標準治療が不応/不耐の食道がんを対象とするニボルマブの治験

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治験名

ONO-4538 第3相試験 食道がんに対する多施設共同無作為化非盲検試験

治験概要

この試験では、標準治療が不応または不耐の食道がんに対する、ONO-4538(ニボルマブ)の有効性および安全性を多施設共同無作為化非盲検試験で検討します。

疾患解説食道がん

国立がん研究センターのがん登録・統計の2013年の全国推計値によると、食道がんにかかる人は、10万人あたり17.9人です。男性は、10万人あたり31人、女性は、5.6人で男性に多い傾向です。

早期の食道がんではほとんど自覚症状がありませんが、がんの進行につれ、胸の違和感、食物の使える感じ、胆汁減少、胸や背中の痛み、声のかすれなどの症状が起こります。

日本人の食道がんの約半数は、食道の中央付近、次の食道の下部に多くでき、組織型は扁平上皮がんが90%以上で、腺がんは5%以下です。

食道の内側の粘膜から発生したがんは、粘膜下層、固有筋層、外膜へと浸潤していきます。粘膜内に留まるものを早期食道がん、粘膜下層までにとどまるものを表在食道がん、それ以上浸潤しているものを進行食道がんといいます。

治験薬ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。

免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。

がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 20歳以上
  • 3か月以上の生存が期待される患者さん
  • 性別:男女
対象とならない人
  • ほかの抗体製剤に対して高度の過敏反応の既往がある患者さん
  • 重複がんのある患者さん

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、日本国内では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールに基づき、行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで進められます。治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを正しく理解しましょう。

試験詳細

試験の名称ONO-4538 第3相試験 食道がんに対する多施設共同無作為化非盲検試験
試験の概要標準治療に不応又は不耐の食道がんに対するONO-4538の有効性及び安全性について多施設共同無作為化非盲検試験により検討する.
疾患名食道がん
試験薬剤名ONO-4538
用法・用量静脈内投与
対照薬剤名ドセタキセル又はパクリタキセル
用法・用量静脈内投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン多施設共同無作為化非盲検試験
目標症例数390
適格基準
    1.20歳以上
    2.3カ月以上の生存が期待される患者
    年齢:20歳以上
    性別:両方
除外基準
    1.他の抗体製剤に対して高度の過敏反応の既往がある患者
    2.重複がんを有する患者
主要な評価項目全生存期間
主要な評価方法
副次的な評価項目奏効率,無増悪生存期間,安全性,患者報告アウトカム(PRO)など
副次的な評価方法
予定試験期間2015年10月~2019年9月

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより