抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐に対するホスネツピタントの治験

治験の募集状況は、「医薬品情報データベース 臨床試験情報外部リンク」ページでご確認ください。

上記ページにアクセスし、条件欄から「試験の名称」を選択、このページの「試験概要詳細」の「試験の名称」をコピーして、キーワード欄に貼り付け、検索してください。

治験名

高度催吐性抗悪性腫瘍薬(シスプラチン)投与患者を対象としたPro-NETU第3相二重盲検比較試験

治験概要:

抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐に対する治験。シスプラチンを含む化学療法が計画されている患者さんが対象です。
ホスネツピタントとホスアプレピタントを比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、790人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、中央登録、二重盲検、ランダム化、並行群間比較、多施設共同。
試験群:ホスネツピタント
対照群:ホスアプレピタント
全期間の完全奏効率、有害事象および副作用の発現割合などで評価します。

疾患解説:悪心・嘔吐

がん化学療法による副作用の1つとして、悪心や嘔吐があります。
悪心や嘔吐が起こるメカニズムは、化学物質受容体の活性化や消化管粘膜からのセロトニン分泌促進による求心性迷走神経の活性化、精神的ものなどによると考えられています。
悪心・嘔吐が起こる時期による、急性、遅発性、予測性の3つに分類されます。急性は24時間以内に起こり、24時間以降に起こるのが遅発性です。また、患者さんが化学療法を意識したことにより起こるのが、予測性悪心・嘔吐です。

治験薬:ホスネツピタント

ホスネツピタントは静脈投与後、活性本体のアプレピタントに代謝されるプロドラッグタイプの制吐剤です。
アプレピタントは、ニューロキニン1(NK1)と選択的に結合することで吐き気を抑制します。がん化学療法にともなる悪心・嘔吐の中でも、抗がん薬投与後24時間以降に起こる遅発性の嘔吐に対して、制吐効果が得られます。

治験薬:ホスアプレピタント

ホスアプレピタントは静脈投与後、活性本体のアプレピタントに代謝されるプロドラッグタイプの制吐剤です。
アプレピタントは、ニューロキニン1(NK1)と選択的に結合することで吐き気を抑制します。がん化学療法にともなる悪心・嘔吐の中でも、抗がん薬投与後24時間以降に起こる遅発性の嘔吐に対して、制吐効果が得られます。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 本試験への参加について文書による同意
  • HEC(シスプラチン)を含む化学療法が計画されている
  • 全身状態(Performance Status:PS)が0~1
  • 年齢:20歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 治験実施計画書で規定されたデキサメタゾンの投与が困難と判断される感染症、糖尿病などの合併
  • 本試験の手順に関して協力する能力または意思がない

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称高度催吐性抗悪性腫瘍薬(シスプラチン)投与患者を対象としたPro-NETU第III相二重盲検比較試験
試験の概要単回投与パート:Pro-NETUのホスアプレピタントに対する全期間(0-120時間)の嘔吐完全抑制(CR)率の非劣性を検証する。Pro-NETUの非劣性が検証された場合、優越性の検証も実施する
繰り返し投与パート:Pro-NETUの安全性を検討する
疾患名抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐
試験薬剤名fosnetupitant
用法・用量高度催吐性抗悪性腫瘍薬(HEC)の投与前にPro-NETU235mgを点滴静脈内投与する
対照薬剤名ホスアプレピタント
用法・用量HECの投与前にホスアプレピタント150mgを点滴静脈内投与する(単回投与パートのみ)
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン単回投与パート:中央登録、二重盲検、ランダム化、並行群間比較、多施設共同
繰り返し投与パート:非盲検、非対照、多施設共同
目標症例数790
適格基準
  • 本試験への参加について文書により同意した
  • HEC(シスプラチン)を含む化学療法が計画されている
  • Performance Status(ECOG scale)が0~1である
  • 年齢:20歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 治験実施計画書で規定されたdexamethasoneの投与が困難と判断される感染症、糖尿病等を合併している
  • 本試験の手順(治験日記の記載など)に関して協力する能力又は意思がない
主要な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
主要な評価方法単回投与パート:全期間のCR率
繰り返し投与パート:有害事象及び副作用の発現割合
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
副次的な評価方法有効性
安全性
予定試験期間2019年2月1日~2021年3月31日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより