神経内分泌腫瘍患者に対するspartalizumabの治験
治験の募集状況は、「医薬品情報データベース 臨床試験情報」ページでご確認ください。
治験名
非機能性神経内分泌腫瘍患者を対象としたspartalizumab第2相試験
治験概要:
膵臓、消化管または胸部に由来する高分化型の進行性非機能性神経内分泌腫瘍に対する治験。カルチノイド症候群に関連する症状が過去または現在認められず、進行性疾患に対して治療歴のある患者さんが対象です。 Spartalizumab400㎎を4週間ごとに投与して、奏効率で評価する臨床試験です。 登録予定数は、116人。 フェーズは、2相臨床試験。 試験デザインは、単群、非盲検。 試験群:Spartalizumab で主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は奏功期間、奏効までの時間、無増悪生存期間、全生存期間などで評価します。疾患解説:神経内分泌腫瘍
神経内分泌腫瘍は、ホルモンやペプチドを分泌する内分泌細胞ががん化する希少がんです。 全身の臓器に発生しますが、約60%は消化器に、約30%は肺や気管支に発生します。特に、膵臓や直腸が最も多いといわれています。 膵神経内分泌腫瘍は年々増加傾向にあり、国内の疫学調査では2005年から5年間で1.2倍に増加しており、膵・消化管神経内分泌腫瘍の患者さんは、10万人あたり3.37人といわれています。 症状は、がん化した部位により異なります。インスリンを分泌する膵β細胞ががん化した場合、低血糖による意識障害が起こります。膵臓や十二指腸に発生しガストリンというホルモンを過剰に分泌すると、胃を刺激して胃酸や消化酵素の分泌を促進され、胃や十二指腸に潰瘍ができます。治験薬: Spartalizumab
Spartalizumabは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 がん細胞の表面に発現しているPD-L1/2とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。 Spartalizumabは、PD-1とPD-L2の結合を阻害します。
主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※ここに掲載した多くの情報は、JAPIC-CTIやUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。試験概要詳細
試験の名称 | 非機能性神経内分泌腫瘍患者を対象としたPDR001第II相試験 |
試験の概要 | PDR001単剤投与の第2相、非盲検、多施設共同試験である。膵臓、消化管又は胸部に由来の進行若しくは転移性の非機能性神経内分泌腫瘍患者を対象とした、PDR001の有効性及び安全性を評価する試験 |
疾患名 | 神経内分泌腫瘍 |
試験薬剤名 | PDR001 |
用法・用量 | 静注 |
試験のフェーズ | フェーズ2(第2相臨床試験) |
試験のデザイン | |
目標症例数 | |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | 奏効率 |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2017年2月1日~2019年12月1日 |