ステージ3B、4のEGFR野生型非小細胞肺がんに対するカプマチニブの治験
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治験名
EGFR野生型の進行性非小細胞肺がん成人患者を対象としたc-MET阻害剤カプマチニブ経口投与による多施設共同第2相試験
治験概要:
EGFR野生型、ALK転座陰性の進行性非小細胞肺がんに対する治験。ステージ3Bまたは4の患者さんが対象です。 c-MET阻害剤カプマチニブ経口投与し、有効性と安全性を評価する臨床試験です。 登録予定数は、38人。 フェーズは、2相臨床試験。 試験デザインは、非盲検、4コホート、多施設共同。 試験群:カプマチニブ経口投与 奏効率、奏功持続期間、奏効到達期間、全生存率、無増悪生存期間、安全性などで評価します。疾患解説:非小細胞肺がん
国立がん研究センターのがん統計によると2014年に肺がんに罹患した人は、約11万5000人です。男性は、50代くらいから増加し始め、70歳前後をピークに、その後は減少します。女性は、80代前半までは同様ですが、80代後半に再び増加します。 肺がんは、気管支や肺胞の細胞ががん化した悪性腫瘍で、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つの組織型に分けられます。非小細胞肺がんは、さらに扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3つに分類されます。このうち腺がんが肺がん全体の60%を占め、次いで扁平上皮がん、大細胞がんと小細胞肺がんの割合な少なくなります。 特に非小細胞肺がんでは特定の遺伝子変異にあわせた治療薬ができたことで、治療法も異なるため、組織型や遺伝子変異を見極めることが必要になっています。治験薬:カプマチニブ
カプマチニブは、c-MET遺伝子を選択的に阻害する分子標的薬です。 MET遺伝子は、肝細胞増殖因子(HGF)と結合する受容体チロシンキナーゼで、がん細胞で過剰発現がみられるがん遺伝子の1つです。 MET遺伝子とHGFが結合すると、細胞増殖や運動性を増加させるシグナルを活性化し、腫瘍の形成や悪性化に関連があると考えられています。 カプマチニブは、c-MET遺伝子を阻害することで、HGFとの結合を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)
パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。 ECOG パフォーマンスステータスPS 0 | 全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える |
PS 1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業 |
PS 2 | 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす |
PS 3 | 限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
PS 4 | 全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす |
出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)
Karnofsky パフォーマンスステータススコア | 患者の状態 | |
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない | 100 | 正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし |
90 | 軽い臨床症状はあるが、正常活動可能 | |
80 | かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能 | |
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする | 70 | 自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能 |
60 | 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要 | |
50 | 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要 | |
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある | 40 | 動けず、適切な医療および看護が必要 |
30 | 全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない | |
20 | 非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要 | |
10 | 死期が切迫している | |
0 | 死 |
スコア | 患者の状態 |
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0 | 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える |
1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など |
2 | 歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす |
3 | 限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
4 | 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす |
5 | 死亡 |
出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より
治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。
試験概要詳細
試験の名称 | EGFR野生型の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者を対象としたc-MET阻害剤INC280経口投与による多施設共同第II相試験 |
試験の概要 | EGFR野生型、ALK転座陰性の進行性非小細胞肺癌患者を対象に、INC280の安全性及び有効性を検討する |
疾患名 | 非小細胞肺がん |
試験薬剤名 | INC280 |
用法・用量 | INC280として1回400mgを1日2回、連日経口投与する |
対照薬剤名 | |
用法・用量 | |
試験のフェーズ | フェーズ2(第2相臨床試験) |
試験のデザイン | 非盲検、4コホート、多施設共同 |
目標症例数 | 38 |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | ORR DOR、TTR、DCR、PFS、OS、Safety、PK |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2015年7月1日~2019年4月1日 |