FGFR陽性・難治性の切除不能な進行・再発の固形がんに対するTAS-120の治験
治験の募集状況は、「医薬品情報データベース 臨床試験情報」ページでご確認ください。
治験名
TiFFANY試験
血中循環腫瘍DNAにFGFR遺伝子異常がある難治性の治癒切除不能な進行・再発の固形がん患者に対するTAS-120単独療法の有効性および安全性を評価する多施設共同臨床第2相バスケット試験
治験概要:
難治性の治癒切除不能な進行・再発の固形がんに対する治験。血中循環腫瘍DNAにFGFR遺伝子異常がある患者さんが対象です。
TAS-120を1回20mgを1日1回経口投与して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、26人。
フェーズは、第2相臨床試験。
試験デザインは、非盲検、単アーム、多施設共同第II相バスケット試験。
試験群:TAS-120
客観的奏効割合、無増悪生存期間、奏効期間、療成功期間、全生存期間、有害事象発生割合などで評価します。
疾患解説:固形がん
がんは、発生した部位や臓器、組織などによって分類されます。血液をつくる骨髄やリンパ節などの造血器から発生するがんを血液がんといいます。それ以外のがんのほとんどは、固まりをつくりながら増殖や転移を起こします。血液がん以外のがんを、固形がんといいます。
固形がんには、上皮細胞から発生する上皮性がんと、骨や筋肉などの上皮以外の細胞から発生する非上皮性がんの2つに分類されます。前者の代表的ながんは、大腸がん、肺がん、乳がん、胃がんなどがあります。後者の代表には、骨肉腫、軟部肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、繊維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などがあります。
治験薬: TAS-120
TAS-120は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)1/2/3/4および一部のFGFR2キナーゼ変異を阻害する分子標的薬です。
FGFは、血管新生など成長因子の一種で、細胞の増殖や分化において重要な役割を担っています。
また、FGFR3変異がある腫瘍では、免疫活性化の兆候を示さないようで免疫療法に反応しない可能性が示唆されています。
TAS-120は、すべてのFGFRを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。
主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
※ここに掲載した多くの情報は、JAPIC-CTIやUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。
試験概要詳細
試験の名称 | 血中循環腫瘍DNAにFGFR遺伝子異常を有する難治性の治癒切除不能な進行・再発の固形がん患者に対するTAS-120単独療法の有効性及び安全性を評価する多施設共同臨床第II相バスケット試験 |
試験の概要 | 標準化学療法に不応又は不耐な血中循環腫瘍DNAにFGFR遺伝子異常を有する難治性の治癒切除不能な進行・再発固形悪性腫瘍患者を対象として、TAS-120の有効性及び安全性を評価する |
疾患名 | 固形悪性腫瘍 |
試験薬剤名 | TAS-120 |
用法・用量 | TAS-120を1回20mgを1日1回経口投与する。1サイクルは21日とする |
対照薬剤名 | |
用法・用量 | |
試験のフェーズ | フェーズ2/phase2 |
試験のデザイン | 非盲検、単アーム、多施設共同第II相バスケット試験 |
目標症例数 | 26 |
適格基準 |
II.FGFR amplification III.FGFR mutation |
除外基準 |
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主要な評価項目 | 有効性/efficacy |
主要な評価方法 | 治験責任医師又は分担医師の判定による確定された客観的奏効割合 |
副次的な評価項目 | 安全性/safety 有効性/efficacy |
副次的な評価方法 | 無増悪生存期間、奏効期間、治療成功期間、病勢制御割合、全生存期間、中央判定による確定された客観的奏効割合、有害事象発生割合 |
予定試験期間 | 2019年6月1日~2025年5月31日 |