再発または難治性の多発性骨髄腫患者に対するベネトクラクスの治験
治験の募集状況は、「jRCT 臨床研究等提出・公開システム」ページでご確認ください。
治験名
t(11;14) 陽性の再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象にベネトクラクスおよびデキサメタゾン併用投与をポマリドミドおよびデキサメタゾン併用投与と比較する多施設共同無作為化非盲検第3相試験
治験概要:
再発または難治性の多発性骨髄腫に対する治験。t(11;14) 陽性の患者さんが対象です。 ベネトクラクス+デキサメタゾン併用療法とポマリドミド+デキサメタゾン併用療法を比較する臨床試験です。 フェーズは、第3相臨床試験。 試験群:ベネトクラクス+デキサメタゾン併用療法 対照群:ポマリドミド+デキサメタゾン併用療法 を比較します。疾患解説:多発性骨髄腫
国立がん研究センターのがん統計によると、2014年に多発性骨髄腫と診断された人は、男性3488人女性3075人、合計6563人です。高齢者に多い病気なので、高齢者が増えている日本では増加しています。かつては人口10万人当たり3人ほどでしたが、現在は10万人あたり5人以上と増加傾向にあります。 多発性骨髄腫は抗体を作る形質細胞ががん化する病気で、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変などの症状が起きる病気です。赤血球、血小板、白血球など血液を構成する細胞のうちの白血球の1つであるB細胞から分化して作られる形質細胞ががん化することで起こります。 形質細胞ががん化してできた骨髄腫細胞は、骨髄内で異常に増殖するため、正常な造血機能が抑えられてしまいます。そのため、赤血球が不足すると貧血が起き、白血球が不足すると感染症、血小板の不足は出血するなどのさまざまな症状が起きます。 新規薬剤の登場により、多発性骨髄腫は長期間にわたって病気をコントロールすることが可能になっています。治験薬:ベネトクラクス
ベネトクラクスは、BCL-2 タンパク質と選択的に結合し阻害する分子標的薬です。 血液がんや他のがんではBCL-2 が過剰発現していることがあります。このBCL-2が過剰発現していると、抗がん薬などでがん細胞を攻撃しても、細胞死や自己破壊を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2 タンパク質を標的とすることで、がん細胞で失われた細胞死や自己破壊の過程を回復させ、細胞死を誘導する作用があります。治験薬:デキサメタゾン
デキサメタゾンは、ステロイド系抗炎症薬の1つです。原因に関係なく炎症反応や免疫反応を抑制するお薬です。対照薬:ポマリドミド
ポマリドミドは、セレブロンというたんぱく質と結合して効果を示す免疫調整薬です。免疫調整薬は、サイトカイン産生調整作用や造血器腫瘍細胞の増殖抑制作用、血管新生阻害作用をもつ薬剤です。 ポマリドミドとセレブロンが結合すると細胞内の遺伝子発現を変化させ、がん細胞の増殖を抑制します。また、免疫細胞に働きかけることで免疫を賦活させる作用もあります。 現在、多発性骨髄腫に対する免疫調整薬は、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミドの3剤ありますが、ポマリドミドは、ボルテゾミブやレナリドミドの抵抗性になっても効果が確認されています。主な治験参加条件
対象となる人 |
---|
|
治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。 治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。 治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。 がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと ※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。
試験概要詳細
試験の名称 | t(11;14) 陽性の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象にベネトクラクス及びデキサメタゾン併用投与をポマリドミド及びデキサメタゾン併用投与と比較する多施設共同無作為化非盲検第III相試験 |
試験の概要 | t(11;14) 陽性の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象にベネトクラクス及びデキサメタゾン併用投与の安全性及び有効性をポマリドミド及びデキサメタゾン併用投与と比較する |
疾患名 | 多発性骨髄腫 |
試験薬剤名 | ABT-199 |
用法・用量 | 食後 |
対照薬剤名 | |
用法・用量 | |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | |
目標症例数 | |
適格基準 |
|
除外基準 | |
主要な評価項目 | |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | 2018年5月1日~2021年10月31日 |