HR陽性HER2陰性の乳がんに対するペムブロリズマブ+化学療法の治験

治験名

KEYNOTE-756

エストロゲン受容体陽性/ヒト上皮成長因子受容体2陰性の高リスク乳がん患者を対象とした術前化学療法および術後内分泌療法併用下でのペムブロリズマブとプラセボを比較する二重盲検、無作為化、第3相試験

治験概要:

HR陽性、HER2陰性の高リスク乳がんに対する治験。ステージ2~3(T1c~T2かつN1~N2またはT3~T4かつN0~N2)の患者さんが対象です。
術前または術後化学療法として、ペムブロリズマブ+化学療法とプラセボ+化学療法を比較して、完全奏効率、無イベント生存期間、全生存期間、安全性などで評価する臨床試験です。
登録予定数は、1140人。
フェーズは、3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化、多施設共同、並行群間、二重盲検比較試験。
試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(パクリタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド)
対照群:プラセボ+化学療法(パクリタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド)
完全奏効率、無イベント生存期間、全生存期間、安全性などで評価します。

疾患解説:乳がん

国立がん研究センターのがん統計によると、2014年に乳がんと診断された女性は78529人です。日本人女性の12人に1人がかかるといわれ、女性のがん死亡予測数では5位と罹患数に比べると死亡数は少なくなっています。40代から徐々に増加し50代でいったん減少しますが、60代から70代にかけ増加していき、その後は減少していきます。35歳未満の乳がんは、若年性乳がんといわれ、全体でみると2.7%と少数です。
早期の乳がんでは自覚症状がすくなく、症状の進行とともに症状が現れます。自覚症状の1つが、乳房のしこりで、特徴は、硬かったり動かないことです。そのほかの症状としては、乳頭や乳輪の湿疹やただれ、乳頭からの血が混じった分泌物、えくぼのような乳房のへこみ、皮膚の赤身や腫れ、熱っぽさ、腋の下の腫れやしこり、痛みなどがあります。
乳房は、母乳をつくる小葉と母乳を乳頭まで運ぶ乳管でできていますが、約95%の乳がんは乳管の上皮細胞にできる乳管がんです。
乳がんの診断は、がんの進行度合いで分類するステージ分類とがんの性質で分類するサブタイプ分類で総合的に行われます。ステージ分類は、がんの大きさ、リンパ節への転移、遠隔臓器への転移によって、0期、Ⅰ期、Ⅱ期(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA、ⅢB、ⅢC)、Ⅳ期に分類されます。
サブタイプ分類は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)、HER2、Ki67の4つの要素で分類されます。ERとPgRは女性ホルモンで、この女性ホルモンに対して陽性の場合、ホルモンの刺激によってがんが増殖する性質があり、陰性の場合はホルモンには反応しません。 HER2は、がん細胞に発現しているたんぱく質で、陽性だとこの受容体に反応してがんが増殖します。 Ki67は、がんが増えようとする力の程度を示す指標で、高いほどがん細胞の増殖活性が高くなります。この4つの要素によって、5つのタイプに分類され、タイプによって薬物療法の種類が異なります。
乳がんや卵巣がんの中には、BRCA1、BRCA2の遺伝子の異常が原因で発生するものがあり、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と呼ばれています。この遺伝子に異常があっても、必ず乳がんや卵巣がんになるわけではありませんが、発症するリスクが高くなります。

サブタイプ分類

サブタイプ分類 ホルモン受容体 HER2 Ki67
ER PgR
ルミナルA型 陽性 陽性 陰性
ルミナルB型
(HER2陰性)
陽性または陰性 弱陽性または陰性 陰性
ルミナルB型
(HER2陽性)
陽性 陽性または陰性 陽性 低~高
HER2型 陰性 陰性 陽性
トリプルネガティブ 陰性 陰性 陰性

治験薬:ペムブロリズマブ

ペムブロリズマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害剤の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:パクリタキセル

パクリタキセルは、イチイ科の植物の成分から開発されたタキサン系と呼ばれる微小管阻害薬です。
細胞が増殖するために細胞分裂を行うときに、微小管という物質がばらばらになる必要があります。パクリタキセルは、この微小管がばらばらにならないように安定化させ過剰に形成を起こすことで、細胞分裂を阻害して抗腫瘍効果を発揮する殺細胞性の抗がん薬です。

治験薬:ドキソルビシン

ドキソルビシンは、細胞内のDNAに結合することでDNAやRNAの合成を阻害するアントラサイクリン系の殺細胞性抗がん薬です。
アントラサイクリン系抗がん薬は、DNA鎖を延長させる酵素の阻害、DNA鎖の切断作用により、DNAやRNAの合成を阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。

治験薬:エピルビシン

エピルビシンは、細胞内のDNAに結合することでDNAやRNAの合成を阻害するアントラサイクリン系の殺細胞性抗がん薬です。
アントラサイクリン系抗がん薬は、DNA鎖を延長させる酵素の阻害、DNA鎖の切断作用により、DNAやRNAの合成を阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。
エピルビシンは、ドキソルビシンに比べ、心毒性の軽減されるように作られています。

治験薬:シクロホスファミド

シクロホスファミドは、DNAに結合しDNAの複製を阻害するアルキル化剤の1つです。
アルキル基という原子が、DNAと結合した状態で細胞分裂や増殖を行うとDNAが破壊され細胞死が起こります。この作用により、抗腫瘍効果を発揮します。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 浸潤性乳管がんであることが確認され、T1c-T2(腫瘍径2 cm以上)かつcN1-cN2、またはT3-T4かつcN0-cN2のいずれかの患者(注:炎症性乳がんの組入れは許容)
  • ER+/HER2-乳がんでグレード3である患者
  • HR、HER2並びにPD-L1発現の確認のため、原発乳房腫瘍から新たにまたは直近に採取したコア針生検検体を提出可能な患者
  • 全身状態(performance status:PS)が0または1である患者
  • 投与期間中およびペムブロリズマブ/プラセボの最終投与後少なくとも12か月間または6か月間(シクロホスファミドを投与していない患者)、付録 3に詳述する避妊法を使用することおよび精子提供をしないことに同意した男性患者
  • 投与期間中およびペムブロリズマブ/プラセボの最終投与後少なくとも12か月間または6か月間、プロトコールに詳述する避妊法を使用することに同意した女性患者
  • 適切な臓器機能がある患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な間質性肺疾患/肺臓炎の既往がある患者。間質性肺疾患/肺臓炎には放射線性肺臓炎を含む
  • 組織学的に小葉がんである患者
  • 両側性の浸潤性乳がんの患者
  • 転移性乳がんの患者
  • 多中心性乳がんの患者
  • 画像評価および/または臨床評価に基づき、リンパ節のステージ分類がcN3、cN3a、cN3bまたはcN3cの患者
  • ER-/PR+の乳がん患者
  • 治験薬投与前に原発腫瘍および/または腋窩リンパ節の切除生検を施行した、もしくはセンチネルリンパ節生検を施行した患者
  • 過去5年以内に進行性または治療が必要な他の悪性腫瘍がある患者(ただし、根治的治療を受けた皮膚の基底細胞がん、皮膚の扁平上皮がん、非浸潤性乳管がんおよび子宮頸部上皮内がんの患者は組入れ可能)
  • 免疫不全状態と診断された患者、または治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 過去2年以内に全身性の治療を要した活動性の自己免疫疾患がある患者(ただし、補充療法は、この全身性の治療とみなさず、使用可能)
  • 活動性の結核の既往がある患者
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症がある患者
  • スクリーニング時の心エコーまたはマルチゲートスキャンで、左室駆出率が50%未満または施設基準値下限未満の患者
  • 以下のような重大な心臓疾患がある患者
    過去6か月以内に心筋梗塞、急性冠症候群がみられた患者、冠動脈形成/ステント/バイパス術を受けた患者
    NYHA分類クラス2~4のうっ血性心不全がある、またはNYHA分類クラス3もしくは4のうっ血性心不全の既往がある患者
  • HIV感染の既往がある患者
  • B型肝炎または活動性のC型肝炎がある患者
  • 乳がんに対する治療歴のある患者
  • 抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤または他の補助刺激性または共抑制性T細胞受容体を標的とした薬剤の治療歴がある患者
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 治験薬の成分または添加剤に対する重度の過敏症がある患者
  • 現在他の治験薬の治験に参加している、または治験薬初回投与前4週間以内に他の治験薬の治験に参加したもしくは治験用の医療機器を用いた患者
  • 妊娠中または授乳中の女性患者、もしくはスクリーニング時来院から治験薬最終投与後12か月または6か月までに妊娠を希望する女性患者またはパートナーの妊娠を希望する男性患者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称エストロゲン受容体陽性(ER+)/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の高リスク乳癌患者 を対象とした術前化学療法及び術後内分泌療法併用下での MK-3475とプラセボを比較する二重盲 検、無作為化、第III相試験(KEYNOTE-756)
試験の概要本試験は、エストロゲン受容体陽性(ER+)/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の高リスク乳癌患者を対象として術前化学療法及び術後内分泌療法併用下でのMK-3475とプラセボの有効性及び安全性を評価する
疾患名乳癌
試験薬剤名MK-3475+化学療法、 MK-3475+治験担当医師選択の内分泌治療薬
用法・用量術前化学療法期:MK-3475(K)200mg Q3Wを4コース+パクリタキセル(X)80mg/m2 QWを12週投与(治療1)後に、MK-3475 200mg+ドキソルビシン(A)60mg/m2又はエピルビシン(E)100 mg/m2+シクロホスファミド(C)600 mg/m2を4コース投与する(治療2)。治験担当医師の判断でAC/ECの投与レジメンはQ2W(dose-dense)又はQ3Wが可能である。 術後内分泌療法期:MK-3475 200mg Q3Wを9コース+内分泌療法を最長10年
対照薬剤名プラセボ+化学療法、プラセボ+治験担当医師選択の内分泌治療薬
用法・用量術前化学療法期:プラセボ(P)Q3Wを4コース+パクリタキセル(X)80 mg/m2 QWを12週投与(治療1)後に、プラセボ+ドキソルビシン(A)60 mg/m2又はエピルビシン(E)100 mg/m2+シクロホスファミド(C)600 mg/m2を4コース投与する(治療2)。治験担当医師の判断でAC/ECの投与レジメンはQ2W(dose-dense)又はQ3Wが可能である。 術後内分泌療法期:プラセボQ3Wを9コース+内分泌療法を最長10年
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン無作為化、多施設共同、並行群間、二重盲検比較試験
目標症例数1140
適格基準
  • 治験実施医療機関の病理医によって組織学的に浸潤性乳管癌であることが確認され、T1c-T2(腫瘍径2 cm以上)かつcN1-cN2、又はT3-T4かつcN0-cN2のいずれかの患者
    注:炎症性乳癌の組入れは許容する
  • 最新のAmerican Society of Clinical Oncology(ASCO)/College of American Pathologist(CAP)ガイドラインで定義されるER+/HER2-乳癌であり、組織学的グレード3であることを中央検査機関で確認された患者
  • 中央検査機関によるHR(ER及びPR)、HER2並びにPD-L1発現の確認のため、原発乳房腫瘍から新たに又は直近に採取したコア針生検検体を提出可能な患者
  • 治験薬初回投与前10日以内に評価したEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance statusが0又は1である患者
  • 投与期間中及びMK-3475/プラセボの最終投与後少なくとも12ヵ月間(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月間(シクロホスファミドを投与していない患者)、付録 3に詳述する避妊法を使用すること及び精子提供をしないことに同意した男性患者
  • 投与期間中及びMK-3475/プラセボの最終投与後少なくとも12ヵ月間(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月間(シクロホスファミドを投与していない患者)、プロトコールに詳述する避妊法を使用することに同意した女性患者
  • 適切な臓器機能を有する患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者。なお、間質性肺疾患/肺臓炎には放射線性肺臓炎を含む
  • 組織学的に小葉癌である患者
  • 両側性の浸潤性乳癌の患者
  • 転移性乳癌(ステージIV)の患者
  • 多中心性乳癌(乳房の四分円の2つ以上に病変がある)の患者
  • 画像評価及び/又は臨床評価に基づき、リンパ節のステージ分類(最新のAJCC staging criteria for breast cancer staging)がcN3、cN3a、cN3b又はcN3cの患者
  • ER-/PR+の乳癌患者
  • 治験薬投与前に原発腫瘍及び/又は腋窩リンパ節の切除生検を施行した、若しくはセンチネルリンパ節生検を施行した患者
  • 過去5年以内に進行性又は治療が必要な他の悪性腫瘍を有する患者
    ただし、根治的治療を受けた皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、非浸潤性乳管癌及び子宮頸部上皮内癌の患者は組入れ可能である
  • 免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法(プレドニゾロン換算で10mg/日超)や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 過去2年以内に全身性の治療(疾患修飾薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤)を要した活動性の自己免疫疾患を有する患者
    ただし、補充療法(チロキシン、インスリン、又は副腎不全若しくは下垂体不全に対する生理的用量のコルチコステロイド補充療法など)は、この全身性の治療とみなさず、使用可能である
  • 活動性の結核の既往を有する患者(結核菌、Bacillus tuberculosis)
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
  • スクリーニング時の心エコー(ECHO)又はマルチゲート(MUGA)スキャンで、左室駆出率(LVEF)が50%未満又は施設基準値下限未満の患者
  • 以下のような重大な心臓疾患を有する患者
    過去6ヵ月以内に心筋梗塞、急性冠症候群がみられた患者、冠動脈形成/ステント/バイパス術を受けた患者
    New York Heart Association(NYHA)分類クラスII~IVのうっ血性心不全を有する、又はNYHA分類クラスIII若しくはIVのうっ血性心不全の既往を有する患者
  • HIV感染の既往を有する患者
  • B型肝炎(HBs抗原陽性)又は活動性のC型肝炎[HCV RNA(定性)陽性]を有する患者
  • 乳癌に対する治療歴のある患者
  • 抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤又は他の補助刺激性又は共抑制性T細胞受容体(CTLA-4、OX-40、CD137等)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 治験薬の成分又は添加剤に対する重度(Grade 3以上)の過敏症を有する患者
  • 現在他の治験薬の治験に参加している、又は治験薬初回投与前4週間以内(抗腫瘍性又は増殖抑制性の治験薬及び治験機器の場合は12ヵ月以内)に他の治験薬の治験に参加した若しくは治験用の医療機器を用いた患者
  • 妊娠中又は授乳中の女性患者、若しくはスクリーニング時来院から治験薬最終投与後12ヵ月(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月(シクロホスファミドを投与していない患者)までに妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
主要な評価項目有効性 / efficacy
主要な評価方法治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価した病理学的完全奏効率[pCR率(ypT0/Tis ypN0と定義)]を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、治験担当医師の評価による無イベント生存期間(EFS)を比較する
副次的な評価項目安全性 / safety
有効性 / efficacy
副次的な評価方法治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、全生存期間(OS)を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率(ypT0 ypN0と定義)を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率(ypT0/Tisと定義)を比較する
PD-L1陽性患者[combined positive score(CPS)1以上]を対象に、治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価した3つの定義によるpCR率(ypT0/Tis ypN0、ypT0 ypN0及びypT0/Tis)を比較する
PD-L1陽性患者(CPS1以上)を対象に、治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法と併用した際の、MK-3475又はプラセボの治験担当医師の評価によるEFS及びOSを比較する
術前化学療法及び術後内分泌療法とMK-3475を併用した際の、術前及び術後投与期間並びに全期間を通じての安全性及び忍容性を評価する
European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)quality-of-life(QoL) Questionnaire Core 30(QLQ-C30)及びEORTC Breast Cancer-specific QoL Questionnaire(QLQ-BR23)を用いて、術前及び術後投与期間並びに全期間を通じての健康関連QOLを評価する
予定試験期間2019/02/15~2031/01/24

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより