遠隔転移がある膵臓がん、大腸がん、食道がん、非小細胞肺がんに対するTAK-931の治験

治験名

遠隔転移がある膵がん、遠隔転移がある結腸・直腸がんおよび他の進行性固形がんの患者を対象にTAK-931を単独投与したときの安全性、忍容性および有効性を評価する第2相非盲検並行群試験

治験概要:

転移性の膵臓がん、大腸がん、食道扁平上皮がん、扁平非小細胞肺がんを対象とした治験。標準治療のない患者さんが対象です。 5つのコホートで構成される臨床試験で、コホート1は欧米人の転移性固形がん、コホート2は遠隔転移がある膵臓がん、コホート3は遠隔転移がある大腸がん、コホート4は遠隔転移がある扁平上皮非小細胞肺がん、コホート5は遠隔転移がある食道扁平上皮がんを対象としています。 すべてのコホートでTAK-931が単独投与され、安全性、忍容性、有効性で評価されます。 登録予定数は、160人。 試験デザインは、非盲検、並行群試験。 フェーズは、第2相臨床試験。 試験群:TAK-931単独投与 で主要評価項目は欧米人安全性コホートにおける用量制限毒性に至った有害事象が発現した被験者の割合、欧米人安全性コホートにおける有害事象、重篤な有害事象、用量調整に至った有害事象および投与中止に至った有害事象が発現した被験者の割合、副次的評価項目は病勢コントロール率などで評価します。

疾患解説:非小細胞肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。 肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。 特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

疾患解説:膵臓がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に膵臓がんに罹患した人は、男性18654人女性17585人、合計36239人です。50代後半から増えはじめ、男性は70代をピークにその後は減少していきます。 膵臓がんの約90%は、膵管の細胞から発生する膵管がんです。このほか、神経内分泌腫瘍や膵管内乳頭粘液性腫瘍があります。 膵臓は体内の奥にあるため、がんが発生しても症状が出にくく早期発見が難しいがんです。進行してくると腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰や背中の痛みなどが起こりますが、膵臓がんに限った症状ではないため、膵臓がんになっても症状が現れないこともあります。そのため進行してから発見されることも多く、全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2017年5月)によれば5年生存率は、ステージ1で41.2%、ステージ2で18.3%、ステージ3で6.2%、ステージ4で1.4%と予後の悪いがんとして知られています。

疾患解説:食道がん

国立がん研究センターのがん統計の2013年の全国推計値によると、食道がんにかかる人は、10万人あたり17.9人です。男性は、10万人あたり31人、女性は、5.6人で男性に多い傾向です。 早期の食道がんではほとんど自覚症状がありませんが、がんの進行につれ、胸の違和感、食物の使える感じ、胆汁減少、胸や背中の痛み、声のかすれなどの症状が起こります。 日本人の食道がんの約半数は、食道の中央付近、次の食道の下部に多くでき、組織型は扁平上皮がんが90%以上で、腺がんは5%以下です。 食道の内側の粘膜から発生したがんは、粘膜下層、固有筋層、外膜へと浸潤していきます。粘膜内に留まるものを早期食道がん、粘膜下層までにとどまるものを表在食道がん、それ以上浸潤しているものを進行食道がんといいます。

疾患解説:大腸がん

国立がん研究センターのがん統計の2014年の全国推計値によると、大腸がんに罹った人は、男性77504人、女性57930人、合計135434人で男性が多い傾向です。40代後半から徐々に増えはじめ、男性は70代をピークにその後は減少しますが、女性は、いったん70代で平行線になり、80代からさらに増加していきます。 大腸がんの発生原因は、生活習慣や身体的な特徴と関連があるといわれています。生活習慣では、喫煙、飲酒、牛・豚・羊などの赤肉の摂取、ベーコン・ハム・ソーセージなどの加工肉の摂取などです。身体的な特徴は、体脂肪率の高い人、腹部の肥満、高身長などがあります。また、家族歴や遺伝子にも関連があるといわれています。 大腸がんの症状は、早期の段階では自覚症状はなく、進行するにしたがって症状がでてきます。血便、下血、便が細くなる、便が残る感じがするなどの症状がでます。排便に伴う自覚症状が多く、特に便に血が混じる血便や腸内のがんからの出血による赤色の便、もしくは赤黒い便、便の表面に血液が付着する下血が多く現れます。しかし、血便や下血は痔の症状でもみられるため、必ずしも大腸がんの症状とはかぎりません。 大腸は、小腸から続く約2mの消化管です。口側から「虫垂」、「盲腸」、「結腸」、「直腸S状部」、「直腸」で構成され、括約筋がある肛門管に続きます。結腸は、盲腸から上に向かう「上行結腸」、左上腹部へ向かう「横行結腸」、S状結腸に向かって下る「下行結腸」、S状のカーブを描く「S状結腸」に区別されています。さらに、S状結腸と直腸の間を「直腸S状部」、直腸の上部を「上部直腸」、下部を「下部直腸」に区別されます。大腸がんのそれぞれの部位で発生頻度は異なります。2000~2002年にかけて大腸がん手術を行った17449の症例報告から、大腸がんの部位別発生率では、直腸がんとS状結腸がんが多くなっています。 大腸がんは、がん化した元の細胞の組織の違いによって、腺がん、扁平上皮がん、腺扁平上皮がんの3種類に分類されます。3つのうち、多くは腺がんで、腺がんはさらに6種類に分類されます。 大腸がんは、内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5つの層で構成されており、大腸がんは、一番内側の粘膜から発生し進行するほど外側の層へ浸潤していきます。この5つの層のどこまでがんが広がっているかを示すのが深達度です。深達度は6段階に分類されます。 大腸がんのステージ分類は、この深達度にリンパ節への転移の程度、遠隔臓器への転移の程度で決定されます。 腸の構造

大腸の部位別発生頻度

大腸の部位 発生頻度
直腸がん 26.4%
S状結腸がん 26.4%
上行結腸がん 13.6%
直腸S状部がん 12.5%
横行結腸がん 9.2%
盲腸がん 6.5%
下行結腸がん 4.8%

大腸癌全国登録(大腸癌研究会)より作成

大腸がんの深達度

大腸がんの進行度分類

遠隔転移 M0 M1
リンパ節転移 N0 N1(N1a/N1b) N2a N2b/N3 M1a M1b M1c
壁深達度 Tis 0 Nに関係なく
T1a・T1b I IIIA IIIA IIIB IVA IVB IVC
T2 IIIA IIIB IIIB
T3 IIA IIIB IIIB IIIC
T4a IIB IIIB IIIC IIIC
T4b IIC IIIC IIIC IIIC

大腸癌取扱い規約(第9版)より作成

治験薬: TAK-931

TAK-931は、CDC7酵素を選択的に阻害する分子標的薬です。 細胞が分裂するときは、DNAが複製されます。DNAの複製開始に関わるのがCDC7です。CDC7の働きを阻害することで、DNAの複製ができず、がん細胞の遺伝情報が不安定になり、細胞死を誘導します。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 20歳以上(日本)または18歳以上(米国)の成人男女
  • 全身状態(performance status:PS)が0~1
  • 遠隔転移がある膵腺がんで、遠隔転移がある状態で少なくとも1レジメンの標準化学療法を受けた後に進行した者
  • 遠隔転移がある大腸がんで、遠隔転移がある状態で標準的な全身化学療法を少なくとも2レジメン受けた後に進行した者
  • 局所進行性または転移性食道扁平上皮がんで、遠隔転移がある状態で少なくとも1ラインの標準的な全身化学療法を受けた後に進行した者
  • 局所進行性または転移性扁平上皮非小細胞肺がんで、遠隔転移がある状態で標準的な全身化学療法を少なくとも2ライン受けた後に進行した者
  • 欧米人安全性コホートのみ:局所進行または転移性固形がんがあり、延命効果が確立された標準治療がない、または他の標準治療を拒否する患者
  • 疾患別コホート:測定可能病変が認められる患者
  • 治験薬の初回投与前4週以内に心エコーまたはマルチゲートスキャンで測定した左室駆出率が50%を超えている者
  • 登録前に行った治療に係る毒性がすべてグレード1またはベースラインまで回復している者(脱毛症とニューロパチーは除く)
  • 治験に必要な血液検体採取に適した静脈路確保ができる者
  • 欧米人安全性コホートのみ:一連の皮膚生検を受ける意思がある者
  • 疾患別コホート:保存された腫瘍検体が存在するか、スクリーニング期間中に新たな腫瘍生検を受けることに同意しなければならない。新たな腫瘍検体が必要な場合は、重大なリスクを伴わない生検手技で対象の病変に到達できなければならない。欧米人安全性コホートについては、この生検は任意とする
  • 年齢:18歳以上(日本人は20歳以上)
  • 性別:両方
対象とならない人
  • プロトンポンプ阻害剤またはヒスタミン2受容体拮抗薬を継続的に使用する必要がある者、または治験薬の初回投与前5日以内にプロトンポンプ阻害剤を使用した者
  • 治験薬の初回投与前14日以内に臨床的に考慮すべき代謝酵素誘導作用がある薬剤の投与を受けた者
  • 治験薬の初回投与前30日または半減期の5倍の期間(いずれか短い方)以内に他の全身的な抗悪性腫瘍療法を受けた者
  • 治験薬の初回投与前3か月以内に以下のいずれかの既往がある者: 虚血性心筋障害 虚血性脳血管障害 重大なコントロール不良の不整脈 ニューヨーク心臓協会心機能分類クラス3~4の心不全 治験参加によりさらなるリスクをもたらす可能性があると治験責任医師または治験分担医師が判断するその他の心疾患 Fridericia式を用いて心拍数で補正したQT間隔のベースライン時の延長
  • 不安定またはコントロール不良な高血圧がある者
  • コントロール不良の脳転移の既往歴がある者。ただし、以下の場合を除く 外科手術、全脳照射または定位手術的照射による治療歴がある ステロイドを使用することなく30日以上にわたりSDを維持している ヒト免疫不全ウイルス感染の既往がある者
  • B型肝炎ウイルス表面抗原の血清反応陽性が既知またはC型肝炎ウイルスが検出可能である者。ただしB型肝炎ウイルスコア抗体またはB型肝炎表面抗原抗体がある被験者は登録することができるが、B型肝炎ウイルスは検出されてはならない
  • 治験薬の初回投与前3か月以内に、造血活性を示す骨髄の25%以上が照射野に含まれる放射線療法を受けた者
  • マイクロサテライト不安定性が高度の遺伝子型が既知である者、または治験実施医療機関の検査で野生型TP53があると判明した者
  • 欧米人安全性コホートのみ:日系人

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。 ECOG パフォーマンスステータス  
PS 0 全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3 限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4 全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス  
スコア 患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない 100 正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90 軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80 かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする 70 自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある 40 動けず、適切な医療および看護が必要
30 全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20 非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10 死期が切迫している
0
WHO パフォーマンスステータス  
スコア 患者の状態
0 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2 歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3 限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5 死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。 ※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 遠隔転移を有する膵癌、遠隔転移を有する結腸・直腸癌及び他の進行性固形がんの患者を対象にTAK-931を単独投与したときの安全性、忍容性及び有効性を評価する第2相非盲検並行群試験
試験の概要 本治験の被験薬はTAK-931である。TAK-931は体内でCDC7キナーゼと呼ばれる特異タンパク質の作用を阻害する。米国及び日本では、転移性癌(結腸・直腸癌、扁平上皮非小細胞肺癌及び食道扁平上皮癌患者)の被験者を対象に、また米国では合わせて、標準的治療法のないあらゆる転移性癌の被験者を対象にTAK-931が投与される。本治験はTAK-931の安全性、忍容性、及び薬物動態を検討する目的で実施する 本治験の被験者数は約160例を予定しており、5つのコホートに割り当てられる。1) 他に標準治療のない欧米人の転移性固形がん患者(日系人を除く)で構成される安全性コホート、2) 遠隔転移を有する膵癌患者で構成されるコホート、3) 遠隔転移を有する結腸・直腸癌の患者で構成されるコホート、4) 遠隔転移を有する扁平上皮非小細胞肺癌の患者で構成されるコホート、5) 遠隔転移を有する食道扁平上皮癌患者で構成されるコホートである。全ての被験者に対して以下の被験薬が投与される TAK-931 50 mgカプセル 全ての被験者は治験を通じて毎日同じ時間に50mgカプセルを1日1回、14日間服用し、7日間休薬する(21日サイクル) 本治験は米国及び日本で実施される多施設共同治験で、治験参加期間はおよそ24ヶ月を予定しており、参加者は複数回来院する。欧米人コホート及び疾患別コホートでは最後の被験薬の投与から病勢の進行、追跡不能、同意撤回、死亡、抗悪性腫瘍剤による新規の全身療法の開始、治験の中止、投与終了から6 ヵ月のいずれか早い時点まで、12週間ごとに無増悪生存期間(PFS)の追跡調査を実施する。病勢の進行が一度確認された場合、疾患別コホートでは最後の被験薬の投与から死亡、追跡不能、同意撤回、治験の中止、又は、長期安全性調査、single-patient IND 申請又は類似のプログラムへの移行のいずれか早い時点まで12週毎に全生存期間(OS)の追跡調査を実施する
疾患名 遠隔転移を有する膵癌、結腸・直腸癌、食道扁平上皮癌、扁平上皮非小細胞肺癌
試験薬剤名 TAK-931
用法・用量 TAK-931 50mgカプセル剤を1日1回で14日間経口投与し、7日間休薬する(21日サイクル)。これを病勢進行または許容できない毒性が生じるまで継続する(最大1年間)
試験のフェーズ フェーズ2(第2相臨床試験)
試験のデザイン 非盲検、並行群試験
目標症例数 160
適格基準
  • 20歳以上(日本)又は18歳以上(米国)の成人男女
  • Eastern Cooperative Oncology Group performance statusが0~1の者
  • 遠隔転移を有する膵腺癌と病理学的に確定診断された患者で、遠隔転移がある状態で少なくとも1レジメンの標準化学療法を受けた後に進行した者、又は遠隔転移を有するCRCと病理学的に確定診断された患者で、遠隔転移がある状態で標準的な全身化学療法を少なくとも2レジメン受けた後に進行した者、又は局所進行性又は転移性食道扁平上皮癌と病理学的に確定診断された患者で、遠隔転移がある状態で少なくとも1 ラインの標準的な全身化学療法を受けた後に進行した者(白金製剤との併用療法が禁忌である場合又は白金製剤との併用療法を患者が拒否した場合は、未治療の患者を登録してもよい)、又は局所進行性又は転移性扁平上皮非小細胞肺癌と病理学的に確定診断された患者で、遠隔転移がある状態で標準的な全身化学療法を少なくとも2 ライン受けた後に進行した者
  • 欧米人安全性コホートのみ:局所進行又は転移性固形がんを有し、延命効果が確立された標準治療がない、又は他の標準治療を拒否する患者
  • 疾患別コホート:固形がんの治療効果判定規準(RECIST)第1.1版に基づく測定可能病変が認められる患者
  • 治験薬の初回投与前4週以内に心エコー又はマルチゲートスキャンで測定した左室駆出率が50%を超えている者
  • 登録前に行った治療に係る毒性がすべてGrade1又はベースラインまで回復している者(脱毛症とニューロパチーは除く
  • 治験に必要な血液検体採取に適した静脈路確保ができる者
  • 欧米人安全性コホートのみ:一連の皮膚生検を受ける意思がある者
  • 疾患別コホート:保存された腫瘍検体が存在するか、スクリーニング期間中に新たな腫瘍生検を受けることに同意しなければならない。新たな腫瘍検体が必要な場合は、重大なリスクを伴わない生検手技(脳、肺/縦隔、膵臓以外で実施する生検、又は胃若しくは腸管を越えない内視鏡手技によって検体を採取する生検)で対象の病変に到達できなければならない。欧米人安全性コホートについては、この生検は任意とする
  • 年齢:18歳以上(日本人は20歳以上)
  • 性別:両方
除外基準
  • プロトンポンプ阻害剤(PPI)又はヒスタミン2(H2)受容体拮抗薬を継続的に使用する必要がある者、又は治験薬の初回投与前5日以内にPPIを使用した者
  • 治験薬の初回投与前14日以内に臨床的に考慮すべき代謝酵素誘導作用を有する薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、リファンピシン、リファブチン、rifapentine、セントジョーンズワート等)の投与を受けた者
  • 治験薬の初回投与前30日又は半減期の5倍の期間(いずれか短い方)以内に他の全身的な抗悪性腫瘍療法(治験薬を含む)を受けた者
  • 治験薬の初回投与前3ヵ月以内に以下のいずれかの既往を有する者: 虚血性心筋障害(治療及び動脈血行再建術を必要とする狭心症、心筋梗塞、不安定かつ症候性の虚血性心疾患等) 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作、動脈血行再建術等) 重大なコントロール不良の不整脈(心房粗動、心房細動、心室細動、心室性頻脈等) ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類クラスIII~IVの心不全 治験参加によりさらなるリスクをもたらす可能性があると治験責任医師又は治験分担医師が判断するその他の心疾患(心嚢液貯留又は拘束性心筋症等) Fridericia式を用いて心拍数で補正したQT間隔(QTcF)のベースライン時の延長(480 msを超えるQTcF間隔が繰り返し認められる、又は先天性QT延長症候群やtorsades de pointesの既往等)
  • 不安定又はコントロール不良な高血圧を有する者
  • コントロール不良の脳転移の既往歴を有する者。ただし、以下の場合を除く 外科手術、全脳照射又は定位手術的照射による治療歴がある、かつ ステロイドを使用することなく30 日以上にわたりSD を維持している(又はTAK-931の初回投与前にステロイドの用量が14 日以上安定している)
  • ヒト免疫不全ウイルス感染の既往を有する者
  • B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原の血清反応陽性が既知又はC型肝炎ウイルス(HCV)が検出可能である者。ただしHBVコア抗体(HBcAb)又はHB表面抗原抗体(HBsAb)を有する被験者は登録することができるが、HBVは検出されてはならない
  • 治験薬の初回投与前3ヵ月以内に、造血活性を示す骨髄の25%以上が照射野に含まれる放射線療法を受けた者
  • MSI-H(マイクロサテライト不安定性が高度)の遺伝子型が既知である者、又は治験実施医療機関の検査で野生型TP53を有すると判明した者
  • 欧米人安全性コホートのみ:日系人
主要な評価項目 欧米人安全性コホートにおける用量制限毒性(DLT)に至った有害事象が発現した被験者の割合
主要な評価方法 DLTには発熱を伴わないGrade4の好中球減少症、発熱を伴うGrade3 以上の好中球減少症、Grade4の血小板減少症、Grade2 の出血を伴う又は輸血が必要なGrade3以上の血小板減少症、血液毒性又は非血液毒性が十分に回復しないために、サイクル2の開始が14日間を超えて遅延した場合、心エコー(ECHO)又はマルチゲートスキャン(MUGA)により確認されたGrade2の心駆出率低下、Grade4の臨床検査値異常、その他のGrade2の非血液毒性で、治験責任医師又は治験分担医師により治験薬との因果関係あり、かつ用量制限的と判断された場合、治験薬との因果関係ありと判断された有害事象により、サイクル1でのTAK-931の投与回数が規定回数の50%未満(7回未満)となった被験者、Grade3以上の非血液毒性(ただし、一定の基準を満たすGrade3の関節痛/筋肉痛、疲労、臨床検査値異常、悪心及び/又は嘔吐、下痢を除く) 評価期間:最長1年間
主要な評価項目 欧米人安全性コホートにおける有害事象、重篤な有害事象、用量調整に至った有害事象及び投与中止に至った有害事象が発現した被験者の割合
主要な評価方法 有害事象とは、医薬品(治験薬を含む)が投与された際に起こる、あらゆる好ましくない、あるいは意図しない徴候(臨床検査値の異常を含む)、症状又は病気のことであり、当該医薬品(治験薬を含む)との因果関係の有無は問わない。重篤な有害事象とは有害事象のうち、死に至るもの、生命を脅かすもの、入院又は入院期間の延長が必要となるもの、永続的又は顕著な障害若しくは機能不全に陥るもの、先天異常をきたすもの、その他の医学的に重大な状態をいう 評価期間:最長1年間
副次的な評価項目 病勢コントロール率(DCR)
副次的な評価方法 DCR:完全奏効(CR)+部分奏功(PR)+安定(SD)(SD でDCR の条件を満たすには、治療開始後6 週間以上が経過してからSD が確認される必要がある)の被験者の割合である。効果及び進行判定は固形がんの治療効果判定規準(RECIST)第1.1版が用いられる。CR:全ての標的病変の消失、PR:ベースライン長径和と比較して標的病変の最長径の和が30%以上減少、PD:治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加、SD:PR とするには腫瘍の縮小が不十分で,かつPDとするには治療開始以降の最小の最長径の和に比して腫瘍の増大が不十分 評価期間:最長1年間
副次的な評価項目 Cmax: TAK-931の最高血漿中濃度
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の1日目、8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 Tmax: TAK-931のCmax到達時間
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の1日目、8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 AUC(0-24): TAK-931の0時間から24時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の1日目、8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 AUClast: TAK-931の0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の1日目、8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 CLr: TAK-931の腎クリアランス
副次的な評価方法 CLr:尿中に含まれる薬物のみかけ上のクリアランス(血液中から除去された物質の減少率)の値。 評価期間:サイクル1の1日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 t1/2z: 終末相半減期
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 CLss/F: 定常状態における見かけの経口クリアランス
副次的な評価方法 CL/F:血漿中からの薬物の見かけ上のクリアランスで、薬物投与量をAUC(L/hr)で除した値 評価期間:サイクル1の8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 Rac(AUC): AUC tに基づく蓄積比
副次的な評価方法 評価期間:サイクル1の8日目の投与直前と各測定時間(24時間まで)
副次的な評価項目 全奏効率(ORR:CR+PR)
副次的な評価方法 ORR:完全奏効(CR)又は部分奏功(PR)となった被験者の割合。本治験では治療効果判定にRECIST第1.1版が用いられる。CR:全ての標的病変の消失、PR:ベースライン長径和と比較して標的病変の最長径の和が30%以上減少、PD:治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加 評価期間:最長1年間
副次的な評価項目 奏効期間(DOR)
副次的な評価方法 DOR:最初に奏効(CR又はPR)が認められてから、最初にPD/再発となった日までの期間。本治験では治療効果判定にRECIST第1.1版が用いられる。CR:全ての標的病変の消失、PR:ベースライン長径和と比較して標的病変の最長径の和が30% 以上減少、PD:治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加 評価期間:最長1年間
副次的な評価項目 無増悪生存期間(PFS)
副次的な評価方法 PFS:初回投与日からPD が最初に確認された日又は死亡(原因を問わない)のいずれか早い時点までの期間。本治験では治療効果判定にRECIST第1.1版が用いられる。PD:治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加 評価期間:ランダム化からPDが確認された日又は死亡日のいずれか早い時点までの期間(最長1年間)
副次的な評価項目 全生存期間(OS)
副次的な評価方法 OS:初回投与日から死亡日までの期間 評価期間:最長1年間
副次的な評価項目 疾患別コホートにおける有害事象が発現した被験者の割合
副次的な評価方法 疾患別コホートにおけるGrade 3以上の有害事象、重篤な有害事象、投与中止又は用量調整に至った有害事象、臨床検査値及びバイタルサイン測定値の臨床的に重要な変化を評価する。有害事象とは、医薬品(治験薬を含む)が投与された際に起こる、あらゆる好ましくない、あるいは意図しない徴候(臨床検査値の異常を含む)、症状又は病気のことであり、当該医薬品(治験薬を含む)との因果関係の有無は問わない。重篤な有害事象とは有害事象のうち、死に至るもの、生命を脅かすもの、入院又は入院期間の延長が必要となるもの、永続的又は顕著な障害若しくは機能不全に陥るもの、先天異常をきたすもの、その他の医学的に重大な状態をいう 評価期間:最長1年間
予定試験期間 2017年10月25日~2020年8月26日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより