試験の名称 |
TKI抵抗性EGFR遺伝子変異陽性の転移性非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)患者を対象としたペメトレキセド及びプラチナ製剤にMK-3475又はプラセボを併用投与する二重盲検、無作為化、第III相試験(KEYNOTE-789) |
試験の概要 |
本治験は、TKI抵抗性EGFR遺伝子変異陽性の転移性NSCLC(非扁平上皮癌)患者を対象に、MK-3475+ペメトレキセド+プラチナ製剤と生理食塩水プラセボ+ペメトレキセド+プラチナ製剤を比較し効果と安全性を評価する試験である。対象患者は1) T790M遺伝子変異陰性で、TKI(オシメルチニブを含む)が無効、2) T790M遺伝子変異陽性で、オシメルチニブ治療歴を有する、3) T790M遺伝子変異の有無にかかわらず、オシメルチニブによる初回治療が無効の患者を含む
この試験の主要仮説はペムブロリズマブ+化学療法は生理食塩水プラセボ+化学療法よりも、1) RECIST 1.1に基づき盲検化された中央画像判定機関 が評価した無増悪生存期間(PFS) 、2) 全生存期間(OS)が優れていることである
ペムブロリズマブ+化学療法のPFS又はOSが生理食塩水プラセボ+化学療法より優れていれば、本治験の主要目的は達成したとみなす |
疾患名 |
転移性NSCLC(非扁平上皮癌) |
試験薬剤名 |
MK-3475、ペメトレキセド、カルボプラチン、シスプラチン |
用法・用量 |
ペムブロリズマブ:200mgを各コース1日目に3週間間隔で静脈内投与、・ペメトレキセド:500mg/m2を3週間間隔で静脈内投与、・カルボプラチン:AUC5を3週間間隔(1~4コース)で静脈内投与、・シスプラチン:75mg/m2を3週間間隔(1~4コース)で静脈内投与 |
対照薬剤名 |
プラセボ、ペメトレキセド、カルボプラチン、シスプラチン |
用法・用量 |
プラセボ:200mgを各コース1日目に3週間間隔で静脈内投与、・ペメトレキセド:500mg/m2を3週間間隔で静脈内投与、・カルボプラチン:AUC5を3週間間隔(1~4コース)で静脈内投与、・シスプラチン:75mg/m2を3週間間隔(1~4コース)で静脈内投与 |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
無作為化、並行群間、二重盲検試験、治療 |
目標症例数 |
480 |
適格基準 |
- 組織学的又は細胞学的にNSCLC(非扁平上皮癌)と診断され病期がIV期である患者
- EGFR活性化遺伝子変異(すなわちDEL19又はL858R)が確認された患者
- EGFR TKI治療後にRECIST 1.1に基づき治験担当医師が画像評価で疾患進行と判定した患者
- a) 第一又は第二世代のEGFR TKI(例:エルロチニブ/アファチニブ/ゲフィチニブ)による治療歴を有する患者では、EGFR T790M 遺伝子変異陰性であることを確認する必要がある
- b) 第一又は第二世代のEGFR TKI(例:エルロチニブ/アファチニブ/ゲフィチニブ)による治療歴を有し、T790M獲得変異が確認された患者は、オシメルチニブによる治療が無効になった後で組み入れできる
- c) オシメルチニブの初回治療が無効になった患者は、EGFR T790M遺伝子変異の有無にかかわらず適格である
- 治験実施医療機関の治験担当医師/放射科医による評価で、RECIST 1.1に基づく測定可能 病変を有する患者
- 保存腫瘍組織検体又は過去に放射線照射を受けていない部位から新たに採取したコア生検 又は切除生検検体(生検後に抗腫瘍治療を行っていないこと)を提出可能な患者
- 3ヵ月以上の生存がみこめる患者
- 無作為化前かつ治験薬初回投与前7日以内にECOG performance status が0又は1の患者
- 男性患者は、投与期間中及びMK-3475の最終投与後少なくとも120日間かつ化学療法薬の最終投与後180日までの間、避妊法を使用することに同意しなければならない
- 妊娠しておらず、授乳中ではなく、投与期間中及びMK-3475の最終投与後少なくとも120日間かつ化学療法薬の最終投与後180日まで、避妊法を使用することに同意した女性患者
- 適切な臓器機能を有する患者
- 年齢:18歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- 組織学的に扁平上皮細胞癌が大部分を占めるNSCLC患者。混合型の場合は、より多くを占める細胞型で分類する。小細胞癌の要素が存在する場合は不適格である
- 症候性の腹水又は胸水を有する患者。ただし、治療(胸腔穿刺又は穿刺による治療を含む)により、臨床的に安定している患者は適格である
- 症候性の腹水又は胸水を有する患者。ただし、治療(胸腔穿刺又は穿刺による治療を含む)により、臨床的に安定している患者は適格である
- 転移性NSCLCに対してEGFR TKIを除く全身性の細胞傷害性化学療法又は治験薬による治療歴を有する患者
- 1) 術前補助療法/術後補助療法の一環としての化学療法又は放射線療法の前治療は、転移性NSCLCの診断の少なくとも6ヵ月前に完了していれば、許容される
- 2) 大手術を受けていた場合は、治験薬初回投与前に前治療による毒性又は合併症から回復していること
- 3) 漢方薬等による治療歴を有する場合は、治験薬初回投与の少なくとも4週間前までに投与を中止すること
- 治験薬初回投与前2週間以内に放射線療法を受けた患者。放射線療法に関連したすべての毒性から回復しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと。中枢神経系(CNS)以外に対する緩和的放射線療法(放射線療法の期間が2週間以下)の場合は、1週間のウォッシュアウト終了後の組入れが許容される
- 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
- 現在他の治験薬の治験に参加している、又は治験薬初回投与前4週間以内に他の治験薬の治験に参加した若しくは治験用の医療機器を用いた患者
- 免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与前7日以内に長期全身性のステロイド療法(プレドニゾロン換算で10mg/日超)や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
- 過去5年以内に進行性又は治療が必要な他の悪性腫瘍を有する患者。注:根治的治療を受けた皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、表在性膀胱癌、上皮内がん(例:上皮内乳癌及び子宮頸部上皮内癌)の患者は組入れ可能である
- 未治療の活動性のCNSへの転移又は癌性髄膜炎を有する患者
- MK-3475又は治験薬の添加剤に対する重度(Grade3以上)の過敏症を有する患者
- シスプラチン、カルボプラチン又はペメトレキセドのあらゆる成分に対する過敏症の既往を有する患者
- 過去2年以内に全身性の治療を要した活動性の自己免疫疾患を有する患者
- 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者
- 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
- HIV感染の既往を有する患者
- B型肝炎又は活動性のC型肝炎を有する患者
- 活動性の結核の既往を有する患者。(結核菌、Bacillus tuberculosis)
- 妊娠中又は授乳中の女性患者、若しくはスクリーニング時来院からMK-3475最終投与後120日かつ化学療法薬最終投与後180日までに妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
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主要な評価項目 |
固形がんの治療効果判定のためのガイドライン1.1(RECIST 1.1)に基づき評価された、無増悪生存期間(PFS)。約32か月まで |
主要な評価方法 |
PFSを評価する
PFSは、無作為化から最初に記録された疾患進行(PD)又は原因を問わない死亡のうちいずれか早い方の時点までの期間とする。PFSは盲検化された中央画像判定機関(BICR)がRECIST1.1を用いて評価する。RECIST 1.1に基づく疾患進行はベースラインの標的病変における径和の増加(最小の径和と比較して、20%以上かつ5mm以上の増加)と定義される。注意:1つ以上の新病変の出現はPDとされる |
主要な評価項目 |
全生存期間(OS)。約59か月まで |
主要な評価方法 |
OSを評価する
OSは、無作為化から原因を問わない死亡が確認された時点までの期間として定義される。解析時点で死亡が確認されていない患者は、最終連絡が確認された日で打ち切りとする |
副次的な評価項目 |
奏効率(ORR)。約32か月まで |
副次的な評価方法 |
ORRを評価する
ORRは、RECIST 1.1に基づき評価された完全奏効(CR:すべての標的病変の消失)又は部分奏効(PR:標的病変の径和の少なくとも30%の減少)に達した患者の割合として定義される |
副次的な評価項目 |
奏効期間(DOR)。約32か月まで |
副次的な評価方法 |
DORを評価する
DORは、RECIST 1.1に基づきBICRが奏効を最初に確認した日から、PD又は原因を問わない死亡のうちいずれか早い方までの期間と定義する |
副次的な評価項目 |
EORTC QLQ-C30の全般的健康状態(第29項目)及びQOL尺度(第30項目)のベースラインから12週後及び27週後の変化 |
副次的な評価方法 |
EORTC QLQ-C30の全般的健康状態を評価する
EORTC QLQ-C30は30の項目からなるがん患者特有のQOL評価法である |
副次的な評価項目 |
真の悪化までの時間(TTD)はEORTCにおける咳嗽、胸痛、又は呼吸困難について評価する |
副次的な評価方法 |
TTDは、以下の複合評価項目について、ベースラインから2回目の10ポイント以上の悪化を確認した際に、最初に10ポイント以上の悪化を確認した時点とする。咳嗽[EORTCQLQ- Lung Cancer Module 13(LC13) 第1項目]、胸痛(EORTC QLQ-LC13 第10項目)、又は呼吸困難(EORTCQLQ-LC30 第8項目)。個々に4ポイント尺度で評価され(1=全くない;4=非常に多い)、低いスコアの方が評価がよい |
予定試験期間 |
2018年7月1日~2023年5月1日 |