ステージ4の非小細胞肺がんに対するレンバチニブ+ペムブロリズマブ+ペメトレキセド+プラチナ製剤の治験

治験名

LEAP-006試験

転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象に1次治療としてレンバチニブ(E7080/MK-7902)の併用または非併用下でペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ(MK-3475)を投与した際の安全性および有効性を評価する第3相無作為化プラセボ対照試験

治験概要:

転移性非扁平上皮非小細胞肺がんに対する治験。 1次治療としてEGFR阻害薬、ALK阻害薬またはROS1阻害薬の適応にならないことが確認された患者さんが対象です。
ペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+レンバチニブ併用とペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+プラセボを比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、726人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為割付、並行群間、多施設共同、二重盲検。
試験群:ペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+レンバチニブ併用
対照群:ペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+プラセボ
無増悪生存期間、全生存期間、用量制限毒性、有害事象および有害事象による治験薬の投与中止などで評価します。

疾患解説:非小細胞肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。
特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

治験薬:レンバチニブ

レンバチニブは、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体と繊維芽細胞増殖因子(FGF)受容体、Transfectionがん原遺伝子(RET)を阻害する分子標的薬です。
VEGF受容体1~3を阻害することで、血管新生を抑制し抗腫瘍効果を発揮します。また、ほかの血管新生阻害薬では標的とならなかった、FGF受容体も阻害するため、より強力に血管新生を抑制します。

治験薬:ペメトレキセド

ペメトレキセドは、細胞分裂に必要な葉酸に構造が類似している葉酸代謝拮抗薬です。
葉酸代謝拮抗薬の中でも、3つの酵素を阻害し主要な葉酸代謝酵素経路を阻害することで、がん細胞の増殖を抑え強い抗腫瘍効果を発揮します。

治験薬:カルボプラチン

カルボプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。カルボプラチンは、シスプラチンの構造を変えることで吐き気や腎臓への障害、神経障害が軽減された第2世代の白金製剤です。

治験薬:シスプラチン

シスプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。シスプラチンは、第1世代の白金製剤です。

治験薬:ペムブロリズマブ

ペムブロリズマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害剤の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 非扁平上皮非小細胞肺がんと診断され、ステージ4の病変がある患者
  • 1次治療としてEGFR阻害剤、ALK阻害剤またはROS1阻害剤の適応にならないことが確認された患者
  • 測定可能病変がある患者
    注:放射線が照射された測定可能と考えられる腫瘍病変は、放射線療法の完了後にその病変で増大が確認できれば測定可能病変とする
  • 放射線照射を受けていない腫瘍病変から採取した保存検体もしくは新たに採取したコアまたは切除生検検体を提出し、中央検査機関によるPD-L1検査が評価可能な患者
  • 3か月以上の生存が見込まれる患者
  • 全身状態(Performance Status:PS)が0または1の患者
  • 投与期間中、並びにペムブロリズマブまたはレンバチニブ/プラセボの最終投与後少なくとも120日間および化学療法剤の最終投与後少なくとも180日間、治験実施計画書に詳述する避妊法を使用することに同意した男性患者。男性患者は以下についても同意しなければならない
    (1)異性間性交渉をしないことが患者の日常生活で適切な避妊法であり、患者にとって好ましい避妊方法である場合は、継続して異性間性交渉をしないことに同意すること
    (2)無精子症が確認されている場合を除き、以下の避妊法を使用する
    現在妊娠していない妊娠可能な女性との性交時、男性用コンドーム使用に加えて、女性パートナーが別の避妊法を使用すること
    注:妊娠中または授乳中のパートナーがいる男性は、継続的に異性間性交渉をしないこと、または性交時に必ずコンドームを使用することに同意しなければならない
  • 妊娠しておらず、授乳中でなく、かつ以下の条件のいずれかを満たす女性患者:
    (1)妊娠可能な女性に該当しない
    (2)使用者に依存しにくい極めて有効な避妊法を使用する、または異性間性交渉をしないことが患者の日常生活で適切な避妊法である場合は、投与期間中および治験薬の最終投与後少なくとも120日間、異性間性交渉をしないことに同意する妊娠可能な女性
  • 適切な臓器機能がある患者
  • 高血圧治療薬の使用有無を問わず、血圧が十分にコントロールされている患者
    注:コントロール不良の高血圧症の既往歴がある患者は除外する
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 未治療の中枢神経系への転移またはがん性髄膜炎がある患者。脳転移の治療を受けた患者で、画像評価で脳転移が安定している、すなわち、再画像評価により少なくとも4週間以上PDが認められず、臨床的に安定し、かつステロイドを少なくとも治験薬初回投与前14日以内に使用していない場合、組入れ可能
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な間質性肺疾患/肺臓炎の既往がある患者
  • 画像上明らかな主要血管への腫瘍の浸潤のある患者
  • 他の悪性腫瘍の既往歴がある患者。ただし、根治的治療により治療開始から3年以上無再発の患者は除く
    注:悪性腫瘍の3年以上の無再発は、本治験への組み入れ対象の非小細胞肺がんは該当しない。また、外科的に治癒した皮膚の基底細胞がん、表在性膀胱がん、皮膚の扁平上皮がん、子宮頸部上皮内がん、または他の上皮内がんの場合も該当しない
  • 過去2年以内に全身性の治療を要した活動性の自己免疫疾患がある患者。ただし、補充療法は使用可能である
  • 免疫不全状態と診断された患者、または治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 同種組織/臓器の移植歴がある患者
  • ヒト免疫不全ウイルス感染の既往がある患者。規制当局により必須とされていない場合にはHIV検査を実施する必要はない
  • B型肝炎の合併が確認されているまたはC型肝炎の合併が確認されている患者。規制当局により必須とされていない場合にはB型肝炎およびC型肝炎検査を実施する必要はない
  • 経口製剤の消化吸収を妨げると治験担当医師が判断する消化管状態または処置歴がある患者
  • 治験薬初回投与前2週間以内に喀血のあった患者
  • 治験薬初回投与前12か月以内に重大な心血管系の機能不全の既往がある患者
  • 活動性の結核の既往がある患者
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症がある患者
  • 大手術を受けた後、治験薬初回投与前までに前治療による毒性または合併症から十分に回復していない患者
  • 過去にモノクローナル抗体の投与で重度の過敏症反応が認められた患者、またはレンバチニブもしくはペムブロリズマブの成分に対する過敏症がある患者
  • 妊娠中または授乳中の女性患者、もしくはスクリーニング時来院からペムブロリズマブまたはレンバチニブ/プラセボの最終投与後120日および化学療法剤の最終投与後180日までに妊娠を希望する女性患者またはパートナーの妊娠を希望する男性患者
  • 転移性の非小細胞肺がんに対する全身性の化学療法、分子標的療法または生物学的製剤の前治療歴がある患者
    注:術前/術後補助療法として化学療法および/または放射線療法を受けており、転移性の非小細胞肺がんと診断される6か月以上前に当該療法を完了している場合は許容される
  • ペムブロリズマブや他の抗PD-1/PD-L1/PD-L2抗体、レンバチニブや他のRTK阻害剤、または他の補助刺激性もしくは共抑制性T細胞受容体を標的とした薬剤の治療歴がある患者
  • 治験薬初回投与前14日以内に放射線療法を受けたまたは治験薬初回投与前6か月以内に30Gyを超える胸部への放射線療法を受けた患者
    注:放射線療法に関連したすべての毒性から回復しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと。中枢神経系以外に対する緩和的放射線療法の場合は、1週間のウォッシュアウト終了後の組入れが許容される
  • 治験薬初回投与前7日以内に全身性ステロイド療法他の免疫抑制剤による治療を受けた患者
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 現在他の治験に参加し、治験薬の投与を受けている患者、または治験薬初回投与前4週間以内に他の治験に参加し、治験薬の投与を受けたもしくは治験用の医療機器を使用した患者
  • 心電図異常の既往または合併がある患者
  • マルチゲートスキャンまたは心エコーで測定した左室駆出率が治験実施医療機関の基準値を下回る患者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称転移性非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に1次治療としてレンバチニブ(E7080/MK-7902)の併用又は非併用下でペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ(MK-3475)を投与した際の安全性及び有効性を評価する第III相無作為化プラセボ対照試験(LEAP-006試験)
試験の概要本試験の目的は転移性非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に1次治療としてレンバチニブ(E7080/MK-7902)の併用又は非併用下でペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ(MK-3475)を投与した際の安全性及び有効性を評価する
本試験の主要仮説は、以下である:レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法は、プラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法と比較してPFS(BICR がRECIST 1.1に基づき評価)を延長させる。レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法は、プラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法と比較してOS を延長させる
疾患名非扁平上皮非小細胞肺癌
試験薬剤名ペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+レンバチニブ
用法・用量カルボプラチンAUC5 mg/mL/min Q3W又はシスプラチン 75 mg/m2 Q3W+ ペメトレキセド500 mg/m2 Q3W+ペムブロリズマブ 200 mg Q3W+レンバチニブ8 mg QDを4コース、そのとしてペメトレキセド500 mg/m2 Q3W+ペムブロリズマブ 200 mg Q3W+レンバチニブ8 mg QD 。ペムブロリズマブは合計35コース(約2年)まで投与可能
対照薬剤名ペメトレキセド+プラチナ製剤+ペムブロリズマブ+プラセボ
用法・用量カルボプラチンAUC5 mg/mL/min Q3W又はシスプラチン 75 mg/m2 Q3W+ ペメトレキセド500 mg/m2 Q3W+ペムブロリズマブ 200 mg Q3W+プラセボ QDを4コース、その後ペメトレキセド500 mg/m2 Q3W+ペムブロリズマブ 200 mg Q3W+プラセボ QD 。ペムブロリズマブは合計35コース(約2年)まで投与可能。プラセボはパート2のみ
試験のフェーズフェーズ3 / phase3
試験のデザイン無作為割付、並行群間、多施設共同、二重盲検
目標症例数726
適格基準
  • 組織学的又は細胞学的に非扁平上皮非小細胞肺癌と診断され、IV期[American Joint Committee on Cancer(AJCC)分類第8版又は最新版]の病変を有する患者
  • 1次治療としてEGFR阻害剤、ALK阻害剤又はROS1阻害剤の適応にならないことが確認された患者(EGFR感受性遺伝子変異陰性、並びにALK及びROS1遺伝子転座陰性又はKRAS変異陽性であることが判明した患者)
  • RECIST1.1に基づく測定可能病変を有する患者
    注:放射線が照射された測定可能と考えられる腫瘍病変は、放射線療法の完了後にその病変で増大が確認できれば測定可能病変(標的病変として選択可能)とする
  • 放射線照射を受けていない腫瘍病変から採取した保存検体若しくは新たに採取したコア又は切除生検検体を提出し、中央検査機関によるPD-L1検査が評価可能な患者
  • 3ヵ月以上の生存が見込まれる患者
  • 治験薬初回投与前7日以内かつ無作為割付け前のECOG PSが0又は1の患者
  • 投与期間中、並びにペムブロリズマブ又はレンバチニブ/プラセボの最終投与後少なくとも120日間及び化学療法剤の最終投与後少なくとも180日間、治験実施計画書に詳述する避妊法を使用することに同意した男性患者。男性患者は以下についても同意しなければならない
    (1)異性間性交渉をしないことが患者の日常生活で適切な避妊法であり、患者にとって好ましい避妊方法である(長期的及び継続的に異性間性交渉をしない)場合は、継続して異性間性交渉をしないことに同意すること
    (2)無精子症(精管切除術又は医学的理由による)が確認されている場合を除き、以下の避妊法を使用する
    現在妊娠していない妊娠可能な女性との性交時、男性用コンドーム使用に加えて、女性パートナーが別の避妊法を使用すること
    注:妊娠中又は授乳中のパートナーがいる男性は、継続的に異性間性交渉をしないこと、又は性交時に必ずコンドームを使用することに同意しなければならない
  • 妊娠しておらず、授乳中でなく、かつ以下の条件のいずれかを満たす女性患者:
    (1)妊娠可能な女性に該当しない
    (2)使用者に依存しにくい極めて有効な避妊法(失敗率:年1%未満)を使用する、又は異性間性交渉をしないことが患者の日常生活で適切な避妊法である(長期的及び継続的に異性間性交渉をしない)場合は、投与期間中及び治験薬の最終投与後少なくとも120日間、異性間性交渉をしないことに同意する妊娠可能な女性
  • 適切な臓器機能を有する患者
  • 高血圧治療薬の使用有無を問わず、血圧が十分にコントロールされている患者(血圧が150/90mmHg以下であり、無作為割付け前1週間以内に高血圧治療薬の変更がない)
    注:コントロール不良の高血圧症(標準的な医学的管理にもかかわらず4週間を超えて血圧が150/90mmHgを超える)の既往歴を有する患者は除外する
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 未治療の中枢神経系への転移又は癌性髄膜炎を有する患者。脳転移の治療を受けた患者で、画像評価で脳転移が安定している、すなわち、再画像評価により少なくとも4週間以上PDが認められず(再画像評価はスクリーニング期に実施すること)、臨床的に安定し、かつステロイドを少なくとも治験薬初回投与前14日以内に使用していない場合、組入れ可能
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者
  • 画像上明らかな主要血管への腫瘍の浸潤のある患者
  • 他の悪性腫瘍の既往歴を有する患者。ただし、根治的治療により治療開始から3年以上無再発の患者は除く
    注:悪性腫瘍の3年以上の無再発は、本治験への組み入れ対象の非小細胞肺癌は該当しない。また、外科的に治癒した皮膚の基底細胞癌、表在性膀胱癌、皮膚の扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌、又は他の上皮内癌の場合も該当しない
  • 過去2年以内に全身性の治療(疾患修飾薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤)を要した活動性の自己免疫疾患を有する患者。ただし、補充療法(チロキシン、インスリン、又は副腎不全若しくは下垂体不全に対する生理的用量のコルチコステロイド補充療法など)は使用可能である
  • 免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法(プレドニゾロン換算で10mg/日超)や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 同種組織/臓器の移植歴を有する患者
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往を有する患者。規制当局により必須とされていない場合にはHIV検査を実施する必要はない
  • B型肝炎の合併(HBs抗原陽性又はHBVDNA陽性)が確認されている又はC型肝炎の合併[HCVRNA(定性)陽性又はHCV抗体陽性(HCVRNA検査が実施地域の標準的な手順でない場合)]が確認されている患者。規制当局により必須とされていない場合にはB型肝炎及びC型肝炎検査を実施する必要はない
  • 経口製剤の消化吸収を妨げると治験担当医師が判断する消化管状態又は処置歴を有する患者
  • 治験薬初回投与前2週間以内に喀血(ティースプーン半杯以上の鮮血)のあった患者
  • 治験薬初回投与前12ヵ月以内に重大な心血管系の機能不全[New York Heart Association(NYHA)ClassIIを超えるうっ血性心不全、不安定狭心症、心筋梗塞又は脳血管障害/脳卒中若しくは不安定な血行動態に伴う不整脈等]の既往を有する患者
  • 活動性の結核の既往を有する患者
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
  • 大手術を受けた後、治験薬初回投与前までに前治療による毒性又は合併症から十分に回復していない患者
  • 過去にモノクローナル抗体の投与で重度の過敏症反応が認められた患者、又はレンバチニブ若しくはペムブロリズマブ(該当する場合、カルボプラチン、シスプラチン若しくはペメトレキセド)の成分に対する過敏症を有する患者
  • 妊娠中又は授乳中の女性患者、若しくはスクリーニング時来院からペムブロリズマブ又はレンバチニブ/プラセボの最終投与後120日及び化学療法剤の最終投与後180日までに妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
  • 転移性の非小細胞肺癌に対する全身性の化学療法、分子標的療法又は生物学的製剤の前治療歴を有する患者
    注:術前/術後補助療法として化学療法及び/又は放射線療法を受けており、転移性の非小細胞肺癌と診断される6ヵ月以上前に当該療法を完了している場合は許容される
  • ペムブロリズマブや他の抗PD-1/PD-L1/PD-L2抗体、レンバチニブや他のRTK阻害剤、又は他の補助刺激性若しくは共抑制性T細胞受容体(CTLA-4、OX-40、CD137、GITR等)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者
  • 治験薬初回投与前14日以内に放射線療法を受けた又は治験薬初回投与前6ヵ月以内に30Gyを超える胸部への放射線療法を受けた患者
    注:放射線療法に関連したすべての毒性から回復(Grade1以下)しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと。中枢神経系以外に対する緩和的放射線療法(放射線療法の期間が2週間以下)の場合は、1週間のウォッシュアウト終了後の組入れが許容される
  • 治験薬初回投与前7日以内に全身性ステロイド療法(プレドニゾロン換算で10mg/日超)他の免疫抑制剤による治療を受けた患者
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 現在他の治験に参加し、治験薬の投与を受けている患者、又は治験薬初回投与前4週間以内に他の治験に参加し、治験薬の投与を受けた若しくは治験用の医療機器を使用した患者
  • 治験担当医師が臨床的に意味があると判断した心電図異常の既往又は合併を有する患者
  • マルチゲートスキャン(MUGA)又は心エコーで測定した左室駆出率(LVEF)が治験実施医療機関の基準値を下回る患者
主要な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
主要な評価方法パート1:レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法の安全性及び忍容性を評価する
用量制限毒性(DLT)、有害事象及び有害事象による治験薬の投与中止
パート2:盲検下の中央画像判定機関(BICR)が固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST)1.1に基づき評価した無増悪生存期間(PFS)を、レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する
PFSは無作為割付けから最初に記録された疾患進行(PD)又は原因を問わない死亡のいずれか早い時点までの期間と定義する
OSは無作為割付けから原因を問わない死亡までの期間と定義する
パート2:全生存期間(OS)をレンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する
OSは無作為割付けから原因を問わない死亡までの期間と定義する
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
副次的な評価方法パート2:BICRがRECIST1.1に基づき評価した奏効率(ORR)を、レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する
奏効は完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)と定義する
パート2:BICRがRECIST1.1に基づき評価した奏効期間をレンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する。奏効期間は、CR又はPRが確定した患者で最初にCR又はPRが記録された時点から、PD又は原因を問わない死亡のいずれか早い時点までの期間と定義する
パート2:安全性及び忍容性をレンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する
有害事象及び有害事象による治験薬の投与中止
パート2:Global Health Status/生活の質(QOL)、咳嗽、胸痛、呼吸困難及び身体機能のベースラインからの平均変化量を、レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する
以下の患者アンケート(PRO)評価尺度及び項目のスコア:Global Health Status/QOL[European Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)Quality of Life Questionnaire-Core 30 items(QLQ-C30)の項目29及び項目30]、咳嗽[EORTC Quality of Life Questionnaire-Lung Cancer Module 13(QLQ-LC13)の項目31]、胸痛(EORTC QLQ-LC13の項目40)、呼吸困難(EORTC QLQ-C30の項目8)及び身体機能(EORTC QLQ-C30の項目1~5)
パート2:Global Health Status/QOL、咳嗽、胸痛、呼吸困難及び身体機能の真の悪化までの期間(TTD)を、レンバチニブ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群とプラセボ+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法群で比較する。・TTDは、Global Health Status/QOL(EORTC QLQ-C30の項目29及び項目30)、咳嗽(EORTC QLQ-LC13の項目31)、胸痛(EORTC QLQ-LC13の項目40)、呼吸困難(EORTC QLQ-C30の項目8)及び身体機能(EORTC QLQ-C30の項目1~5)がベースラインから最初に10ポイント以上減少するまでの期間と定義し、この10ポイント以上の減少は次の来院でも確認されることとする
予定試験期間2019年3月25日~2023年8月21日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより