試験の名称 |
エストロゲン受容体陽性(ER+)/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の高リスク乳癌患者 を対象とした術前化学療法及び術後内分泌療法併用下での MK-3475とプラセボを比較する二重盲 検、無作為化、第III相試験(KEYNOTE-756) |
試験の概要 |
本試験は、エストロゲン受容体陽性(ER+)/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の高リスク乳癌患者を対象として術前化学療法及び術後内分泌療法併用下でのMK-3475とプラセボの有効性及び安全性を評価する |
疾患名 |
乳癌 |
試験薬剤名 |
MK-3475+化学療法、 MK-3475+治験担当医師選択の内分泌治療薬 |
用法・用量 |
術前化学療法期:MK-3475(K)200mg Q3Wを4コース+パクリタキセル(X)80mg/m2 QWを12週投与(治療1)後に、MK-3475 200mg+ドキソルビシン(A)60mg/m2又はエピルビシン(E)100 mg/m2+シクロホスファミド(C)600 mg/m2を4コース投与する(治療2)。治験担当医師の判断でAC/ECの投与レジメンはQ2W(dose-dense)又はQ3Wが可能である。 術後内分泌療法期:MK-3475 200mg Q3Wを9コース+内分泌療法を最長10年 |
対照薬剤名 |
プラセボ+化学療法、プラセボ+治験担当医師選択の内分泌治療薬 |
用法・用量 |
術前化学療法期:プラセボ(P)Q3Wを4コース+パクリタキセル(X)80 mg/m2 QWを12週投与(治療1)後に、プラセボ+ドキソルビシン(A)60 mg/m2又はエピルビシン(E)100 mg/m2+シクロホスファミド(C)600 mg/m2を4コース投与する(治療2)。治験担当医師の判断でAC/ECの投与レジメンはQ2W(dose-dense)又はQ3Wが可能である。 術後内分泌療法期:プラセボQ3Wを9コース+内分泌療法を最長10年 |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
無作為化、多施設共同、並行群間、二重盲検比較試験 |
目標症例数 |
1140 |
適格基準 |
- 治験実施医療機関の病理医によって組織学的に浸潤性乳管癌であることが確認され、T1c-T2(腫瘍径2 cm以上)かつcN1-cN2、又はT3-T4かつcN0-cN2のいずれかの患者
注:炎症性乳癌の組入れは許容する
- 最新のAmerican Society of Clinical Oncology(ASCO)/College of American Pathologist(CAP)ガイドラインで定義されるER+/HER2-乳癌であり、組織学的グレード3であることを中央検査機関で確認された患者
- 中央検査機関によるHR(ER及びPR)、HER2並びにPD-L1発現の確認のため、原発乳房腫瘍から新たに又は直近に採取したコア針生検検体を提出可能な患者
- 治験薬初回投与前10日以内に評価したEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance statusが0又は1である患者
- 投与期間中及びMK-3475/プラセボの最終投与後少なくとも12ヵ月間(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月間(シクロホスファミドを投与していない患者)、付録 3に詳述する避妊法を使用すること及び精子提供をしないことに同意した男性患者
- 投与期間中及びMK-3475/プラセボの最終投与後少なくとも12ヵ月間(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月間(シクロホスファミドを投与していない患者)、プロトコールに詳述する避妊法を使用することに同意した女性患者
- 適切な臓器機能を有する患者
- 年齢:18歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者。なお、間質性肺疾患/肺臓炎には放射線性肺臓炎を含む
- 組織学的に小葉癌である患者
- 両側性の浸潤性乳癌の患者
- 転移性乳癌(ステージIV)の患者
- 多中心性乳癌(乳房の四分円の2つ以上に病変がある)の患者
- 画像評価及び/又は臨床評価に基づき、リンパ節のステージ分類(最新のAJCC staging criteria for breast cancer staging)がcN3、cN3a、cN3b又はcN3cの患者
- ER-/PR+の乳癌患者
- 治験薬投与前に原発腫瘍及び/又は腋窩リンパ節の切除生検を施行した、若しくはセンチネルリンパ節生検を施行した患者
- 過去5年以内に進行性又は治療が必要な他の悪性腫瘍を有する患者
ただし、根治的治療を受けた皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、非浸潤性乳管癌及び子宮頸部上皮内癌の患者は組入れ可能である
- 免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法(プレドニゾロン換算で10mg/日超)や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
- 過去2年以内に全身性の治療(疾患修飾薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤)を要した活動性の自己免疫疾患を有する患者
ただし、補充療法(チロキシン、インスリン、又は副腎不全若しくは下垂体不全に対する生理的用量のコルチコステロイド補充療法など)は、この全身性の治療とみなさず、使用可能である
- 活動性の結核の既往を有する患者(結核菌、Bacillus tuberculosis)
- 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
- スクリーニング時の心エコー(ECHO)又はマルチゲート(MUGA)スキャンで、左室駆出率(LVEF)が50%未満又は施設基準値下限未満の患者
- 以下のような重大な心臓疾患を有する患者
過去6ヵ月以内に心筋梗塞、急性冠症候群がみられた患者、冠動脈形成/ステント/バイパス術を受けた患者
New York Heart Association(NYHA)分類クラスII~IVのうっ血性心不全を有する、又はNYHA分類クラスIII若しくはIVのうっ血性心不全の既往を有する患者
- HIV感染の既往を有する患者
- B型肝炎(HBs抗原陽性)又は活動性のC型肝炎[HCV RNA(定性)陽性]を有する患者
- 乳癌に対する治療歴のある患者
- 抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤又は他の補助刺激性又は共抑制性T細胞受容体(CTLA-4、OX-40、CD137等)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者
- 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
- 治験薬の成分又は添加剤に対する重度(Grade 3以上)の過敏症を有する患者
- 現在他の治験薬の治験に参加している、又は治験薬初回投与前4週間以内(抗腫瘍性又は増殖抑制性の治験薬及び治験機器の場合は12ヵ月以内)に他の治験薬の治験に参加した若しくは治験用の医療機器を用いた患者
- 妊娠中又は授乳中の女性患者、若しくはスクリーニング時来院から治験薬最終投与後12ヵ月(シクロホスファミドを投与した患者)又は6ヵ月(シクロホスファミドを投与していない患者)までに妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
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主要な評価項目 |
有効性 / efficacy |
主要な評価方法 |
治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価した病理学的完全奏効率[pCR率(ypT0/Tis ypN0と定義)]を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、治験担当医師の評価による無イベント生存期間(EFS)を比較する |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、全生存期間(OS)を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率(ypT0 ypN0と定義)を比較する
治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価したpCR率(ypT0/Tisと定義)を比較する
PD-L1陽性患者[combined positive score(CPS)1以上]を対象に、治験実施計画書で規定する術前化学療法の併用下でMK-3475又はプラセボを投与した際の、根治手術時に治験実施医療機関の病理医が評価した3つの定義によるpCR率(ypT0/Tis ypN0、ypT0 ypN0及びypT0/Tis)を比較する
PD-L1陽性患者(CPS1以上)を対象に、治験実施計画書で規定する術前化学療法及び術後内分泌療法と併用した際の、MK-3475又はプラセボの治験担当医師の評価によるEFS及びOSを比較する
術前化学療法及び術後内分泌療法とMK-3475を併用した際の、術前及び術後投与期間並びに全期間を通じての安全性及び忍容性を評価する
European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)quality-of-life(QoL) Questionnaire Core 30(QLQ-C30)及びEORTC Breast Cancer-specific QoL Questionnaire(QLQ-BR23)を用いて、術前及び術後投与期間並びに全期間を通じての健康関連QOLを評価する |
予定試験期間 |
2019年2月15日~2031年1月24日 |