への浸潤では頭痛がおこります。
表1 白血病の主な分類
骨髄性 | リンパ性 | |
急性 | 急性骨髄性白血病 (AML: acute myeloid leukemia) | 急性リンパ性白血病 (ALL: acute lymphoblastic leukemia) |
慢性 | 慢性骨髄性白血病 (CML: chronic myelogenous leukemia) | 慢性リンパ性白血病 (CLL: chronic lymphocytic leukemia) |
治験薬:ペボネディスタット
ペボネディスタットは、NEDD8活性酵素(NAE)を阻害する分子標的薬です。
プロテオソームは、たんぱく質を分解する酵素複合体です。プロテオソームは、破壊シグナルとして認識している細胞マーカーのユビチキンという物質が結合している細胞を分解します。
ペボネディスタットは、このユビチキン―プロテオソーム系の構成要素を標的としたNAE阻害薬です。
治験薬:アザシチジン
アザシチジンは、DNAメチル化阻害薬です。
がん細胞では、DNAのメチル化が活性しているため、がん抑制遺伝子が抑制されています。アザシチジンは、DNAのメチル化を誘導することで、がん抑制遺伝子を発現させることで、抗腫瘍効果を発揮します。また、細胞の基となるたんぱく質の合成を妨げることで、異常細胞の増殖を抑制します。
主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)
パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。
ECOG パフォーマンスステータス
PS 0 | 全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える |
PS 1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業 |
PS 2 | 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす |
PS 3 | 限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
PS 4 | 全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす |
出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)
Karnofsky パフォーマンスステータス
スコア | 患者の状態 | |
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない | 100 | 正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし |
90 | 軽い臨床症状はあるが、正常活動可能 | |
80 | かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能 | |
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする | 70 | 自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能 |
60 | 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要 | |
50 | 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要 | |
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある | 40 | 動けず、適切な医療および看護が必要 |
30 | 全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない | |
20 | 非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要 | |
10 | 死期が切迫している | |
0 | 死 |
WHO パフォーマンスステータス
スコア | 患者の状態 |
---|---|
0 | 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える |
1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など |
2 | 歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす |
3 | 限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
4 | 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす |
5 | 死亡 |
出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より
治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。
※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。
試験概要詳細
試験の名称 | 高リスク骨髄異形成症候群(HRMDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)又は低芽球比率急性骨髄性白血病(AML)の患者に対する一次治療としてのペボネディスタット+アザシチジン併用投与とアザシチジン単独投与の比較試験(PANTHER) |
試験の概要 | 本治験の被験薬はペボネディスタットであり、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病又(CMML)は低芽球比率急性骨髄性白血病(AML)の被験者を対象に、アザシチジンと併用投与される。本治験はペボネディスタット+アザシチジン併用投与とアザシチジン単独投与の全生存期間(OS)、無イベント生存期間(EFS)、治療の総合効果を比較する試験である。本治験の被験者は約450例を予定している。登録された被験者は、1:1の割合でランダムに割り付けられ、28日間の治療サイクルで以下のいずれかの群に割付けられる -ペボネディスタット20mg/m^2+アザシチジン75mg/m^2、併用投与 -アザシチジン75mg/m^2、単独投与 すべての被験者にアザシチジンを静脈内又は皮下投与する。併用群に割り付けられた被験者にはペボネディスタットも合わせて静脈内投与する。本治験は全世界で実施され、試験期間は約63ヶ月である。治験薬最終投与から30日後、あるいは、すぐに次の抗悪性腫瘍薬による治療を受ける場合にはその開始前に、投与終了来院を行う HR MDS又はCMML患者でAMLへの移行が生じていない被験者に対しては、毎月1回の来院による無イベント生存期間(EFS)の追跡調査を開始し、次治療は開始しない。低芽球比率AML被験者は、完全寛解(CR)からの再発が生じるまで、又は病勢進行(PD)の基準を満たすまで、効果追跡調査のための毎月1回の来院を継続する。すべての被験者はAMLへの移行が確認されたとき(開始時にHR MDS/CMMLの患者)、あるいはPDまたはCRから再発したとき(低芽球比率AML患者)、全生存期間(OS)の追跡調査(3ヶ月ごと)を開始する |
疾患名 | 骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病又は急性骨髄性白血病 |
試験薬剤名 | アザシチジン+ペボネディスタット併用投与 |
用法・用量 | 1~5日目、8日目及び9日目にアザシチジンを75mg/m^2(静脈内又は皮下に)投与し、1、3、5日目にペボネディスタット20mg/m^2を60(±10)分かけて点滴静注投与。治療サイクルは、28日間である |
対照薬剤名 | アザシチジン単独投与 |
用法・用量 | 1~5日目、8日目及び9日目にアザシチジンを75mg/m2(静脈内又は皮下に)投与。治療サイクルは、28日間である |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | ランダム化、非盲検、オープン試験 |
目標症例数 | 450 |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | 無イベント生存期間(EFS) |
主要な評価方法 | EFS:ランダム化からEFSにおけるイベント発現日までの期間。EFSにおけるイベントは、MDS/CMMLでは、死亡あるいはAML[世界保健機関(WHO)分類では、血中及び骨髄中芽球比率が20%超かつ芽球数が50%増加と定義]への移行と定義し、どちらか早く発現した日までの期間とし、低芽球比率AMLでは死亡と定義する 評価期間:ランダム化からAMLへの移行、または死亡まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 全生存期間(OS) |
副次的な評価方法 | OS:ランダム化から死因を問わない死亡までの期間。解析時点で死亡に関する書類が得られていない被験者については、生存が確認された最後の日付で打ち切りとする。 評価期間:ランダム化から死亡まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 6ヵ月生存率 |
副次的な評価方法 | 6ヵ月生存率:6ヵ月生存率のKaplan-Meier(K-M)推定値 評価期間:6ヵ月 |
副次的な評価項目 | 1年生存率 |
副次的な評価方法 | 1年生存率:1年生存率のKaplan-Meier(K-M)推定値 評価期間:12ヵ月 |
副次的な評価項目 | 30日生存率 |
副次的な評価方法 | 30日生存率:30日生存率のKaplan-Meier(K-M)推定値 評価期間:30日 |
副次的な評価項目 | 60日生存率 |
副次的な評価方法 | 60日生存率:60日生存率のKaplan-Meier(K-M)推定値 評価期間:60日 |
副次的な評価項目 | HR MDS又はCMML患者におけるAML移行までの期間 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者のAML移行までの期間は、ランダム化からAMLへの移行が記録されるまでの期間と定義する。AMLに進行する前に死亡した被験者については打ち切りとする。WHO分類に従い、AMLへの移行を血液中及び骨髄中の芽球比率が20%超かつ芽球数が50%増加と定義する 評価期間:ランダム化からAML移行まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR及びCRiの被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS、CMML又は低芽球比率AML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの効果判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。HR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつ、すべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、ヘモグロビン(Hgb)が11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。低芽球比率AMLのCRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く) 評価期間:ランダム化からCR又はCRiまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR+骨髄CRの被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定するHR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつ、すべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。骨髄CR:骨髄芽球が5%以下で、かつ投与前から50%以上減少 評価期間:ランダム化からCR又は骨髄CRまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR+PR+血液学的改善(HI)の被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。CR:骨髄芽球が5%以下、かつ、すべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。骨髄CR:骨髄芽球が5%以下で、かつ投与前から50%以上減少。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。HI:ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上上昇(投与前:11g/dL未満)、血小板数が30×10^9/L以上増加(治療前の血小板数が20×10^9/Lを超えていた場合)又は、20×10^9/L超へ増加し、かつ100%以上増加(治療前20×10^9/L未満の場合)、好中球が100%以上増加し、かつ0.5×10^9/L以上増加(投与前:1.0×10^9/L未満) 評価期間:ランダム化からCR、PR又はHIまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR+骨髄CR+PRの被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。CR:骨髄芽球が5%以下、かつ、すべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。骨髄CR:骨髄芽球が5%以下で、かつ投与前から50%以上減少。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く) 評価期間:ランダム化からCR、骨髄CR又はPRまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR+骨髄CR+PR+HIの被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。CR:骨髄芽球が5%以下、かつ、すべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。骨髄CR:骨髄芽球が5%以下で、かつ投与前から50%以上減少。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。HI:ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上上昇(投与前:11g/dL未満)、血小板数が30×10^9/L以上増加(治療前の血小板数が20×10^9/Lを超えていた場合)又は、20×10^9/L超へ増加し、かつ100%以上増加(治療前20×10^9/L未満の場合)、好中球が100%以上増加し、かつ0.5×10^9/L以上増加(投与前:1.0×10^9/L未満) 評価期間:ランダム化からCR、骨髄CR、PR又はHIまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 総合効果の被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。HR MDS又はCMML被験者の総合効果は、CR+PRと定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果は、CR+CRi+PRと定義する。HRMDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少 評価期間:ランダム化からCR、PRまで、又は、ランダム化からCR、CRi、PRまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 総合効果2の被験者割合 |
副次的な評価方法 | MDS又はCMML被験者の総合効果2は、CR+PR+HIと定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果2は、CR+CRi+PRと定義する。HR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。HI:ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上上昇(投与前:11g/dL未満)、血小板数が30×10^9/L以上増加(治療前の血小板数が20×10^9/Lを超えていた場合)又は、20×10^9/L超へ増加し、かつ100%以上増加(治療前20×10^9/L未満の場合)、好中球が100%以上増加し、かつ0.5×10^9/L以上増加(投与前:1.0×10^9/L未満)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少 評価期間:ランダム化からCR、PR又はHIまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CRの期間 |
副次的な評価方法 | CRの期間は、CRが確認されてからPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまでの期間と定義する。HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に、基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。HR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く) 評価期間:CRからPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 総合効果(OR)の期間 |
副次的な評価方法 | ORの期間は、効果の文書記録からPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまでの期間と定義する。HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。HR MDS又はCMML被験者の総合効果は、CR+PRと定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果は、CR+CRi+PRと定義する。HRMDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、ヘモグロビン(Hgb)が11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少 評価期間:CR、PR又は、CR、CRi、PRからPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 総合効果2(OR2)の期間 |
副次的な評価方法 | OR2の期間は、効果の文書記録からPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまでの期間と定義する。HR MDS又はCMML被験者の総合効果2は、CR+PR+HIと定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果2は、CR+CRi+PRと定義する。HR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、ヘモグロビン(Hgb)が11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。HI:ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上上昇(投与前:11g/dL未満)、血小板数が30×10^9/L以上増加(治療前の血小板数が20×10^9/Lを超えていた場合)又は、20×10^9/L超へ増加し、かつ100%以上増加(治療前20×10^9/L未満の場合)、好中球が100%以上増加し、かつ0.5×10^9/L以上増加(投与前:1.0×10^9/L未満)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少 評価期間:CR、PR、HIからPD又はAMLへの移行が最初に確認されるまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 赤血球及び血小板輸血非依存達成率 |
副次的な評価方法 | 被験者がランダム化実施8週間前から治験薬最終投与30日後まで、赤血球及び/又は血小板輸血を8週間以上の期間にわたって受けていない場合、被験者は赤血球及び/又は血小板輸血非依存であると定義する。赤血球・血小板輸血非依存性の割合は、赤血球・血小板輸血非依存性となった被験者数をベースライン時に赤血球・血小板輸血依存性であった被験者数で割った数値と定義する 評価期間:ランダム化実施8週間前から治験薬最終投与30日後まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | 赤血球輸血非依存、血小板輸血非依存、ならびに血小板及び赤血球輸血非依存の期間 |
副次的な評価方法 | 血小板及び赤血球輸血非依存の期間は、最初に赤血球・血小板輸血非依存性が確認されてから、次に赤血球・血小板を輸血するまでと定義される 評価期間:最初に赤血球・血小板輸血非依存性が確認されてから、次に赤血球・血小板を輸血するまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | CR又はPRの初回判定が得られるまでの期間 |
副次的な評価方法 | 初回のCR/PRまでの期間はランダム化から最初にCR又はPRのいずれか早いものが確定するまでの期間と定義される。HR MDS、CMML又は低芽球比率AML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定するHR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、ヘモグロビン(Hgb)が11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少して、5~25%に収まっている場合 評価期間:ランダム化からCR又はPRまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | HI達成の被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。HI:ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上上昇(投与前:11g/dL未満)、血小板数が30×10^9/L以上増加(治療前の血小板数が20×10^9/Lを超えていた場合)又は、20×10^9/L超へ増加し、かつ100%以上増加(治療前20×10^9/L未満の場合)、好中球が100%以上増加し、かつ0.5×10^9/L以上増加(投与前:1.0×10^9/L未満) 評価期間:ランダム化からHIまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | HR MDS、CMMLに関連して1回以上入院した被験者割合 |
副次的な評価方法 | 入院被験者のデータはAML移行(HR MDS/CMML被験者)、または、次治療開始までのいずれか早いほうまで収集する。AML移行はWHO分類により、血中及び骨髄中芽球比率が20%超かつ芽球数が50%増加と定義する 評価期間:ランダム化からAML移行まで又はその後の治療開始まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | PD、CR又はPR後の再発、あるいは死亡までの期間 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMMLのPD:1)5%未満であった芽球比率が50%以上増加して5%を超えている、5~10%未満であった芽球比率が50%以上増加して10%を超えている、10~20%未満であった芽球比率が50%以上増加して20%を超えている、20~30%未満であった芽球比率が、骨髄芽球が50%を超えて増加し、芽球比率が30%を超えている、又は、末梢血中芽球が50%を超えて増加し、末梢血中芽球が30%を超えている、生検により確定診断された髄外病変又は新たな部位の髄外白血病が発生。2)顆粒球又は血小板が寛解/奏効時の最大値から50%以上減少、ヘモグロビン濃度が2g/dL以上低下、新たな輸血依存性。CR又はPR後の再発:骨髄芽球比率が治療前の値に戻る、顆粒球又は血小板が寛解/奏効時の最大値から50%以上減少、ヘモグロビン濃度が1.5g/dL以上低下するか、輸血依存性が認められる。AMLのPD:1)骨髄芽球が50%を超えて増加し、芽球比率が30%を超えている2)血中芽球が50%を超えて増加し、末梢血中芽球が30%を超えている3)生検により確定診断された髄外病変又は新たな部位の髄外白血病が発生 評価期間:ランダム化からPD又はCR後の再発又は死亡まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | EORTC QLQ-C30を用いて評価したHR QOL |
副次的な評価方法 | EORTC QLQ-C30は5つの機能スケール(身体、役割、認知、情緒及び社会)、9つの症状スケール(疲労、悪心・嘔吐、疼痛、呼吸困難、睡眠障害、食欲喪失、便秘、下痢及び経済的困難)及び全般的QOL/健康状態スケールの30項目から成る。30項目のほとんどが4択式(全くない、少しある、多い、とても多い)であり、2問が7ポイント式の数値評価スケールとなっている。粗点を0~100の尺度スコアに換算する。機能スケール及び全般的健康状態スケールではスコアが高くなるほどQOLが良好となり、症状スケールではスコアが低くなるほどQOLが良好となる 評価期間:ベースラインから6年まで |
副次的な評価項目 | ペボネディスタットの血漿中濃度 |
副次的な評価方法 | 評価期間:サイクル1Day1の投与前及び投与後の規定の採取時点(4時間まで);サイクル1Day3及び5の投与前;サイクル2及び4のDay1の投与後の規定の採取時点(3時間まで);サイクル4Day3の投与前 |
副次的な評価項目 | TP53変異、17p欠失が認められた、及び/又は好ましくない細胞遺伝学的リスク群に分類された患者におけるORR |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。また、低芽球比率AML被験者の治療効果は、AMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。総合効果について、HRMDS又はCMML被験者の総合効果は、CR+PRと定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果は、CR+CRi+PRと定義するHRMDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血において、Hgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少して、5~25%に収まっている場合 評価期間:ランダム化からCR、CRi及びPRまで(最長6年) |
副次的な評価項目 | TP53変異、17p欠失が認められた、及び/又は好ましくない細胞遺伝学的リスク群に分類された患者におけるEFS |
副次的な評価方法 | MDS/CMML被験者におけるイベントは死亡またはAMLへの移行のいずれか早いほうと定義する。AML移行はWHO分類により、血中及び骨髄中芽球比率が20%超かつ芽球数が50%増加と定義する。低芽球比率AML被験者におけるイベントは死亡と定義する 評価期間:ランダム化からAML移行までまたは次治療開始まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | TP53変異、17p欠失が認められた、及び/又は好ましくない細胞遺伝学的リスク群に分類された患者におけるOS |
副次的な評価方法 | OSはランダム化から死因を問わない死亡までの期間と定義する。解析時点で死亡に関する書類が得られていない被験者については、生存が確認された最後の日付で打ち切りとする 評価期間:ランダム化から死亡まで(最長6年) |
副次的な評価項目 | サイクル6までに全奏効率(ORR)を達成した被験者割合 |
副次的な評価方法 | HR MDS/CMML被験者の治療効果は、MDSに関するModifiedInternational Working Group(IWG)の効果判定基準に、低芽球比率AML被験者の治療効果はAMLに関するIWGの改訂版判定基準に基づき判定する。総合効果について、HR MDS又はCMML被験者の総合効果は、完全寛解(CR)+部分寛解(PR)と定義し、低芽球比率AML被験者の総合効果は、CR+血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)+PRと定義する。HR MDS/CMMLのCR:骨髄芽球が5%以下、かつすべての細胞系統の成熟が正常。末梢血においてHgbが11g/dL以上、血小板数が100×10^9/L以上、好中球数が1.0×10^9/L以上、芽球0%。PR:すべてのCR基準を満たす(骨髄芽球が投与前から50%以上減少したが、依然として5%を超えている場合を除く)。低芽球比率AMLのCR:形態学的に白血病でない状態を達成し、かつ好中球が1.0×10^9を超え、血小板数が100×10^9/L以上である。輸血非依存性であり、また、髄外白血病の残存徴候がない。CRi:CR基準を満たす(好中球が1.0×10^9/L未満または、血小板数が100×10^9/L未満を除く)。PR:CRの血液学的検査値をすべて満たすが、骨髄穿刺で骨髄芽球が50%以上減少して、5~25%に収まっている場合 評価期間:サイクル6まで(およそ168日まで) |
予定試験期間 | 2017年11月28日~2023年3月31日 |