進行固形がんおよび非ホジキンリンパ腫に対するスパルタリズマブ+NIR178の治験

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治験名

選択した進行固形がんおよび非ホジキンリンパ腫の患者を対象としたスパルタリズマブとの併用でNIR178を検討する第2相多施設共同オープンラベル試験

治験概要:

進行固形がんおよび非ホジキンリンパ腫に対する治験。腎細胞がん、膵臓がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マイクロサテライト安定性大腸がん、トリプルネガティブ乳がん、黒色腫、転移性非小細胞肺がんの患者さんが対象です。
スパルタリズマブとNIR178を併用したきの、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
試験群:スパルタリズマブ+NIR178併用
有効性、安全性、NIR178の投与スケジュールなどを評価します。

疾患解説:非ホジキンリンパ腫

悪性リンパ腫は、ヒトの免疫機能を担う白血球のうちのリンパ球ががん化する血液のがんです(図1)。国立がん研究センターのがん統計によると2014年に悪性リンパ腫に罹患した人は、約28500人です。1985年には10万人あたり5.5人だったのが、2019年には18.7人、2013年には20.2人となり年々増え続けています。女性より男性に多く、発症のピークは70歳代です。
悪性リンパ腫は、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されますが、細かくは80種類くらいの病型に分類されます(図2)。日本では非ホジキンリンパ腫が約9割を占めています。
非ホジキンリンパ腫では、無治療の場合の予後を予測する臨床分類として、悪性度によって、3つに分類されています。「低悪性度(インドレントリンパ腫)」はがん細胞の増殖速度が遅く年単位で病気が進行するもの、「中悪性度(アグレッシブリンパ腫)」は月単位で進行するもの、「高悪性度(高度アグレッシブリンパ腫)」は増殖速度が速く週単位で進行するものです。どの悪性度に分類されるかは、病型ごとにほぼ定められています。

図1 造血幹細胞と血液の分化

図2 悪性リンパ腫の主な病型と臨床分類

病型臨床分類
悪性リンパ腫非ホジキンリンパ腫成熟B細胞腫瘍慢性リンパ性白血病/ 小リンパ球性リンパ腫
リンパ形質細胞性リンパ腫
脾辺緑帯リンパ腫
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫低から中
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫/白血病
成熟T細胞/NK細胞腫瘍T細胞大型顆粒リンパ球性白血病
成人T細胞白血病・リンパ腫(くすぶり型、慢性型)
菌状息肉症/セザリー症候群
原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫低から中
末梢性T細胞リンパ腫,非特定型
腸症関連T細胞リンパ腫
未分化大細胞リンパ腫
肝脾T細胞リンパ腫
成人T細胞白血病・リンパ腫(急性型、リンパ腫型)中から高
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
急速進行性NK細胞白血病
ホジキンリンパ腫結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
古典的ホジキンリンパ腫結節性硬化型
混合細胞型
リンパ球豊富型
リンパ球減少型

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版を参考に作成

疾患解説:固形がん

がんは、発生した部位や臓器、組織などによって分類されます。血液をつくる骨髄やリンパ節などの造血器から発生するがんを血液がんといいます。それ以外のがんのほとんどは、固まりをつくりながら増殖や転移を起こします。血液がん以外のがんを、固形がんといいます。
固形がんには、上皮細胞から発生する上皮性がんと、骨や筋肉などの上皮以外の細胞から発生する非上皮性がんの2つに分類されます。前者の代表的ながんは、大腸がん、肺がん、乳がん、胃がんなどがあります。後者の代表には、骨肉腫、軟部肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、繊維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などがあります。

治験薬:NIR178

NIR178は、アデノシン2A受容体の拮抗薬です。
アデノシンは、アデノシンA受容体と結合することで、T細胞やNK細胞の機能を抑制します。
NIR178は、免疫チェックポイント阻害薬と併用することで、免疫チェックポイント阻害薬の機能を高める働きが示唆されています。

治験薬:スパルタリズマブ

スパルタリズマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害剤の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 進行または転移性の固形がんまたはリンパ腫であることが組織学的に確認されている
  • パート1:腎細胞がん、膵がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マイクロサテライト安定性大腸がん、トリプルネガティブ乳がんまたは黒色腫であることが組織学的に確認されている
  • パート2:進行/転移性非小細胞肺がんの診断が組織学的に確認されている。組織型が混合型の場合は、優位な組織型がなければならない
  • パート3:進行/転移性非小細胞肺がんおよび本治験のパート1で得られたデータに基づいて追加された1つのがん腫の診断が組織学的に確認されている
  • 日本人患者を対象とするSafety run-inパートでは、パート1およびパート2のすべてのがん腫を登録することができる
  • 生検に適した病変部位があり、実施医療機関のガイドラインに従って腫瘍生検の適応となる。腫瘍生検をスクリーニング時に新たに受け、さらに本治験の投与中にも再度受ける意思がある。なお、以下の条件に該当する場合は、最近採取された検体を使用することができる:
    治験薬初回投与前6か月以内に生検が実施され、実施医療機関にてその検体を入手できる
    生検が実施されてから免疫療法を受けていない
  • パート1~3のみ:対象疾患に対して1~3レジメンの前治療歴がある。具体例を以下に示すが、患者にとって不適切と判断される場合は例外とする
  • 非小細胞肺がん患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴がなければならない
  • T790M変異を有するEGFR陽性の非小細胞肺がん患者は、オシメルチニブで進行となったか毒性により投与を中止していなければならない
  • 頭頚部がん患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴がなければならない
  • 膀胱がん患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴があるか、シスプラチン治療に不適格でなければならない
  • 腎細胞がん患者は、VEGFチロシンキナーゼ阻害薬の前治療歴がなければならない
  • マイクロサテライト安定性大腸がん患者は、フルオロピリミジン系、オキサリプラチンまたはイリノテカンをベースとする多剤併用療法の前治療歴がなければならない
  • トリプルネガティブ乳がん患者は、タキサン系薬剤を含むレジメンによる前治療歴がなければならない
  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者は、臨床効果が証明された利用可能な治療法がない患者に限定すること
  • 自家造血幹細胞移植の施行歴があるか、自家造血幹細胞移植に不適格であることが確認されていなければならない
  • 免疫療法の施行歴がない
  • 測定可能病変がある
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称選択した進行固形がん及び非ホジキンリンパ腫の患者を対象としたPDR001との併用でNIR178を検討する第II相多施設共同オープンラベル試験
試験の概要複数の種類の固形がん及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の患者を対象として、PDR001と併用したときのNIR178の有効性及び安全性を検討するとともに、A2aRの阻害を介した免疫活性化を最適化するためにNIR178のさまざまな投与スケジュールを探索的に検討することである
疾患名進行固形がん(NSCLC、RCC、膵がん、尿路上皮がん、頭頚部がん、大腸がん〔MSS〕、TNBC、黒色腫)及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
試験薬剤名NIR178
用法・用量経口カプセル剤 40mg、80mg及び/又は160mg パート1:1日2回の連続投与、パート2:無作為化に従った1日2回の連続又は間欠投与、パート3:パート2の結果に基づく1日2回の間欠投与
試験薬剤名PDR001
用法・用量点滴用粉末製剤 100mg 4週に1回投与
試験のフェーズフェーズ2/phase2
試験のデザイン
目標症例数
適格基準
  • 18歳以上の男女
  • 進行又は転移性の固形がん又はリンパ腫であることが組織学的に確認されている
  • パート1:腎細胞癌(RCC)、膵癌、尿路上皮癌、頭頸部癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マイクロサテライト安定性(MSS)大腸癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)又は黒色腫であることが組織学的に確認されている
  • パート2:進行/転移性NSCLCの診断が組織学的に確認されている。組織型が混合型の場合は、優位な組織型がなければならない。
  • パート3:進行/転移性NSCLC及び本治験のパート1で得られたデータに基づいて追加された1つのがん腫の診断が組織学的に確認されている
  • 日本人患者を対象とするSafety run-inパートでは、パート1及びパート2のすべてのがん腫を登録することができる
  • 生検に適した病変部位があり、実施医療機関のガイドラインに従って腫瘍生検の適応となる(日本人Safety run-inパートに参加している患者は除く)。腫瘍生検をスクリーニング時に新たに受け、さらに本治験の投与中にも再度受ける意思がある。なお、以下の条件に該当する(両方とも満たしている)場合は、最近採取された検体を使用することができる:
    治験薬初回投与前6ヵ月以内に生検が実施され、実施医療機関にてその検体を入手できる
    生検が実施されてから免疫療法を受けていない
  • パート1~3のみ:対象疾患に対して1~3レジメンの前治療歴がある(DLBCL以外)。具体例を以下に示すが、患者にとって不適切(安全性上の懸念、禁忌等)と判断される場合は例外とする
  • NSCLC患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴がなければならない
  • T790M変異を有するEGFR陽性のNSCLC患者は、オシメルチニブで進行となったか毒性により投与を中止していなければならない
  • 頭頚部癌患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴がなければならない
  • 膀胱癌患者は、プラチナ製剤併用化学療法の前治療歴があるか、シスプラチン治療に不適格でなければならない
  • 腎細胞癌患者は、VEGFチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の前治療歴がなければならない
  • マイクロサテライト安定性(MSS)大腸癌患者は、フルオロピリミジン系、オキサリプラチン又はイリノテカンをベースとする多剤併用療法の前治療歴がなければならない(又はこの治療に耐えられない状態でなければならない)
  • トリプルネガティブ乳癌患者は、タキサン系薬剤を含むレジメンによる前治療歴がなければならない
  • DLBCL患者は、臨床効果が証明された利用可能な治療法がない患者に限定すること
  • 自家造血幹細胞移植(自家HSCT)の施行歴があるか、自家HSCTに不適格であることが確認されていなければならない
  • 免疫療法の施行歴(免疫チェックポイント阻害薬の投与歴:抗CTLA-4、抗PD-1又は抗PD-L1抗体の単剤又は併用投与)がない
  • 測定可能病変を有している
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
主要な評価項目
主要な評価方法
副次的な評価項目
副次的な評価方法
予定試験期間

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより