進行・再発子宮内膜がんに対するデュルバルマブ+オラパリブ+化学療法併用の治験

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治験

DUO-E

新たに診断された進行子宮内膜癌又は再発子宮内膜癌患者を対象に、一次治療としてのカルボプラチン パクリタキセルとデュルバルマブの併用療法及びその後のオラパリブ併用または非併用下でのデュルバルマブ維持療法を検討する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第3相試験

治験概要:

進行子宮内膜がんまたは再発子宮内膜がんに対する治験。新たに診断された患者さんが対象です。
化学療法、デュルバルマブ+化学療法、デュルバルマブ+オラパリブ+化学療法を比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、56人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照。
試験群1:デュルバルマブ+オラパリブ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)
試験群2:デュルバルマブ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)
対照群:化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)
有効性と安全性などで評価します。

疾患解説:子宮体がん

疾患の詳細は、「子宮体がんを知る」を参照ください。

治験薬:デュルバルマブ

デュルバルマブは、抗PD-L1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:オラパリブ

オラパリブは、損傷したDNAを修復するPARPと呼ばれる酵素を阻害する分子標的薬です。
正常な細胞でDNAに損傷が起こると、PARPが修復します。PARP阻害薬で修復を妨げても、PARP以外のBRCA1とBRCA2という遺伝子が、たんぱく質を生成し損傷したDNAを修復します。しかし、BRCA1/2遺伝子に変異があると、損傷したDNAの修復が行われないため細胞死を誘導します。
オラパリブは、BRCA1/2遺伝子変異によってDNAが修復できずがん化した細胞に特異的に働き、PARPを阻害することでがん細胞のDNA損傷の修復をさせず細胞死を誘導します。

治験薬:カルボプラチン

カルボプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。カルボプラチンは、シスプラチンの構造を変えることで吐き気や腎臓への障害、神経障害が軽減された第2世代の白金製剤です。

治験薬:パクリタキセル

パクリタキセルは、イチイ科の植物の成分から開発されたタキサン系と呼ばれる微小管阻害薬です。
細胞が増殖するために細胞分裂を行うときに、微小管という物質がばらばらになる必要があります。パクリタキセルは、この微小管がばらばらにならないように安定化させ過剰に形成を起こすことで、細胞分裂を阻害して抗腫瘍効果を発揮する殺細胞性の抗がん薬です。

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

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※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。

試験概要詳細

試験の名称新たに診断された進行子宮内膜癌又は再発子宮内膜癌患者を対象に、一次治療としてのカルボプラチン パクリタキセルとデュルバルマブの併用療法及びその後のオラパリブ併用又は非併用下でのデュルバルマブ維持療法を検討する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III 相試験
試験の概要この試験では、新たに診断された進行子宮内膜癌又は再発子宮内膜癌患者を対象に、白金製剤を含む化学療法(カルボプラチン、パクリタキセル)とデュルバルマブの併用療法及びその後のオラパリブ併用又は非併用下でのデュルバルマブ維持療法の有効性及び安全性を評価する
疾患名子宮内膜癌
試験薬剤名デュルバルマブ、デュルバルマブ プラセボ、オラパリブ、オラパリブ プラセボ、カルボプラチン、パクリタキセル
用法・用量 A群(対照群):デュルバルマブ プラセボ、オラパリブ プラセボ、カルボプラチン、パクリタキセル
B群(デュルバルマブ+プラセボ群):デュルバルマブ、オラパリブ プラセボ、カルボプラチン、パクリタキセル
C群(デュルバルマブ+オラパリブ群):デュルバルマブ、オラパリブ、カルボプラチン、パクリタキセル
対照薬剤名
用法・用量
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照
目標症例数56
適格基準
  • スクリーニング時に年齢が18歳以上である女性
  • 組織診により上皮性子宮内膜癌と確定診断された者。癌肉腫を含むすべての組織型を組入れ可とする。肉腫は不可とする
  • 以下のいずれかに分類される子宮内膜癌の者
    1.新たに診断されたIII期子宮内膜癌(手術又は診断的生検後にRECIST第1.1版に基づく測定可能病変あり)
    2.新たに診断されたIV期子宮内膜癌(手術又は診断的生検後に病変あり又はなし)
    3.手術単独又は併用療法により根治する可能性の低い再発子宮内膜癌(RECIST第1.1版に基づく測定可能病変又は測定不能病変あり)
  • 全身抗癌療法による一次治療歴のない者。再発子宮内膜癌患者においてのみ、化学療法歴は、アジュバント療法として投与され(術前/アジュバント抗癌治療の一環として、化学放射線療法と同時又はその後でもよい)、かつ化学療法の最終投与日からその後の再発までの期間が12カ月以上の場合に限り可とする
  • FFPE腫瘍検体がMMR評価のために利用可能であること
  • 治験薬投与開始前7日以内のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performancestatusが0又は1であること
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 髄膜癌腫症の既往歴がある患者
  • 脳転移又は脊髄圧迫が認められる患者
  • PARP阻害薬による治療歴のある患者
  • 免疫チェックポイント阻害薬による治療歴のある者又は刺激性若しくは共抑制性T細胞受容体を標的とした薬剤(抗PD-1薬、抗PD-L1薬、若しくは抗PD-L2薬は除く)による治療歴のある患者
主要な評価項目有効性/efficacy
バイオアベイラビリティ/bioavailability
主要な評価方法
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
副次的な評価方法
予定試験期間2020年7月01日~2024年12月31日

出典:臨床研究等提出・公開システムより