ステージ3B/C、4の悪性黒色腫に対するニボルマブ、イピリムマブの治験
治験の募集状況は、「医薬品情報データベース 臨床試験情報」ページでご確認ください。
治験名
CheckMate 238
完全切除後の再発リスクが高いステージ3BCまたはステージ4の悪性黒色腫患者を対象とした、ニボルマブとイピリムマブによる補助免疫療法の第3相ランダム化二重盲検比較試験
治験概要:
完全切除後の再発リスクが高い悪性黒色腫に対する治験。ステージ3B/Cまたは4の患者さんが対象です。
ニボルマブ+プラセボとイピリムマブ+プラセボを比較して、再発を防ぐためにどちらが有効かを無再発生存期間や全生存期間などで評価する臨床試験です。
登録予定数は、800人。
フェーズは、3相臨床試験。
試験デザインは、ランダム化二重盲検比較試験。
試験群:ニボルマブ+プラセボ
試験群:イピリムマブ+プラセボ
無再発生存期間、全生存期間などで評価します。
疾患解説:悪性黒色腫
国立がん研究センターのがん統計によると2017年に皮膚がんに罹患した人は、約1600人です。悪性黒色腫は、皮膚がんの一種で、メラニン色素を作るメラノサイトががん化したもので、白人に多く、日本人では10万人あたり1~2人といわれています。男女差はなく、男女ともに60歳くらいから高齢になるに従い増加傾向にあります。
紫外線、外的刺激などが誘因といわれますが、はっきりとした発症原因は不明です。
悪性黒色腫の早期症状には、非対称性、輪郭がギザギザしている、色むら、長径が6mm以上、色・形・症状が変化しているという5つの特徴があります。
見た目や顕微鏡による観察、予後の観点から悪性黒子型、表在拡大型、結節型、末端黒子型の4つの病型に分類されます。このうち、悪性黒子型は高齢者多く、日本人にもっと多いのが末端黒子型で、白人に多い表在拡大型も近年日本人にも増加しています。
治験薬:ニボルマブ
ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:イピリムマブ
イピリムマブは、抗CTLA-4抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。 免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。
最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。 イピリムマブは、がん細胞を攻撃する活性化T細胞とT細胞を制御する制御性T細胞状に発現するCTLA-4と抗原提示細胞状に発現しているCD80とCD86との結合を阻害することで、がんを攻撃するT細胞を増強します。また、がん細胞を攻撃するT細胞を抑制する制御性T細胞を抑制することで、がん免疫反応を促進させます。

主な治験参加条件
対象となる人 |
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対象とならない人 |
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治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
※ここに掲載した多くの情報は、JAPIC-CTIやUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。
試験概要詳細
試験の名称 | 完全切除後の再発リスクが高いステージ3b/c又はステージ4の悪性黒色腫患者を対象とした、ニボルマブとイピリムマブによる補助免疫療法の第3相ランダム化二重盲検比較試験 |
試験の概要 | 悪性黒色腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの有効性を無再発生存期間に基づき比較検討する |
疾患名 | 悪性黒色腫 |
試験薬剤名 | イピリムマブ |
用法・用量 | 静脈内投与 |
試験薬剤名 | ニボルマブ |
用法・用量 | 静脈内投与 |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | ランダム化二重盲検比較試験 |
目標症例数 | 800 |
適格基準 |
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除外基準 |
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主要な評価項目 | 無再発生存期間 |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | 全生存期間 |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2015年3月1日~2020年6月1日 |