自家造血幹細胞移植後の古典的ホジキンリンパ腫に対するニボルマブ併用の治験

治験名

自家造血幹細胞移植(ASCT)施行後に再発もしくは難治性となった進行期古典的ホジキンリンパ腫患者またはASCT非適応の進行期古典的ホジキンリンパ腫患者を対象にニボルマブおよびブレンツキシマブ ベドチンの併用療法とブレンツキシマブ ベドチンの単剤療法を比較する無作為化非盲検第3相試験

治験概要:

進行期古典的ホジキンリンパ腫に対する治験。自家造血幹細胞移植非適応または自家造血幹細胞移植施行後の患者さんが対象です。 ニボルマブ+ブレンツキシマブ ベドチンの併用療法とブレンツキシマブ ベドチン単剤療法を比較して、無増悪生存期間、奏効率、全生存期間、奏功期間などで評価する臨床試験です。 登録予定数は、340人。 フェーズは、3相臨床試験。 試験デザインは、無作為化非盲検試験。 試験群:ニボルマブ+ブレンツキシマブ ベドチン 対照群:ブレンツキシマブ ベドチン 無増悪生存期間、奏効率、全生存期間、奏功期間などで評価します。

疾患解説:古典的ホジキンリンパ腫

悪性リンパ腫は、ヒトの免疫機能を担う白血球のうちのリンパ球ががん化する血液のがんです(図1)。国立がん研究センターのがん統計によると2014年に悪性リンパ腫に罹患した人は、約28500人です。1985年には10万人あたり5.5人だったのが、2019年には18.7人、2013年には20.2人となり年々増え続けています。女性より男性に多く、発症のピークは70歳代です。 悪性リンパ腫は、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されますが、細かくは80種類くらいの病型に分類されます。さらにホジキンリンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫に分類されます(図2)。
図1 造血幹細胞と血液の分化

図2 悪性リンパ腫の主な病型と臨床分類

病型 臨床分類
悪性リンパ腫 非ホジキンリンパ腫 成熟B細胞腫瘍 慢性リンパ性白血病/ 小リンパ球性リンパ腫
リンパ形質細胞性リンパ腫
脾辺緑帯リンパ腫
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫 低から中
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫/白血病
成熟T細胞/NK細胞腫瘍 T細胞大型顆粒リンパ球性白血病
成人T細胞白血病・リンパ腫(くすぶり型、慢性型)
菌状息肉症/セザリー症候群
原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫 低から中
末梢性T細胞リンパ腫,非特定型
腸症関連T細胞リンパ腫
未分化大細胞リンパ腫
肝脾T細胞リンパ腫
成人T細胞白血病・リンパ腫(急性型、リンパ腫型) 中から高
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
急速進行性NK細胞白血病
ホジキンリンパ腫 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
古典的ホジキンリンパ腫 結節性硬化型
混合細胞型
リンパ球豊富型
リンパ球減少型

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版を参考に作成

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:ブレンツキシマブ ベドチン

ブレンツキシマブ ベドチンは、がん細胞で発現しているCD30に結合するモノクローナル抗体であるブレンツキシマブと微小管阻害作用をもつモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を結合させた抗体薬物複合体です。ブレンツキシマブが、CD30抗原と結合し細胞内に取り込まれ、ブレンツキシマブに結合されているMMAEにより微小管阻害作用を起こすことで細胞増殖を抑制します。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 古典的ホジキンリンパ腫と診断された再発または難治性の患者
  • 自家造血幹細胞移植(ASCT)非適応またはASCT施行後の患者
  • 最長径が15mm(15cm)超でFDG-PETが陽性である病変を1個以上あること
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 中枢神経系リンパ腫を合併している
  • 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の患者
  • 既知の膵炎または進行性多巣性白質脳症の既往歴のある患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。 ※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称 自家造血幹細胞移植(ASCT)施行後に再発若しくは難治性となった進行期古典的ホジキンリンパ腫患者又はASCT非適応の進行期古典的ホジキンリンパ腫患者を対象にニボルマブ及びブレンツキシマブ ベドチンの併用療法とブレンツキシマブ ベドチンの単剤療法を比較する無作為化非盲検第3相試験
試験の概要 進行期古典的ホジキンリンパ腫患者を対象にニボルマブ+ブレンツキシマブ ベドチン及びブレンツキシマブ ベドチンの盲検化された独立中央判定委員会による判定に基づく無増悪生存期間を比較する
疾患名 古典的ホジキンリンパ腫
試験薬剤名 ONO-4538/BMS-936558
用法・用量 静脈内投与
対照薬剤名
用法・用量
試験のフェーズ フェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン 無作為化非盲検試験
目標症例数 340
適格基準
  • 病理学的に古典的ホジキンリンパ腫と診断された再発又は難治性の患者
  • 自家造血幹細胞移植(ASCT)非適応又はASCT施行後の患者
  • 最長径が15mm(15cm)超でFDG-PETが陽性である病変を1個以上有すること
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 中枢神経系リンパ腫を合併している
  • 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の患者
  • 既知の膵炎又は進行性多巣性白質脳症の既往歴のある患者
主要な評価項目 無増悪生存期間(PFS)
主要な評価方法
副次的な評価項目 奏効率、全生存期間、奏効期間など
副次的な評価方法
予定試験期間 2018年3月1日~2024年4月1日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより