表在性食道がんの内視鏡的粘膜下層剥離術後の食道再生上皮シートの治験

治験名

表在性食道がん患者を対象とした内視鏡的粘膜下層剥離術後のCLS2702CならびにCLS2702Dによる食道狭窄抑制効果ならびに安全性について検討する多施設共同第3相オープン試験

治験概要:

表在型食道がんに対する治験。頸部~腹部に転移がなく内視鏡的粘膜下層剥離術が予定されている患者さんが対象です。
内視鏡的粘膜下層剥離術後に、食道再生上皮シートCLS2702C/CLS2702Dを使用して、食道狭窄抑制効果と安全性を評価する臨床試験です。
登録予定数は、7人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、多施設共同、単群、非盲検試験。
試験群:CLS2702C/CLS2702D
で主要評価項目は内視鏡的粘膜下層剥離術後8週間までの非狭窄割合、副次的評価項目は狭窄を伴わない創傷治癒までの日数などで評価します。

疾患解説:食道がん

国立がん研究センターのがん統計の2013年の全国推計値によると、食道がんにかかる人は、10万人あたり17.9人です。男性は、10万人あたり31人、女性は、5.6人で男性に多い傾向です。
早期の食道がんではほとんど自覚症状がありませんが、がんの進行につれ、胸の違和感、食物の使える感じ、胆汁減少、胸や背中の痛み、声のかすれなどの症状が起こります。
日本人の食道がんの約半数は、食道の中央付近、次の食道の下部に多くでき、組織型は扁平上皮がんが90%以上で、腺がんは5%以下です。
食道の内側の粘膜から発生したがんは、粘膜下層、固有筋層、外膜へと浸潤していきます。粘膜内に留まるものを早期食道がん、粘膜下層までにとどまるものを表在食道がん、それ以上浸潤しているものを進行食道がんといいます。

治験薬:食道再生上皮シート(CLS2702C/D)

食道再生上皮シート(CLS2702C/D)は、患者さん自身の口腔粘膜から採取した上皮細胞を培養した細胞シートです。
食道がんの広範囲内視鏡的粘膜下層剥離術後の狭窄の抑制と再上皮化までの日数を短縮するための再生医療品です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 表在性食道癌の治療として内視鏡的粘膜下層剥離術が予定されている患者
  • 頸部~腹部CTで、臨床的に転移がない患者
  • 内視鏡的に壁深達度が上皮内または粘膜内固有層に留まると診断されている患者
  • 予測される切除周在率 3/4周以上・長軸径8cm未満である患者
  • 嚥下障害スコアが0である
  • 本治験についての十分な説明を受けた後、被験者の自由な意思による文書同意が得られている患者
  • 年齢:20以下
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 心疾患、腎疾患、コントロール不良の糖尿病がある患者
  • 細菌・真菌・ウイルスなど活動性の感染症がある患者
  • 副腎皮質ホルモン剤を投薬中の患者
  • 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性がある女性
  • 他の臨床試験に参加して6か月以上経過していない患者、他の臨床試験に参加している患者および本治験参加中に他の臨床試験に参加する予定のある患者
  • 組織採取部位の口腔粘膜に疾患があり、採取不可能な患者
  • その他、担当医が被験者として不適当と判断した患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称表在性食道癌患者を対象とした内視鏡的粘膜下層剥離術後のCLS2702C並びにCLS2702Dによる食道狭窄抑制効果並びに安全性について検討する多施設共同第3相オープン試験
試験の概要ESD後の止血処理が終了次第、CLS2702D(移植デバイス)を用いて、CLS2702C(細胞シート)を創傷部位に移植し、食道上皮再生治療におけるCLS2702C/CLS2702Dの有効性及び安全性を評価する
疾患名表在性食道癌(内視鏡的粘膜下層剥離術後)
試験薬剤名CLS2702C並びにCLS2702D
用法・用量細胞シート(2から8枚)を、切除部位の縦中央線を中心として、CLS2702D(移植デバイス)により細胞シートを広げながら目標部位に隙間なく押し当て、等間隔になるように移植する
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン本治験は、表在性食道癌でESDを予定している患者を対象としたCLS2702C/Dの多施設共同、単群、非盲検試験である
本治験では、目標症例数7例(予定症例数9例)を対象にESD後の創傷部位にCLS2702D(移植デバイス)を用いてCLS2702C(細胞シート)を移植(貼付)した際の有効性および安全性を検討する
目標症例数7
適格基準
  • 表在性食道癌の治療としてESDが予定されている患者
  • 頸部~腹部CTで、臨床的に転移がない患者(cN0M0)
  • 内視鏡的に壁深達度が上皮内(EP)または粘膜内固有層 (LPM)に留まると診断されている患者
  • 予測される切除周在率 3/4周以上・長軸径8cm未満である患者
  • 嚥下障害スコアが0である
  • 本治験についての十分な説明を受けた後、被験者の自由な意思による文書同意が得られている患者
  • 年齢:20歳以下
  • 性別:両方
除外基準
  • 心疾患(心筋梗塞、不安定狭心症、心不全)、腎疾患(ネフローゼ症候群、腎不全)、コントロール不良の糖尿病を有する患者
  • 細菌・真菌・ウイルスなど活動性の感染症を有する患者
  • 副腎皮質ホルモン剤を投薬中の患者
  • 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性がある女性
  • 他の臨床試験に参加して6ヵ月以上経過していない患者、他の臨床試験に参加している患者及び本治験参加中に他の臨床試験に参加する予定のある患者
  • 組織採取部位の口腔粘膜に疾患(口内炎、びらん、腫瘤、水泡など)があり、採取不可能な患者
  • その他、担当医が被験者として不適当と判断した患者
主要な評価項目有効性の主要評価項目はESD後8週までの非狭窄割合で判定する
主要な評価方法8.9 mm径の内視鏡が、抵抗なく通過すること
副次的な評価項目有効性の副次評価項目は、狭窄を伴わない創傷治癒までの日数(創傷治癒:治癒の過程で、白苔、びらん並びに潰瘍が完全に認められずに再上皮化された状態)、内視鏡的バルーン拡張術の回数(創傷治癒が確認されるまで調査する)、有害事象及び不具合事象発生割合
副次的な評価方法EORTC QLQ-OG25、EORTC QLQ-C30で判定する
予定試験期間2016/06/01~2017/12/31

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより