ALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍に対するセリチニブの継続投与の治験
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治験名
ノバルティス社が依頼したセリチニブ(LDK378)の治験を終了し、治験責任(分担)医師によって投与継続による利益が得られると判断されたALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍患者を対象とした第4相、非盲検、多施設共同、継続試験
治験概要:
ALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍に対する治験。ノバルティス社が依頼したセリチニブの治験で、継続投与をしている患者さんが対象です。
継続投与によりセリチニブの安全性を評価するための第4相試験です。
登録予定数は150人。
試験デザインは、継続試験。
フェーズは、フェーズ4(第4相臨床試験)。
観察する対象は
観察群:セリチニブ継続投与群
で主要評価項目の安全性で評価します。
疾患解説: ALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍
ALK融合遺伝子は、非小細胞肺がんで同定された融合遺伝子です。非小細胞肺がん患者さんの3~5%程度に認められています。ALK融合遺伝子は、ALK遺伝子とほかの遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、ALK融合たんぱくをつくります。ALK融合蛋白は、がん細胞を刺激して、がん細胞の増殖スイッチがつねにはいっている状態にします。そのため無限に増殖していきます。

治験薬:セリチニブ
セリチニブは、ALK融合遺伝子を選択的に阻害する分子標的薬です。ALK融合遺伝子は、非小細胞肺がんの約5%の患者さんにみられます。ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんで、ALK阻害薬に対して抵抗性や不耐容がある患者さんに対して承認された第2世代のALK阻害薬です。
ALK融合遺伝子は、ALK遺伝子とほかの遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、ALK融合たんぱくをつくります。このたんぱく質の作用により、がん細胞を刺激することでがんの増殖、生存、血管新生が起こります。セリチニブは、ALK活性を抑制することで、がんの増殖や生存、血管新生を抑制します。
ALK遺伝子転座陽性の非小細胞肺がんに対する1次治療では、パフォーマンスステータス(PS)の違いによりクリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブの使い分けが「肺癌診療ガイドライン」で推奨されています。
PS0-1の場合、3剤使用可能ですが、推奨度はアレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブの順です。PS2-4の場合は、アレクチニブが推奨されています。
主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
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試験概要詳細
試験の名称 | ノバルティス社が依頼したセリチニブ(LDK378)の治験を終了し、治験責任(分担)医師によって投与継続による利益が得られると判断されたALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍患者を対象とした第IV相、非盲検、多施設共同、継続試験 |
試験の概要 | ノバルティス社が依頼したLDK378の治験においてLDK378の投与を継続している悪性腫瘍患者を対象にLDK378の安全性を評価するための継続試験 |
疾患名 | ALK融合遺伝子陽性の悪性腫瘍 |
試験薬剤名 | セリチニブ |
用法・用量 | 経口 |
試験のフェーズ | フェーズ4(第4相臨床試験) |
試験のデザイン | |
目標症例数 | |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | 安全性 |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2015年10月1日~2020年12月31日 |