小児がんの化学療法による悪心・嘔吐に対するパロノセトロンの治験
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治験名
小児患者を対象としたPALO第III相試験
治験概要:
小児がんの化学療法による悪心・嘔吐に対する治験。生後28日以上18歳以下、体重3.2kg以上の小児患者さんが対象です。 シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミドを含む初回化学療法時に、パロノセトロンを1日1回静脈投与して、悪心・嘔吐に対する有効性と安全性を評価する臨床試験です。 登録予定数は、60人。 フェーズは、第3相臨床試験。 試験デザインは、多施設共同非盲検非対照試験。 試験群:パロノセトロン で主要評価項目は嘔吐性事象なし、制吐処置なしの患者割合、安全性、薬物動態などで評価します。疾患解説:がん化学療法による悪心・嘔吐
がん化学療法による副作用の1つとして、悪心や嘔吐があります。 悪心や嘔吐が起こるメカニズムは、化学物質受容体の活性化や消化管粘膜からのセロトニン分泌促進による求心性迷走神経の活性化、精神的ものなどによると考えられています。 悪心・嘔吐が起こる時期による、急性、遅発性、予測性の3つに分類されます。急性は24時間以内に起こり、24時間以降に起こるのが遅発性です。また、患者さんが化学療法を意識したことにより起こるのが、予測性悪心・嘔吐です。治験薬:パロノセトロン
パロノセトロンは、がん治療で行われる化学療法による悪心や嘔吐に対する制吐剤です。 化学療法による悪心・嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢への刺激により起こります。嘔吐中枢への刺激は、5-HT3受容体というセロトニンの作用により起こります。 パロノセトロンは、5-HT3受容体に対する拮抗作用により、嘔吐中枢への刺激伝達を阻害することで、悪心・嘔吐を制御します。さらに、従来の5-HT3受容体拮抗薬に比べて5-HT3との親和性が高く、血液半減期が長いため、24時間以降に起こる遅発性の悪心・嘔吐にも有効性が認められています。主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。
試験概要詳細
試験の名称 | 小児患者を対象としたPALO第III相試験 |
試験の概要 | 小児悪性腫瘍患者を対象にPALOを投与し、高度又は中等度催吐性抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐に対する有効性、安全性、薬物動態を検討する |
疾患名 | 抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐 |
試験薬剤名 | PALO |
用法・用量 | PALO 20ug/kg(上限1.50 mg)1日1回静脈内投与 |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | 多施設共同非盲検非対照試験 |
目標症例数 | 60 |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | 有効性:嘔吐性事象なし、制吐処置なしの患者割合(Complete Response) 安全性: 薬物動態: |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2016年7月1日~2020年2月29日 |