切除または局所焼灼法で完全奏功した肝細胞がんに対するペムブロリズマブの治験
治験の募集状況は、「jRCT 臨床研究等提出・公開システム」ページでご確認ください。
治験名
KEYNOTE-937
外科的切除術又は局所焼灼療法後に画像評価により完全奏効を示した肝細胞癌患者に対する術後補助療法としてのMK-3475とプラセボの比較試験
治験概要:
肝細胞がんに対する治験。手術で完全切除または局所焼灼療法後に画像診断で完全奏功した患者さんが対象です。
術後補助療法としてペムブロリズマブとプラセボを比較して、無再発生存期間、全生存期間、安全性、忍容性などで評価する臨床試験です。
登録予定数は、950人。
フェーズは、3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化、並行群間、二重盲検。
試験群:ペムブロリズマブ
対照群:プラセボ
無再発生存期間、全生存期間、安全性、忍容性などで評価します。
疾患解説:肝臓がん
疾患の詳細は、「肝臓がんを知る」を参照ください。
治験薬:ペムブロリズマブ
ペムブロリズマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害剤の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。
治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。
※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。
試験概要詳細
試験の名称 | 外科的切除術又は局所焼灼療法後に画像評価により完全奏効を示した肝細胞癌患者を対象に術後補助療法としてのMK-3475の安全性及び有効性をプラセボと比較する二重盲検第III相試験(KEYNOTE-937) |
試験の概要 | 本試験は、外科的切除術又は局所焼灼療法後に画像評価により完全奏効を示した肝細胞癌患者を対象に術後補助療法としてのMK-3475の安全性及び有効性をプラセボと比較評価する 主要仮説として、1) MK-3475は、プラセボと比較して、盲検下の中央画像判定機関(BICR)の評価によるRFSに関して優越性を示す。2) OSで優越性を示す |
疾患名 | 肝細胞癌 |
試験薬剤名 | ペムブロリズマブ |
用法・用量 | 各コースの1日目に200mg, Q3W, 投与回数17回(約1年) |
対照薬剤名 | プラセボ |
用法・用量 | 各コースの1日目、Q3W,、投与回数17回(約1年) |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | 無作為化、並行群間、二重盲検 |
目標症例数 | 950 |
適格基準 |
|
除外基準 |
|
主要な評価項目 | 有効性 / efficacy |
主要な評価方法 | 無再発生存期間(RFS)を比較する 全生存期間(OS)を比較する |
副次的な評価項目 | 安全性 / safety 有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 | 安全性及び忍容性を評価する European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire(EORTC QLQ-C30)の全般的健康状態/QOLスケール及びEORTC QLQ-HCC18を用いて、QOLの悪化までの期間(TTD)とベースラインからのスコア変化量を比較する EuroQoL-5 Dimension Questionnaire, 5-Level(EQ-5D-5L)healthy utility scoreを用いて健康効用値を検討する |
予定試験期間 | 2019年6月17日~2022年7月23日 |
出典:臨床研究等提出・公開システムより