ステージ3B、3C、4のALK陽性非小細胞肺がんに対するブリガチニブの治験

治験名

日本人ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん患者を対象としたブリガチニブの単群多施設共同第2相試験

治験概要:

ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんに対する治験。ステージ3B、3C、4の日本人患者さんが対象です。
ブリガチニブを1日1回、食前または食後のいずれか投与し、有効性と安全性を評価する臨床試験です。
登録予定数は、110人。
フェーズは、2相臨床試験。
試験デザインは、非ランダム化、多施設共同、非盲検試験。
試験群:ブリガチニブ
で主要評価項目は、再燃例対象拡大パートのメインコホートにおける確定客観的奏効率、TKI未治療例対象拡大コホートの被験者における12か月時点無増悪生存期間、副次的評価項目は、再燃例対象拡大パートの全被験者およびTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における確定奏効率などで評価します。

疾患解説:非小細胞肺がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。
特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。

治験薬:ブリガチニブ

ブリガチニブは、ALK融合遺伝子を選択的に阻害する分子標的薬です。ALK融合遺伝子は、非小細胞肺がんの約5%の患者さんにみられます。ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんで、ALK阻害薬に対して抵抗性や不耐容がある患者さんに対して承認された第3世代のALK阻害薬です。
ALK融合遺伝子は、ALK遺伝子とほかの遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、ALK融合たんぱくをつくります。このたんぱく質の作用により、がん細胞を刺激することでがんの増殖、生存、血管新生が起こります。ブリガチニブは、ALK活性を抑制することで、がんの増殖や生存、血管新生を抑制します。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 将来の治療に不利益を被ることなく、いつでも同意を撤回できることを理解したうえで、治験に関連した手順を実施する前に、自由意思で書面による同意を示すことができる者
  • ステージIIIB、ステージIIICまたはステージIVの非小細胞肺がんであること
  • 以下で定めるALK融合遺伝子陽性の記録がある者
    安全性評価リードインパートおよび再燃例対象拡大パートでは以下の2つの基準のうちの1つを満たすこと:
    a. 以前の疾患経過期間のいずれかの時期にALK融合遺伝子陽性の記録がある。なお、ニチレイHistofine ALK iAEP キット“のみ”によりALK融合遺伝子陽性と判断された場合は、中央検査機関によるVysis ALK BreakApart FISH 検査に適切な腫瘍組織の提出を治験依頼者が要求することがある
    b. 以前の疾患経過期間のいずれかの時期に上記以外の検査によるALK融合遺伝子陽性の記録があり、かつ中央検査機関によるVysis ALK Break Apart FISH検査に適切な腫瘍組織を提出することが可能である。登録に先立ちALK融合遺伝子の中央検査の結果は必要ない。 TKI 未治療例対象拡大コホートでは以下の基準を満たすこと:
    日本の規制当局で承認されているALK遺伝子変異を確認するための検査(例、Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット、ニチレイHistofine ALK iAEPキット、Ventana ALK(D5F3)CDxアッセイなど)によるALK融合遺伝子陽性の記録があり、かつ依頼者が指定した時期に中央検査機関によるALK融合遺伝子検査用に適切な腫瘍組織を提出することが可能である。登録に先立ちALK融合遺伝子の中央検査の結果は必要ない
  • 再燃例対象拡大パートのみ:ALK阻害剤のいずれかの投与中または投与中止後30日以内に進行(PD)と判定されている者
    注1)再燃例対象拡大パートは、ALK阻害剤の治療歴に基づくメインコホートおよびサブコホートで構成される。メインコホートには、アレクチニブのみ、またはアレクチニブおよびクリゾチニブを投与された患者を47名登録する。サブコホートには他の組合せでALK阻害剤を2剤まで投与された患者を最大20名登録する
    注2)再燃例対象拡大パートのメインコホートに登録する患者は、アレクチニブ投与中または投与中止後30日以内にPDと判定されていること
  • 測定可能病変が1つ以上ある者
    注)放射線療法後に明確な画像による進行がない限り、放射線治療済病変を標的病変としないこと。以下の場合は脳病変を標的病変としないこと:
    1)3か月以内に放射線の全脳照射歴がある
    2)定位手術的照射(SRS)歴または外科的切除歴がある
  • 抗悪性腫瘍療法の前治療に関連する毒性が米国国立がん研究所の有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)第4.03版のGrade 1以下に回復した者
    注)投与に関連した脱毛症は許容される
  • 3か月以上の余命が期待できる者
  • 以下の基準を満たす適切な臓器および血液学的機能がある者:
    a.アラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼが基準値上限の2.5倍以下。ただし、アラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの上昇が、肝臓の転移性病変の存在によると考えられる場合、基準値上限の5倍まで許容される
    b. 血清総ビリルビンが基準値上限の1.5倍以下(ジルベール症候群の患者では基準値上限の3.0倍未満)
    c. 血清クレアチニンが基準値上限の1.5倍未満。クレアチニンの値が基準値上限の1.5倍以上の患者では、Cockcroft-Gault式でのクレアチニンクリアランス推定値が30mL/分以上の場合、患者を適格とする
    d. 血清リパーゼが基準値上限の1.5倍以下、および血清アミラーゼが基準値上限の1.5倍以下
    e. 好中球絶対数が1.5×10^9/L以上
    f. 血小板数が75×10^9/L以上
    g. ヘモグロビンが9g/dL以上
    h. 酸素療法を実施しない状態での経皮的酸素飽和度が94%以上
  • 全身状態(performance status:PS)が2以下である者
  • 以下の条件を満たす者:
    a. 女性の場合:
    スクリーニング開始前に1年以上の閉経状態にある。または、避妊手術を受けている。または、妊娠可能な女性は、同意取得時から治験薬最終投与4か月後まで1つの非常に効果的な非ホルモン避妊法と1つの有効なバリア法による避妊法を同時に2つ講じることに同意する。または、患者のライフスタイルに合致する場合は、同意取得時から治験薬最終投与4か月後まで性交渉を完全に避けることに同意する
    b. 男性の場合:
    試験治療期間中および治験薬の最終投与4か月後まで有効なバリア法による避妊を行うことに同意する。または、患者のライフスタイルに合致する場合は、試験治療期間中および治験薬最終投与4か月後まで性交渉を完全に避けることに同意する
  • 計画された来院日および治験手順に従う意思および能力のある者
  • 年齢:20歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 以下に該当する治療歴がある者
    再燃例対象拡大パートのみ:治験実施計画書で指定されていないALK阻害剤の治療歴がある者
    TKI未治療例対象拡大コホートのみ:TKIの治療歴がある者。ただし、TKIはALK阻害剤およびVEGFR阻害剤を含むがこれに限定されない
  • 再燃例対象拡大パートのみ:3剤以上のALK阻害剤の治療歴がある者
    注)安全性評価リードインパートでは組み入れ患者におけるALK阻害剤の前治療数を問わない。ただし、最初の3名のDLT評価可能な被験者のうちサイクル1の期間中のDLT発現が1名以下であったと治験責任医師または治験分担医師によって確認された後に、ALK阻害剤未治療の患者の登録を可能とする
  • 安全性評価リードインパートおよび再燃例対象拡大パートのみ:本剤の初回投与前7日以内にALK阻害剤の投与を受けた者
  • 局所進行性または転移性疾患に対する2レジメン以上の全身抗悪性腫瘍療法の治療歴がある者
    注)1サイクル以上投与された場合に1回の全身抗悪性腫瘍療法レジメンとカウントする。維持療法として使用された新規抗悪性腫瘍剤は、過去に初期の抗悪性腫瘍療法として使用されたことがある場合を除き、新規レジメンとしてカウントする。本剤初回投与の12か月前までに完了していない術前補助または術後補助全身抗悪性腫瘍療法は、前治療レジメンとしてカウントする
  • 本剤の初回投与前30日またはその有効成分の半減期の5倍以内に他の治験薬の投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前14日以内に化学療法または放射線療法を受けた者
  • 本剤の初回投与前30日以内に抗腫瘍モノクローナル抗体の投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前7日以内に強力なCYP3A阻害薬、強力または中程度のCYP3A誘導薬の全身投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前30日以内に大手術を受けた者。ただし、静脈内カテーテルまたは侵襲の少ない生検等の処置は除く
  • 非小細胞肺がん以外の原発性悪性腫瘍診断を受けた者。ただし、適切かつ根治的な治療が行われた以下を除く:非黒色腫皮膚がん、子宮頸がんin situ、限局性前立腺がん、または3年以上治癒状態にあるその他の悪性腫瘍がある者
  • スクリーニング時に症候性中枢神経系転移がある、または本剤の初回投与前7日以内に症状コントロール目的でのステロイド増量を必要とする無症候性中枢神経系転移がある者
    注)中枢神経系転移により患者の神経症状または徴候が悪化傾向にある場合、局所療法を実施し、本剤の初回投与前7日間にわたり神経学的に安定していなければならない
  • 脊髄圧迫がある者。無症候性の軟膜疾患があり、脊髄圧迫がない場合は可とする
  • 間質性肺疾患があるまたは既往のある者
  • 特に以下に示す顕著で、コントロール不良な、または活動性の心疾患がある者(以下に限定されない):
    a. 本剤初回投与前6か月以内の心筋梗塞
    b. 本剤初回投与前6か月以内の不安定狭心症
    c. 本剤初回投与前6か月以内のうっ血性心不全
    d. 適切な薬物治療の実施にもかかわらずコントロール不良な心房性不整脈
    e. 心室性不整脈の既往
    f. 本剤初回投与前6か月以内の脳血管障害または一過性脳虚血発作
  • コントロール不良な高血圧がある者。高血圧がある患者はスクリーニング時点で治療を開始しており、血圧が適切にコントロールされていなければならない
  • 進行中または活動性の感染症がある者
  • ヒト免疫不全ウイルス感染の既往がある者。既往がなければ検査を必要としない
  • B型肝炎ウイルス表面抗原陽性、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスの検出が確認されている者
    注)B型肝炎ウイルスコア抗体またはB型肝炎ウイルス表面抗体が陽性の患者は登録可能であるが、B型肝炎ウイルス量は検出限界未満でなくてはならない。C型肝炎ウイルス抗体陽性の患者も登録可能であるが、C型肝炎ウイルス量は検出限界未満でなくてはならない
  • 吸収不良症候群、または本剤の経口吸収に影響をおよぼす可能性のある他の胃腸疾患がある者
  • ブリガチニブまたは本剤の成分に対して過敏症の既往または疑いがある者
  • 授乳婦またはスクリーニング期間中に血清妊娠検査で陽性となった女性
    注)授乳中の女性は、授乳を中止したとしても除外する
  • 治験責任医師または治験分担医師により、患者の安全性を脅かすまたは本剤の評価を妨げる可能性のある状態または疾患があると判断された者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称日本人ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたBrigatinibの単群多施設共同第2相試験
試験の概要本治験の被験薬はbrigatinibであり、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性非小細胞肺癌患者に投与される。本治験はbrigatinibの有効性及び安全性を検討する。約110例の患者が登録され、被験者は非ランダム化、非盲検で登録される
-28日を1サイクルとし最初の7日間はBrigatinib 90mg、その後Brigatinib 180mgに増量し、1日1回投与
すべての被験者は試験期間中、brigatinib錠を1日1回、食前又は食後のいずれかで服用する。本治験は日本で実施される多施設共同試験で、治験参加期間はおよそ53ヵ月を予定している。被験者は治療期間および追跡調査期間に複数回来院する
疾患名進行期のALK融合遺伝子陽性NSCLC
試験薬剤名Brigatinib
用法・用量28日を1サイクルとし、最初の7日間を90mg(錠剤)、その後180mg(錠剤)に増量し、1日1回投与する
試験のフェーズフェーズ2(第2相臨床試験)
試験のデザイン非ランダム化、多施設共同、非盲検試験
目標症例数110
適格基準
  • 同意取得時に20歳以上の日本人男性又は女性
  • 将来の治療に不利益を被ることなく、いつでも同意を撤回できることを理解したうえで、治験に関連した手順(標準的な医療行為は除く)を実施する前に、自由意思で書面による同意を示すことができる者
  • 組織学的又は細胞学的に診断されたステージIIIB、ステージIIIC(局所的に進行又は再発し、根治的な集学的治療の対象とならない)又はステージIVのNSCLCであること
  • 以下で定めるALK融合遺伝子陽性の記録を有する者
    安全性評価リードインパート及び再燃例対象拡大パートでは以下の2つの基準のうちの1つを満たすこと:
    a. 以前の疾患経過期間のいずれかの時期にVysis ALK Break Apart FISHプローブキット、ニチレイHistofine ALK iAEPキット又はVentana ALK(D5F3)CDxアッセイ陽性結果によりALK融合遺伝子陽性の記録を有する。なお、ニチレイHistofine ALK iAEP キット“のみ”によりALK融合遺伝子陽性と判断された場合は、中央検査機関によるVysis ALK BreakApart FISH 検査に適切な腫瘍組織の提出を治験依頼者が要求することがある
    b. 以前の疾患経過期間のいずれかの時期に上記以外の検査によるALK融合遺伝子陽性の記録を有し、かつ中央検査機関によるVysis ALK Break Apart FISH検査に適切な腫瘍組織を提出することが可能である。登録に先立ちALK融合遺伝子の中央検査の結果は必要ない TKI 未治療例対象拡大コホートでは以下の基準を満たすこと:
    日本の規制当局で承認されているALK遺伝子変異を確認するための検査(例、Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット、ニチレイHistofine ALK iAEPキット、Ventana ALK(D5F3)CDxアッセイ、等)によるALK融合遺伝子陽性の記録を有し、かつ依頼者が指定した時期に中央検査機関によるALK融合遺伝子検査用に適切な腫瘍組織を提出することが可能である。登録に先立ちALK融合遺伝子の中央検査の結果は必要ない
  • 再燃例対象拡大パートのみ:ALK阻害剤のいずれかの投与中又は投与中止後30日以内に進行(PD)と判定されている者
    注1)再燃例対象拡大パートは、ALK阻害剤の治療歴に基づくメインコホート及びサブコホートで構成される。メインコホートには、アレクチニブのみ、又はアレクチニブ及びクリゾチニブ(使用の順序は問わない)を投与された患者を47名登録する。サブコホートには他の組合せでALK阻害剤を2剤まで投与された患者を最大20名登録する
    注2)再燃例対象拡大パートのメインコホートに登録する患者は、アレクチニブ投与中又は投与中止後30日以内にPDと判定されていること
  • RECIST第1.1版に基づく測定可能(標的)病変を1つ以上有する者
    注)放射線療法後に明確な画像による進行がない限り、放射線治療済病変を標的病変としないこと。以下の場合は脳病変を標的病変としないこと:1)3ヵ月以内に放射線の全脳照射(WBRT)歴を有する。2)定位手術的照射(SRS)歴又は外科的切除歴を有する
  • 抗悪性腫瘍療法の前治療に関連する毒性が米国国立癌研究所の有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)第4.03版のGrade 1以下に回復した者
    注)投与に関連した脱毛症は許容される
  • 3ヵ月以上の余命が期待できる者
  • 以下の基準を満たす適切な臓器及び血液学的機能を有する者:
    a.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が基準値上限(ULN)の2.5倍以下。ただし、ALT及びASTの上昇が、肝臓の転移性病変の存在によると考えられる場合、ULNの5倍まで許容される
    b. 血清総ビリルビンがULNの1.5倍以下(ジルベール症候群の患者ではULNの3.0倍未満)
    c. 血清クレアチニンがULNの1.5倍未満。クレアチニンの値がULNの1.5倍以上の患者では、Cockcroft-Gault式でのクレアチニンクリアランス推定値が30 mL/分以上の場合、患者を適格とする
    d. 血清リパーゼがULNの1.5倍以下、及び血清アミラーゼがULNの1.5倍以下
    e. 好中球絶対数(ANC)が1.5×10^9/L以上
    f. 血小板数が75×10^9/L以上
    g. ヘモグロビンが9 g/dL以上
    h. 酸素療法を実施しない状態での経皮的酸素飽和度(SpO2)が94%以上(酸素療法が必要な患者は除外する)
  • Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance statusが2以下である者
  • 以下の条件を満たす者:
    a. 女性の場合:
    スクリーニング開始前に1年以上の閉経状態にある。又は、
    避妊手術を受けている。又は、
    妊娠可能な女性は、同意取得時から治験薬最終投与4ヵ月後まで一つの非常に効果的な非ホルモン避妊法と一つの有効なバリア法による避妊法を同時に2つ講じることに同意する。又は、
    患者のライフスタイルに合致する(通常の生活習慣で性交渉をしない)場合は、同意取得時から治験薬最終投与4ヵ月後まで性交渉を完全に避けることに同意する〔周期的な禁欲法(例:カレンダー法、排卵法、基礎体温法、排卵後を考慮した避妊法等)、コンドームのみ、抜去法、殺精子剤のみの方法及び授乳性無月経を利用する方法は避妊の方法として適切ではない。女性と男性のコンドームは同時に使用しない。〕
    b. 男性の場合〔避妊手術(精管切除術)の有無にかかわらない〕:
    試験治療期間中及び治験薬の最終投与4ヵ月後まで有効なバリア法による避妊を行うことに同意する。又は、
    患者のライフスタイルに合致する(通常の生活習慣で性交渉をしない)場合は、試験治療期間中及び治験薬最終投与4ヵ月後まで性交渉を完全に避けることに同意する〔周期的な禁欲法(例:女性パートナーのカレンダー法、排卵法、基礎体温法、排卵後を考慮した避妊法等)、コンドームのみ、抜去法、殺精子剤のみの方法及び授乳性無月経を利用する方法は避妊の方法として適切ではない。女性と男性のコンドームは同時に使用しない。〕
  • 計画された来院日及び治験手順に従う意思及び能力のある者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 以下に該当する治療歴を有する者
    再燃例対象拡大パートのみ:治験実施計画書で指定されていないALK阻害剤の治療歴を有する者
    TKI未治療例対象拡大コホートのみ:TKIの治療歴を有する者。ただし、TKIはALK阻害剤及びVEGFR阻害剤を含むがこれに限定されない
  • 再燃例対象拡大パートのみ:3剤以上のALK阻害剤の治療歴を有する者
    注)安全性評価リードインパートでは組み入れ患者におけるALK阻害剤の前治療数を問わない(未治療も含む)。ただし、最初の3名のDLT評価可能な被験者のうちサイクル1の期間中のDLT 発現が1名以下であったと治験責任医師又は治験分担医師によって確認された後に、ALK阻害剤未治療の患者の登録を可能とする
  • 安全性評価リードインパート及び再燃例対象拡大パートのみ:本剤の初回投与前7日以内にALK阻害剤の投与を受けた者
  • 局所進行性又は転移性疾患に対する2レジメン以上(安全性評価リードインでは4レジメン以上)の全身抗悪性腫瘍療法(ALK阻害剤以外)の治療歴を有する者
    注)1サイクル以上投与された場合に1回の全身抗悪性腫瘍療法レジメンとカウントする。維持療法として使用された新規抗悪性腫瘍剤は、過去に初期の抗悪性腫瘍療法として使用されたことがある場合を除き、新規レジメンとしてカウントする。本剤初回投与の12ヵ月前までに完了していない術前補助又は術後補助全身抗悪性腫瘍療法は、前治療レジメンとしてカウントする
  • 本剤の初回投与前30日又はその有効成分の半減期の5倍(いずれか長い方)以内に他の治験薬の投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前14日以内に化学療法又は放射線療法(SRS又は体幹部定位放射線治療を除く)を受けた者
  • 本剤の初回投与前30日以内に抗腫瘍モノクローナル抗体の投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前7日以内に強力なCYP3A阻害薬、強力又は中程度のCYP3A誘導薬の全身投与を受けた者
  • 本剤の初回投与前30日以内に大手術を受けた者。ただし、静脈内カテーテル又は侵襲の少ない生検等の処置は除く
  • NSCLC以外の原発性悪性腫瘍診断を受けた者。ただし、適切かつ根治的な治療が行われた以下を除く:非黒色腫皮膚癌、子宮頸癌in situ、限局性前立腺癌、又は3年以上治癒状態にあるその他の悪性腫瘍を有する者
  • スクリーニング時に症候性中枢神経系(CNS)転移(実質又は軟髄膜)を有する、又は本剤の初回投与前7日以内に症状コントロール目的でのステロイド増量を必要とする無症候性CNS転移を有する者
    注)CNS転移により患者の神経症状又は徴候が悪化傾向にある場合、局所療法を実施し、本剤の初回投与前7日間にわたり神経学的に安定していなければならない(症状コントロールのためのステロイド増量又は抗けいれん薬使用を必要としない)
  • 脊髄圧迫を有する者(症候性又は無症候性で、X線画像により検出)。無症候性の軟膜疾患を有し、脊髄圧迫を有さない場合は可とする
  • 間質性肺疾患(ILD)(間質性肺臓炎、肺臓炎、放射線肺臓炎、薬剤性肺臓炎、器質化肺炎及び肺胞隔炎を含む)を有する又は既往のある者
  • 特に以下に示す顕著で、コントロール不良な、又は活動性の心疾患を有する者(以下に限定されない):
    a. 本剤初回投与前6ヵ月以内の心筋梗塞
    b. 本剤初回投与前6ヵ月以内の不安定狭心症
    c. 本剤初回投与前6ヵ月以内のうっ血性心不全
    d. 適切な薬物治療の実施にもかかわらずコントロール不良な心房性不整脈
    e. 心室性不整脈(心室性頻脈、心室細動又はトルサード・ド・ポアント等)の既往(心室性期外収縮を有する者は可)
    f. 本剤初回投与前6ヵ月以内の脳血管障害又は一過性脳虚血発作
  • コントロール不良な高血圧を有する者。高血圧を有する患者はスクリーニング時点で治療を開始しており、血圧が適切にコントロールされていなければならない
  • 進行中又は活動性の感染症を有する者〔抗生物質の静脈内投与を要する(これに限定されない)〕
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往がある者。既往がなければ検査を必要としない
  • B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)陽性、B型肝炎ウイルス(HBV)又はC型肝炎ウイルス(HCV)の検出が確認されている者
    注)B型肝炎ウイルスコア抗体(HBcAb)又はB型肝炎ウイルス表面抗体(HBsAb)が陽性の患者は登録可能であるが、HBV量は検出限界未満でなくてはならない。HCV抗体陽性の患者も登録可能であるが、HCV量は検出限界未満でなくてはならない
  • 吸収不良症候群、又は本剤の経口吸収に影響を及ぼす可能性のある他の胃腸疾患を有する者
  • Brigatinib又は本剤の成分に対して過敏症の既往又は疑いがある者
  • 授乳婦又はスクリーニング期間中に血清妊娠検査で陽性となった女性
    注)授乳中の女性は、授乳を中止したとしても除外する
  • 治験責任医師又は治験分担医師により、患者の安全性を脅かす又は本剤の評価を妨げる可能性のある状態又は疾患を有すると判断された者
主要な評価項目有効性/efficacy
主要な評価方法再燃例対象拡大パートのメインコホートにおける確定客観的奏効率(ORR)
評価期間:最長23ヵ月まで
治験薬投与開始後に、固形がんの治療効果判定規準(RECIST)第1.1版に基づく独立画像評価委員会(IRC)判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)への到達が確認された被験者の割合
主要な評価項目有効性/efficacy
主要な評価方法 TKI未治療例対象拡大コホートの被験者における12ヵ月時点のPFS rate
評価期間:最長36ヵ月まで
治験薬投与開始後12ヶ月時点のRECIST 第1.1版に基づくIRC 判定によるPFSイベント(進行[PD]または死亡[死因を問わない])を有さない被験者の割合
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法安全性評価リードインパート、再燃例対象拡大パートの全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における確定ORR
評価期間:最長53ヵ月まで
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価項目再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における奏効期間(DOR)
評価期間:最長53ヵ月まで
RECIST第1.1版に基づくIRC判定によるDOR。最初の客観的奏効(CR又はPR)の判定から、その後最初の客観的PDの判定又は死亡(死因を問わない)のいずれか早い方までの期間
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における無増悪生存期間(PFS)
評価期間:最長53ヵ月まで
RECIST第1.1版に基づくIRC判定によるPFS。治験薬投与開始から最初の客観的PDの判定又は死亡(死因は問わない)のいずれか早い方までの期間
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における病勢コントロール率(DCR)
評価期間:最長53ヵ月まで
RECIST第1.1版に基づくIRC判定によるDCR。RECIST第1.1版を用いたCR若しくはPR到達、又は治験薬投与開始後6週間以上にわたり安定(SD)となり最良総合効果が確定した被験者の割合
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における奏効までの期間
評価期間:最長53ヵ月まで
RECIST第1.1版に基づくIRC判定による奏効までの期間。CR/PRが確定した被験者における、治験薬の初回投与日から最初のCR又はPRの判定までの期間
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における全生存期間(OS)
評価期間:最長53ヵ月まで
OSは本剤投与開始から死亡日までの期間
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における中枢神経系(CNS)の奏効
評価期間:最長53ヵ月まで
頭蓋内有効性評価のための改変RECIST第1.1版に基づくIRC判定によるCNSの奏効[測定可能なCNS転移を有する被験者での頭蓋内客観的奏効率(iORR)及び頭蓋内奏効期間(iDOR)、並びに全被験者での頭蓋内無増悪生存期間(iPFS)]。治験薬投与開始後に、頭蓋内CNSにおいて改変RECIST第1.1版に基づくIRC判定によるCR又はPRに到達した被験者の割合
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート並びに再燃例対象拡大パートにおける全被験者及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における治療期間
評価期間:最長53ヵ月まで
治療期間は本剤の初回投与から最終投与までの期間
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法安全性評価リードインパート、再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における確定ORR
評価期間:最長53ヵ月まで
治験薬投与開始後に、RECIST第1.1版に基づく治験責任医師又は治験分担医師判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)への到達が確認された被験者の割合
副次的な評価項目有効性/efficacy
副次的な評価方法安全性評価リードインパート、再燃例対象拡大パートにおけるメインコホート及びTKI未治療例対象拡大コホートの被験者における健康関連QOL(HRQOL)スコア及び肺癌症状に関する患者報告アウトカム(PRO)
評価期間:最長53ヵ月まで
HRQOLスコア及び肺癌症状に関するPRO[European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)生活の質に関する質問票(QLQ)-C30(第3.0版)及び肺癌モジュールQLQ-LC13並びに5-level version of the EuroQol 5-dimensional questionnaire(EQ-5D-5L)による評価]。これらの質問票は患者の健康状態、症候、障害に関するもので、被験者が質問に回答する。EORTC QLQ-30は30の質問(28個:4段階:1:まったくない~4:とても多い、2個:7段階:1:とても悪い、7:とてもよい)から成る。QLQ-LC13は13の質問(4段階:1:まったくない~4:とても多い)、EQ-5D-5Lは5分野(移動の程度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、不安/ふさぎ込み)で25の質問(チェック式)とEQ VASの2部で構成されている。EQ VASは、最も悪い健康状態を0ポイント、最も良い健康状態を100ポイントとした20cmの垂直の視覚的尺度に、回答者の自己評価による健康状態を記録する
副次的な評価項目薬物動態/pharmacokinetics
副次的な評価方法 Cmax:サイクル1の1日目及び22日目におけるBrigatinibの最高血漿中濃度
評価期間:サイクル1の1日目及び22日目の投与前及び投与後の各時点(0.5、1、2、4、6、8、12、24、最長24時間まで
副次的な評価項目薬物動態/pharmacokinetics
副次的な評価方法Tmax:サイクル1の1日目及び22日目におけるBrigatinibのCmax到達時間
評価期間:サイクル1の1日目及び22日目の投与前及び投与後の各時点(0.5、1、2、4、6、8、12、24、最長24時間まで)
副次的な評価項目薬物動態/pharmacokinetics
副次的な評価方法AUC:サイクル1の1日目及び22日目におけるBrigatinibの血漿中濃度−時間曲線下面積
評価期間:サイクル1の1日目及び22日目の投与前及び投与後の各時点(0.5、1、2、4、6、8、12、24、最長24時間まで
予定試験期間2018/01/29~2022/05/31

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより