試験の名称 |
トリプルネガティブ乳癌を対象とした術前補助療法としてMK-3475及び化学療法併用投与とプラセボ及び化学療法併用投与の比較並びに術後補助療法としてMK-3475の単独投与とプラセボの単独投与を比較する二重盲検、無作為化、第III相試験(MK-3475-522/KEYNOTE-522) |
試験の概要 |
本治験はトリプルネガティブ乳癌患者を対象にMK-3475および化学療法を併用した際と、プラセボと化学療法を併用した際の有効性、安全性及び忍容性を比較検討する試験である |
疾患名 |
トリプルネガティブ乳癌 |
試験薬剤名 |
MK-3475+化学療法(カルボプラチン、パクリタキセル、ドキソルビシン又はエピルビシン、シクロホスファミド) |
用法・用量 |
MK-3475:(200mg、3週間間隔)術前補助療法期8コース、及び術後補助療法期9コース。化学療法:治療1[カルボプラチン((AUC 5、IV、Q3W又はAUC 1.5、IV、QW))+パクリタキセル(80 mg/m2、IV、QW):術前補助療法期 4コース]、+治療2[ドキソルビシン(60mg/m2、IV、Q3W)+シクロホスファミド(600mg/m2、IV、Q3W)又は エピルビシン(90mg/m2、IV、Q3W)+シクロホスファミド(600mg/m2、IV、Q3W):術前補助療法期 4コース]。増殖因子による支持療法:各コースの化学療法薬投与後、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与する。化学療法薬の投与24時間後から少なくとも最終投与から72時間後までの間、G-CSF 5μg/kg/日を皮下投与する。Q3Wの化学療法薬レジメンの場合は、各コースの化学療法薬の投与終了から24時間後にペグフィルグラスチム100μg/kg又は6mgの単回皮下投与も許容する |
対照薬剤名 |
プラセボ+化学療法(カルボプラチン、パクリタキセル、ドキソルビシン又はエピルビシン、シクロホスファミド) |
用法・用量 |
プラセボ:(3週間間隔)術前補助療法期8コース、及び術後補助療法期9コース。化学療法:治療1[カルボプラチン((AUC 5、IV、Q3W又はAUC 1.5、IV、QW))+パクリタキセル(80mg/m2、IV、QW):術前補助療法期 4コース]、+治療2[ドキソルビシン(60mg/m2、IV、Q3W)+シクロホスファミド(600mg/m2、IV、Q3W)又は エピルビシン(90mg/m2、IV、Q3W)+シクロホスファミド(600mg/m2、IV、Q3W):術前補助療法期 4コース] |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
無作為二重盲検試験 |
目標症例数 |
1150 |
適格基準 |
- 新規にTNBCと確認された患者(TNBCの確認は、最新のASCO/CAP ガイドラインの定義による)
- 治療歴がない局所進行の非転移性(M0)のTNBCで、放射線評価及び/又は臨床評価に基づき治験担当医師が評価した以下の原発腫瘍(T)および局所リンパ節(N)のステージ分類 (最新のAJCC Staging Criteria for Breast Cancer)を満たす患者:
– T1c、N1~N2
– T2、N0~N2
– T3、N0~N2
– T4a-d、N0~N2
- スクリーニング時に原発腫瘍から2つ以上の別個の腫瘍組織からなるコア針生検検体を中央検査機関に提出可能な患者
- 治験薬投与開始前10日以内に評価されたEastern Cooperative Oncology Group (ECOG)によるperformance statusが0または1の患者
- 適切な臓器機能が保持された患者
- 妊娠可能な女性患者又は妊娠させる可能性のある男性患者の場合:シクロホスファミドの投与を受けた場合は治験薬最終投与後12ヵ月(シクロホスファミドの投与を受けなかった患者では治験薬最終投与後6ヵ月)までの間、適切な避妊方法を使用することに同意する患者
- 年齢:18歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- 同意取得時から過去5年以内に浸潤性の悪性腫瘍の既往がある患者。ただし、適切な治療を受けた皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、又は子宮頚部上皮内癌は除く
- 過去12ヵ月以内に、化学療法、分子標的療法、放射線療法を受けた患者
- 抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤又は他のT 細胞補助刺激受容体(例:CTLA-4、OX-40、CD137)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者、又は過去にMK-3475の臨床試験に参加した患者
- 治験薬初回投与4週間以内に他の治験に参加し、治験薬又は医療機器を用いた、又は現在用いている患者
- 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの投与を受けた患者
- 活動性の自己免疫疾患で、過去2年以内に全身性の治療を必要とした患者(疾患修飾薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤等の使用)
免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与7日以内にプレドニゾロン換算で10mg/日を超える全身ステロイド療法や他の免疫抑制剤による治療を受けた患者
- HIVの既往を有する患者
- 活動性のB型肝炎(HBs抗原反応等)又はC 型肝炎(HCV-RNA 定性陽性等)を有する患者
- 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、若しくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者。なお、間質性肺疾患/肺臓炎には放射線肺臓炎も含む
- 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
- 以下のような重大な心臓血管の疾患を有する患者:
過去6ヵ月以内に心筋梗塞、急性冠症候群、冠状動脈形成/ステント/バイパス術を受けた患者
Congestive heart failure(CHF)New York Heart Association(NYHA)分類クラスII~IVのうっ血性心不全を有する、又はCHF NYHA 分類クラスIII又はIVのうっ血性心不全の既往をもつ患者
妊娠中又は授乳中、若しくはスクリーニング時から治験薬最終投与後12ヵ月間(シクロホスファミドを投与された場合)又は6ヵ月間(シクロホスファミドを投与されなかった場合)に妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
- 治験薬又はその類似体に対する過敏症の既往を有する患者
- 活動性の結核感染の既往を有する患者
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主要な評価項目 |
pCR率 |
主要な評価方法 |
局所進行TNBC患者を対象に、根治手術の際に実施医療機関の病理医が評価したpCR率[ypT0/Tis ypN0(乳房又はリンパ節の浸潤がん消失、非浸潤がん癌の乳房内残存はを許容)]を比較する。[最大約27~30週] |
主要な評価項目 |
無イベント生存率(EFS) |
主要な評価方法 |
局所進行TNBC患者を対象に、治験担当医師が評価した無イベント生存率(EFS)を比較する。[最大約8年] |
副次的な評価項目 |
全生存期間(OS) |
副次的な評価方法 |
局所進行TNBC患者を対象に、OSを比較する。[最大約8年] |
副次的な評価項目 |
局所進行TNBC患者及びProgrammed death – ligand 1(PD-L1)陽性患者対象のpCR率 |
副次的な評価方法 |
局所進行TNBC患者及びProgrammed death – ligand 1(PD-L1)陽性患者を対象に、根治手術の際に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率[ypT0 ypN0(乳房及びリンパ節の浸潤がん/非浸潤がんの消失)]を比較する。[最大約27~30週] |
副次的な評価項目 |
PD-L1陽性患者対象のpCR率 |
副次的な評価方法 |
PD-L1陽性患者を対象に、根治手術の際に治験担当医師が評価したpCR率[ypT0/Tis ypN0(乳房及びリンパ節の浸潤がん消失、非浸潤がんの乳房内残存は許容)]を比較する。[最大約27~30週] |
副次的な評価項目 |
PD-L1陽性患者対象のEFS |
副次的な評価方法 |
PD-L1陽性患者を対象に、治験担当医師が評価したEFSを比較する。[最大約8年] |
副次的な評価項目 |
局所進行TNBC患者及びPD-L1陽性患者対象のpCR率 |
副次的な評価方法 |
局所進行TNBC患者及びPD-L1陽性患者を対象に、根治手術の際に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率[ypT0/Tis(非浸潤性乳管癌やリンパ節転移の存在を問わない乳房の浸潤がん消失)]を比較する。[最大約27~30週] |
副次的な評価項目 |
PD-L1陽性患者対象のOS |
副次的な評価方法 |
PD-L1陽性患者を対象に、OSを比較する。[最大約8年] |
副次的な評価項目 |
局所進行TNBC患者対象の安全性及び忍容性 |
副次的な評価方法 |
局所進行TNBC患者を対象に、術前及び術後補助療法期間中、MK-3475を術前補助化学療法と併用した際、及び術後補助療法としてMK-3475を単独で投与した際の安全性及び忍容性を評価する。[最大約57週] |
副次的な評価項目 |
局所進行TNBC患者及びPD-L1陽性患者対象のQOL評価 |
副次的な評価方法 |
局所進行TNBC患者及びPD-L1陽性患者を対象に、術前及び術後補助療法期間中、EORTC QLQ-C30、QLQ-BR23を使用した健康関連QOL評価のベースラインからの変化量を比較する。[最大約27~30週] |
予定試験期間 |
2017年3月1日~2025年3月1日 |