試験の名称 |
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象にダラツムマブの皮下投与と静脈内投与を比較検討する第3相ランダム化多施設共同試験 |
試験の概要 |
ダラツムマブと組換えヒトヒアルロニダーゼPH20の皮下投与配合剤(Dara-SC)が、ダラツムマブ静脈内投与製剤(Dara-IV)に対して、全奏効率(ORR)に関して非劣性であることを示す、及びDara-SCがDara-IVに対して、最高トラフ濃度(Ctrough)に関して非劣性であることを示す |
疾患名 |
多発性骨髄腫 |
試験薬剤名 |
ダラツムマブSC |
用法・用量 |
各治療サイクルは28日間とする。治験薬は、サイクル1及び2には週1回投与、サイクル3~6には隔週投与、その後は4週間ごとに投与する。すべての投与は外来で行う。Dara-SC群には固定用量のDara-SC1、800mgを皮下投与する |
対照薬剤名 |
ダラツムマブIV |
用法・用量 |
各治療サイクルは28日間とする。治験薬は、サイクル1及び2には週1回投与、サイクル3~6には隔週投与、その後は4週間ごとに投与する。すべての投与は外来で行う。Dara-IV群には、体重に基づく用量であるDara-IV16mg/kgを静脈内持続投与する |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
ランダム化、非盲検 |
目標症例数 |
480 |
適格基準 |
- 1レジメン以上の前治療に対し、奏効のエビデンスが得られている(IMWG規準に従った医師の奏効判定でPR以上)
- 治療期間中、PI(2サイクル又は2カ月間以上の投与)及びIMiD(2サイクル又は2カ月間以上の投与)を含む3ライン以上の前治療を、順番を問わず受けている(最初の2サイクル/2カ月以内に、重症アレルギー反応のためにこれらの投与を中止した患者を除く)。1ラインの治療とは、1種又は複数の薬剤から構成されることもあり、また導入療法、造血幹細胞移植及び維持療法を含むこともある。放射線療法、ビスホスホネート製剤又は1回の短期間コルチコステロイド治療(デキサメタゾン40mg/日の4日間投与に相当する治療以下)は、前治療のラインとは判断しない。又は、PI及びIMiDの両方に難治性であること。2種類以上のPIが投与された患者の場合、その疾患は直近のPIによる治療に難治性である必要がある。同様に、2種類以上のIMiDが投与された患者の場合、その疾患は直近のIMiDによる治療に難治性である必要がある
- 国際骨髄腫作業部会(IMWG)の診断基準に従い多発性骨髄腫が診断されている
- スクリーニング時に、以下のいずれかで定義される測定可能病変が認められる:
血清Mタンパク濃度1.0g/dL以上又は尿中Mタンパクが200mg/24時間以上
血清又は尿中に測定可能病変がない軽鎖型多発性骨髄腫:血清免疫グロブリンFLCが10mg/dL以上、かつ血清免疫グロブリンκ/λFLC比の異常
- ECOG Performance Statusスコアが0、1又は2
- 妊娠の可能性がある女性はランダム化前14日以内のスクリーニング時に、尿又は血清妊娠検査で陰性であること
- 年齢:20歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- ダラツムマブの投与又は他の抗CD38治療の治療歴を有する
- ランダム化日前、2週間又は薬物の薬物動態学的半減期の5倍の期間のいずれか長い方の期間、抗骨髄腫治療を受けている。唯一の例外は、投与前の短期のコルチコステロイドの緊急使用[デキサメタゾン40mg/日に相当する治療を最長4日間]である
- ランダム化日前12週間以内に自家造血幹細胞移植を受けている、又は同種造血幹細胞移植を受けている(時期は問わない)
- 本治験中、疾患の進行前に幹細胞移植を受ける予定がある(これらの患者は移植前の疾病負荷低下のために組み入れるべきではない)
- 多発性骨髄腫以外の悪性腫瘍の既往がある(悪性腫瘍のすべての治療が同意の2年以上前に完了し、かつ悪性腫瘍を示すエビデンスが認められない場合は除く。若しくは皮膚の扁平上皮及び基底細胞癌、又は子宮頸部又は乳房の上皮内癌、若しくは、既に治癒して3年以内の再発リスクが極めて低いと治験担当医師と治験依頼者のメディカルモニターが一致して判断したその他の非浸潤性病変を除く)
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主要な評価項目 |
全奏効率(ORR) |
主要な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)
治験中又は治験治療終了後に国際骨髄腫作業部会(IMWG)の効果 |
主要な評価項目 |
IMWG基準(PR) |
主要な評価方法 |
血清Mタンパクが50%以上減少し、なおかつ24時間尿中Mタンパク量が90%以上減少するか、200mg/24時間未満まで減少
血清と尿中Mタンパクが測定可能でない場合には、Mタンパク規準の代わりにinvolved/uninvolved FLC比が50%以上減少している必要がある
血清と尿中Mタンパクが測定可能病変でなく、なおかつ、血清遊離軽鎖値も測定可能でない場合には、Mタンパク規準の代わりに骨髄中PCが50%以上減少していることを必要とする(ただし治療前の骨髄中PCが30%以上の場合のみ)
上記の規準に加えて、ベースライン時に軟部形質細胞腫が存在した場合には、測定可能病変の長径と短径の積和が50%以上減少していることも必要条件とする |
主要な評価項目 |
最高トラフ濃度(サイクル3Day1の投与前) |
主要な評価方法 |
サイクル3(各サイクルは28日)Day1の投与前の血清中ダラツムマブ濃度と定義される |
副次的な評価項目 |
インフュージョン・リアクション(IRR)の発現割合 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)
インフージョン・リアクションが発現した被験者の割合 |
副次的な評価項目 |
無増悪生存期間(PFS) |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
ランダム化日から疾患進行(PD)日又は死亡(全死因を含む)のいずれか早い方までの期間と定義される
IMWG基準(PFS)
最小値に比して、下記のいずれかが25%以上の増加
血清Mタンパク値(ただし絶対値にして0.5g/dL以上であること)
血清Mタンパク値(ただし絶対値にして200mg/24時間以上であること)
血清若しくは尿中Mタンパクが測定可能でない場合はinvolved FLCとuninvolved
FLCの差(ただし絶対値で10mg/dL超の増加であること)
血清若しくは尿中Mタンパクが測定可能病変でなく、かつFLC濃度が測定可能病変でない場合は骨髄中PC%(ただし絶対値で10%以上の増加であること)
骨髄中PC%(ただし絶対値で10%超の増加であること)
明らかな新規の骨病変出現又は軟部形質細胞腫の出現、又は既存の骨病変や軟部形質
細胞腫の明らかな増大
高カルシウム血症の出現(補正血清カルシウム値>11.5mg/dLで、純粋に骨髄腫に起因すると判断できる場合 |
副次的な評価項目 |
Very good partial response(VGPR)以上の奏効率 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
VGPR以上の奏効率とは、治験期間中又は治験終了後に以下のIMWG基準(VGPR、CR、sCR)を満たした被験者の割合と定義される
IMWG基準(VGPR)
血清と尿中Mタンパクが免疫固定法では検出されるが、電気泳動では検出されないか、又血清Mタンパクが90%以上減少し、尿中Mタンパクも100mg/24時間未満まで減少
IMWG基準(CR)
免疫固定法にて血清と尿中のMタンパクがともに陰性化、なおかつ軟部形質細胞腫の消失、なおかつ骨髄中PCが5%未満
IMWG基準(sCR) CR、更にFLC比正常、なおかつ免疫組織化学、免疫蛍光検査、若しくは2~4カラーフローサイトメトリーにてclonalPCを証明しない |
副次的な評価項目 |
Complete response(CR)以上の奏効率 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
IMWG基準(CR)
免疫固定法にて血清と尿中のMタンパクがともに陰性化、なおかつ軟部形質細胞腫の消失、なおかつ骨髄中PCが5%未満
IMWG基準(sCR)
CR、更にFLC比正常、なおかつ免疫組織化学、免疫蛍光検査、若しくは2~4カラーフローサイトメトリーにてclonal PCを証明しない |
副次的な評価項目 |
次治療開始までの期間(TNT) |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
ランダム化日から次の抗悪性腫瘍治療開始までの期間と定義される |
副次的な評価項目 |
全生存期間(OS) |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
ランダム化日から死亡日までの期間と定義される |
副次的な評価項目 |
治療に対する患者報告満足度 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
がん治療満足度質問票(改変版)(改変CTSQ)の9項目中7項目の回答の平均値として定義される
改変CTSQは、治療満足度に固有の9項目を含めて、IV投与と皮下投与を比較できるようにした。治療満足度のドメインスコアを、7項目に基づき算出する。各項目では、5ポイントの語句評価スケール(1:まったくない5:いつも)を用いて直近のがん治療について質問する
スコアは平均値として、0-100のスケールに変換され、より高い得点はより良い健康を意味する |
副次的な評価項目 |
奏効持続期間 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
最初の奏効が確認された日から、疾患進行又は死亡日までの期間と定義される |
副次的な評価項目 |
奏効までの期間 |
副次的な評価方法 |
480症例のランダム化後6カ月(およそ2年)及びランダム化後約18カ月(およそ3年)の時点
ランダム化日から、最初の奏効が確認された日までの期間と定義される |
予定試験期間 |
2017年12月11日~2020年9月30日 |