再発または難治性の多発性骨髄腫に対するパノビノスタット+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用の治験

治験名

再発または再発かつ難治性の日本人多発性骨髄腫患者を対象としたパノビノスタットとボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法に関する有効性および安全性を評価する単群、非盲検、多施設共同第2相試験

治験概要:

再発または難治性の多発性骨髄腫に対する治験。再発治療が必要な日本人患者さんが対象です。
パノビノスタット+ボルテゾミブ+デキサメタゾンを併用した場合、有効性や安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、33人。
フェーズは、2相臨床試験。
試験デザインは、単群、非盲検、多施設共同。
試験群:パノビノスタット+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用
で主要評価項目は有効性、副次的評価項目は安全性、薬物動態で評価します。

疾患解説:多発性骨髄腫

国立がん研究センターのがん統計によると、2014年に多発性骨髄腫と診断された人は、男性3488人女性3075人、合計6563人です。高齢者に多い病気なので、高齢者が増えている日本では増加しています。かつては人口10万人当たり3人ほどでしたが、現在は10万人あたり5人以上と増加傾向にあります。
多発性骨髄腫は抗体を作る形質細胞ががん化する病気で、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変などの症状が起きる病気です。赤血球、血小板、白血球など血液を構成する細胞のうちの白血球の1つであるB細胞から分化して作られる形質細胞ががん化することで起こります。
形質細胞ががん化してできた骨髄腫細胞は、骨髄内で異常に増殖するため、正常な造血機能が抑えられてしまいます。そのため、赤血球が不足すると貧血が起き、白血球が不足すると感染症、血小板の不足は出血するなどのさまざまな症状が起きます。
新規薬剤の登場により、多発性骨髄腫は長期間にわたって病気をコントロールすることが可能になっています。

治験薬:パノビスタット

パノビノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する分子標的薬です。
白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などのがん細胞ではHDACが異常に活性化することで、がん化が促進します。
パノビスタットは、HDACを阻害することで、ヒストンと非ヒストンたんぱく質のアセチル化を促進し、細胞周期の停止や細胞死を起こさせ抗腫瘍効果を発揮します。

治験薬:ボルテゾミブ

ボルテゾミブは、プロテアソームという酵素を阻害する第1世代のプロテアソーム阻害薬です。
がん細胞が増殖するために分裂するとき、さまざまなたんぱく質が関与しています。細胞分裂が終わると、そうしたたんぱく質が不要になるため、プロテアソームという酵素が分解しています。
ボルテゾミブは、このプロテアソームという酵素を阻害することで、がん細胞が分裂したときに発生する不要なたんぱく質を分解させず、がん細胞に蓄積させていきます。不要なたんぱく質が蓄積したがん細胞は、分裂することができなくなり、やがて細胞死が誘導されます。
プロテアソーム阻害薬は、第1世代のボルテゾミブ、第2世代のカルフィルゾミブ、第3世代のイキサゾミブの3剤があります。このうち、ボルテゾミブとカルフィルゾミブは注射剤ですが、イキサゾミブは経口薬です。

治験薬:デキサメタゾン

デキサメタゾンは、ステロイド系抗炎症薬の1つです。原因に関係なく炎症反応や免疫反応を抑制するお薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 過去に多発性骨髄腫と診断された患者
  • 多発性骨髄腫の再治療を要する患者
  • スクリーニング検査時に血清M蛋白または尿中のM蛋白が一定の基準を満たす患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • これまでのすべての多発性骨髄腫に対する治療の施行中において進行がみられた患者
  • ボルテゾミブを用いた前治療に対し抵抗性を示した患者
  • ボルテゾミブまたはデキサメタゾンもしくはこれらの薬剤の成分に対し不耐容を示すか、これらの薬剤が禁忌である患者
  • パノビノスタットを含む脱アセチル化酵素阻害薬による前治療歴がある患者
  • 心機能障害がある患者
  • 妊娠中または授乳中の患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称再発又は再発かつ難治性の日本人多発性骨髄腫患者を対象としたパノビノスタットとボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法に関する有効性及び安全性を評価する単群、非盲検、多施設共同第II相試験
試験の概要本治験は,再発又は再発かつ難治性の日本人多発性骨髄腫患者を対象として、パノビノスタットをボルテゾミブ及びデキサメタゾンと併用したときの有効性及び安全性を検討する
疾患名多発性骨髄腫
試験薬剤名パノビノスタット乳酸塩(LBH589)
用法・用量経口
試験のフェーズフェーズ2(第2相臨床試験)
試験のデザイン単群、非盲検、多施設共同
目標症例数33
適格基準
  • 過去に多発性骨髄腫と診断された患者
  • 多発性骨髄腫の再治療を要する患者
  • スクリーニング検査時に血清M蛋白又は尿中のM蛋白が一定の基準を満たす患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • これまでのすべての多発性骨髄腫に対する治療の施行中において進行がみられた患者
  • ボルテゾミブを用いた前治療に対し抵抗性を示した患者
  • ボルテゾミブ又はデキサメタゾンもしくはこれらの薬剤の成分に対し不耐容を示すか、これらの薬剤が禁忌である患者
  • パノビノスタットを含む脱アセチル化酵素阻害薬による前治療歴を有する患者
  • 心機能障害を有する患者
  • 妊娠中又は授乳中の患者
主要な評価項目有効性
主要な評価方法
副次的な評価項目安全性、薬物動態
副次的な評価方法
予定試験期間2014/09/01~2017/12/31

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより