ハイリスク局所進行の頭頸部扁平上皮がんに対するアテゾリズマブの治験

治験名

ハイリスク局所進行頭頸部扁平上皮がん患者に対する根治的局所治療後アジュバント療法としてのアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)の第3相多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験

治験概要:

ハイリスクの局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する治験。根治的局所療法として手術のみ、または放射線療法のみを受けた患者さんは対象外です。 根治的局所療法後のアジュバント療法として、アテゾリズマブとプラセボを比較して有効性と安全性を評価する臨床試験です。 登録予定数は400人。 試験デザインは、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験。 フェーズは、第3相臨床試験。 比較する対象は 試験群:アテゾリズマブ 対照群:プラセボ で主要評価項目は独立評価機関の判定に基づく無イベント生存期間と全生存期間、副次的な評価項目は、医師の判定に基づく無イベント生存期間で評価します。

疾患解説:頭頸部がん

頭頸部がんは、文字通り「頭部」と「頸部(首の部分)」、脳より下鎖骨より上にできたがんの総称です。主な種類は、咽頭がん、口腔がん、喉頭がん、鼻、副鼻腔がん、唾液腺がん、甲状腺がんなどがあります。咽頭は、さらに詳細に上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分類されます。脳腫瘍は、頭頸部がんには分類されません。 頭頸部がんのうち口腔がん、咽頭がんの罹患数は、2013年の国立がん研究センターのがん統計によると男性で約13200人、女性で約5800人、男女合計で約19000人、全部位の約2%程度です。死亡数も男性で約5000人、女性で約2000人、合計で約7000人と、部位別でみると比較的少ないですが、発生原因や治療法、予後が異なるのが特徴です。 頭頸部がんのほとんどは、扁平上皮という組織ががん化したものです。がんが発生した器官の違いによって症状はさまざまです。口腔がんである舌がんでは、舌がしみたり痛みがあるなどの症状があることもありますが、ほとんどの頭頸部がんでは初期には自覚症状がみられないこともあります。首のしこりやのどの違和感など、すこしでも気になる症状があれば検査を受けることが大切です。

治験薬:アテゾリズマブ

アテゾリズマブは、抗PD-L1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 局所進行頭頸部扁平上皮がん患者
  • HPV感染の有無が判定されている
  • 画像検査によって遠隔転移がないことが確認されている
  • 主要臓器の機能が保たれている
  • 抗凝固療法を受けている場合:安定した用量である
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 根治的局所療法として手術のみまたは放射線療法のみを受けた患者
  • 上咽頭扁平上皮がんの患者
  • コントロール不良または症候性の高カルシウム血症がある患者
  • 活動性の病態または既往症として自己免疫疾患または免疫不全症がある患者
  • 活動性結核がある患者
  • 重大な心血管疾患がある患者
  • 過去5年以内に他の悪性腫瘍の既往歴がある患者
  • HBVに対する抗ウイルス療法を現在受けている患者
  • 免疫賦活剤を投与中の患者
  • 免疫抑制剤を投与中の患者
  • キメラまたはヒト化抗体もしくは融合蛋白に対する重度のアレルギー反応、アナフィラキシー反応の既往がある患者
  • 妊娠中または授乳中の患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。 ※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 ハイリスク局所進行頭頸部扁平上皮癌患者に対する根治的局所治療後アジュバント療法としてのアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)の第III相多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
試験の概要 本治験では、ハイリスクの局所進行頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)患者を対象として、根治的局所療法後のアジュバント療法としてのアテゾリズマブの有効性及び安全性をプラセボと比較して評価する
疾患名 局所進行頭頸部扁平上皮癌
試験薬剤名 アテゾリズマブ
用法・用量 1200mgを3週間隔で点滴静注
対照薬剤名 プラゼボ
用法・用量 3週間隔で点滴静注
試験のフェーズ フェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン 多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験
目標症例数 400
適格基準
  • 組織学的又は細胞学的に確定診断されたSCCHNを有する
  • HPV感染の有無が判定されている
  • 画像検査によって遠隔転移がないことが確認されている
  • 主要臓器の機能が保たれている
  • 抗凝固療法を受けている場合:安定した用量である
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 根治的局所療法として手術のみ又は放射線療法のみを受けた患者
  • 上咽頭扁平上皮癌の患者
  • コントロール不良又は症候性の高カルシウム血症を有する患者
  • 活動性の病態又は既往症として自己免疫疾患又は免疫不全症を有する患者
  • 活動性結核を有する患者
  • 重大な心血管疾患を有する患者
  • 過去5年以内に他の悪性腫瘍の既往歴がある患者
  • HBVに対する抗ウイルス療法を現在受けている患者
  • 免疫賦活剤を投与中の患者
  • <li免疫抑制剤を投与中の患者
  • キメラ又はヒト化抗体若しくは融合蛋白に対する重度のアレルギー反応、アナフィラキシー反応の既往を有する患者
  • 妊娠中又は授乳中の患者
主要な評価項目 独立評価機関の判定に基づく無イベント生存期間及び全生存期間
主要な評価方法 RECIST v1.1及び観察
副次的な評価項目 医師の判定に基づく無イベント生存期間等
副次的な評価方法 RECIST v1.1
予定試験期間 2018年7月1日~2025年4月1日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより