ステージ3B~4Bの非小細胞肺がんに対するオシメルチニブの治験

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治験名

FLAURA2

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異がある局所進行または転移性非小細胞肺癌患者を対象に、一次治療におけるプラチナ製剤+ペメトレキセドの併用または非併用下でオシメルチニブの有効性および安全性を検討する第3相非盲検無作為化試験

治験概要:

EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がんに対する治験。根治的手術または放射線療法は適応外である患者さんが対象です。
オシメルチニブと白金製剤との2剤併用化学療法を比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、106人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化、並行群間、オープン。
試験群:オシメルチニブ
対照群:白金製剤との2剤併用化学療法
安全性、有効性、薬物動態などで評価します。

疾患解説:非小細胞肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。
特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

治験薬:オシメルチニブ

オシメルチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)をターゲットとした分子標的薬です。上皮成長因子(EGF)は、細胞の増殖や成長にかかわる物質で、細胞膜上に発現しているEGFRと結合することで細胞の分化や増殖などが起こります。EGFRの遺伝子に変異があると正常な分化や増殖がおこなわれず、がん化するといわれています。
オシメルチニブは、このEGFRを不可逆的に阻害します。同様にEGFRを阻害する分子標的薬には、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブがあます。このうちゲフィチニブ、エルロチニブは第1世代、アファチニブは第2世代のEGFR阻害薬です。第1世代、第2世代のEFGR阻害薬では、T790Mという耐性が起こり、薬の効果が減衰します。
オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異とともにこのT790耐性変異も阻害するように設計されており、中枢神経系への転移に対する活性もあります。

対照薬:ペメトレキセド

ペメトレキセドは、細胞分裂に必要な葉酸に構造が類似している葉酸代謝拮抗薬です。
葉酸代謝拮抗薬の中でも、3つの酵素を阻害し主要な葉酸代謝酵素経路を阻害することで、がん細胞の増殖を抑え強い抗腫瘍効果を発揮します。

対照薬:カルボプラチン

カルボプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。カルボプラチンは、シスプラチンの構造を変えることで吐き気や腎臓への障害、神経障害が軽減された第2世代の白金製剤です。

対照薬:シスプラチン

シスプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。シスプラチンは、第1世代の白金製剤です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 18歳以上、日本人は20歳以上の男女
  • 病理学的に確認された非扁平上皮型の非小細胞肺がん患者
  • ステージ3B、3Cまたはステージ4Aまたは4B、または再発非小細胞肺がんであり、根治的手術または放射線療法は適応外である者
  • EGFR-TKI感受性との関連性が知られており、多くみられる2つのEGFR変異(Ex19del、L858R)のうち1つが、単独または他のEGFR変異(T790Mなど)とともに認められる腫瘍がある者
  • 未治療の進行非小細胞肺がんが認められ、根治的手術療法または放射線療法が適応外である者
  • 全身状態(Performance Status:PS)が0~1であり、かつ直近2週間以内に臨床的に有意な重要な悪化が認められない者
  • Day1の時点で、12週間を超える生存が見込まれる者
  • 投与中、および投与終了後のある一定期間において、適切な避妊法を使用する意思のある者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 脊髄圧迫:症候性で安定していない脳転移がある者。ただし、根治治療が完了していてかつステロイド剤を服用しておらず、根治治療およびステロイド服用完了後2週間以上神経学的状態が安定している患者は、組入れ可
  • ILD、薬剤性ILD、ステロイド剤による治療を要した放射線性肺臓炎の既往がある者、または活動期ILDのエビデンスを認める者
  • 重度または管理が困難な全身性疾患がある者。例えば、試験責任医師により治験への参加が望ましくないと判断される者
  • QT延長、または心電図の心拍リズムに臨床的に重大な異常が認められる患者
  • 骨髄機能または臓器機能が不十分な患者
  • 難治性の悪心および嘔吐、慢性の胃腸疾患、製剤の嚥下困難、またはオシメルチニブの十分な吸収を不可能にする重大な腸切除歴のある患者
  • 進行非小細胞肺がんに対して、根治的手術または放射線療法以外の、化学療法、生物製剤療法、免疫療法、または他の治験薬等の全身抗癌剤治療による治療歴がある患者。補助療法および術前補助療法の治療歴がある者、または根治的放射線治療/化学放射線療法の治療歴がある患者は免疫療法、生物学的製剤療法および治験薬の投与有無に関わらず、対象疾患が再発する12か月以上前に治療が完了している場合に組入れ可
  • EGFR-TKIによる治療歴がある患者
  • 試験薬の初回投与4週間以内に、大手術を受けた患者。血管確保術、縦隔鏡下生検またはビデオ補助胸腔鏡手術による生検等の手技は許可される
  • 試験薬の初回投与前4週間以内に骨髄の30%超または広範囲照射の放射線療法を受けた患者
  • 試験薬の有効成分または賦形剤、もしくは試験薬と同様の化学構造またはクラスの薬剤に対する過敏症の病歴がある患者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異を有する局所進行又は転移性 非小細胞肺癌患者を対象に、一次治療におけるプラチナ製剤+ペメトレ キセドの併用又は非併用下でオシメルチニブの有効性及び安全性を検討 する第III 相非盲検無作為化試験
試験の概要EGFR変異(Ex19del及び/又はL858R)を有する局所進行又は転移性NSCLCの病勢進行に対して治療歴のない患者を対象に、オシメルチニブを白金製剤とペメトレキセドの併用化学療法との併用又は非併用下で使用する第III相非盲検無作為化国際共同試験
疾患名非小細胞肺癌
試験薬剤名オシメルチニブ
用法・用量80mg又は40mgを1日1回経口投与
対照薬剤名白金製剤との2剤併用化学療法
用法・用量ペメトレキセド500mg/m2+カルボプラチンAUC5、またはペメトレキセド500mg/m2+シスプラチン75mg/m2
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン無作為化、並行群間、オープン
目標症例数106
適格基準
  • 18歳以上(日本においては20歳以上)の男女
  • 病理学的に確認された非扁平上皮型のNSCLC患者
  • 新たに診断された局所進行(臨床ステージ:IIIB、IIIC)又は転移性NSCLC(臨床ステージ:IVA又はIVB)、又は再発NSCLCであり、根治的手術又は放射線療法は適応外である者
  • EGFR-TKI感受性との関連性が知られており、多くみられる2つのEGFR変異(Ex19del、L858R)のうち1つが、単独又は他のEGFR変異(T790M等)とともに認められる腫瘍を有する者
  • 未治療の進行NSCLCが認められ、根治的手術療法又は放射線療法が適応外である者
  • スクリーニング時のWHO PSが0~1であり、かつ直近2週間以内に臨床的に有意な重要な悪化が認められない者
  • Day1の時点で、12週間を超える生存が見込まれる者
  • 投与中、及び投与終了後のある一定期間において、適切な避妊法を使用する意思のある者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:女性
除外基準
  • 脊髄圧迫:症候性で安定していない脳転移を有する者。ただし、根治治療が完了していてかつステロイド剤を服用しておらず、根治治療及びステロイド服用完了後2週間以上神経学的状態が安定している患者は、組入れ可とする
  • ILD、薬剤性ILD、ステロイド剤による治療を要した放射線性肺臓炎の既往を有する者、又は活動期ILDのエビデンスを認める者
  • 重度又は管理が困難な全身性疾患を有する者。例えば、試験責任(分担)医師により治験への参加が望ましくないと判断される者
  • QT延長、または心電図の心拍リズムに臨床的に重大な異常が認められる患者
  • 骨髄機能又は臓器機能が不十分な患者
  • 難治性の悪心及び嘔吐、慢性の胃腸疾患、製剤の嚥下困難、又はオシメルチニブの十分な吸収を不可能にする重大な腸切除歴のある患者
  • 進行NSCLCに対して、根治的手術又は放射線療法以外の、化学療法、生物製剤療法、免疫療法、又は他の治験薬等の全身抗癌剤治療による治療歴がある患者。補助療法及び術前補助療法(化学療法、放射線療法、免疫療法、生物学的製剤療法、治験薬)の治療歴がある者、又は根治的放射線治療/化学放射線療法の治療歴がある患者は免疫療法、生物学的製剤療法及び治験薬の投与有無に関わらず、対象疾患が再発する12カ月以上前に治療が完了している場合に組入れ可とする
  • EGFR-TKIによる治療歴がある患者
  • 試験薬の初回投与4週間以内に、大手術を受けた患者。血管確保術、縦隔鏡下生検又はビデオ補助胸腔鏡手術(VATS)による生検等の手技は許可される
  • 試験薬の初回投与前4週間以内に骨髄の30%超又は広範囲照射の放射線療法を受けた患者
  • 試験薬の有効成分又は賦形剤、若しくは試験薬と同様の化学構造又はクラスの薬剤に対する過敏症の病歴を有する患者
主要な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
主要な評価方法
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
薬物動態/pharmacokinetics
副次的な評価方法
予定試験期間2019年7月1日~2026年3月31日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより