試験の名称 |
3又は4ラインの前治療歴を有する進行・再発性の高悪性度漿液性上皮性卵巣癌、卵管癌又は原発性腹膜癌の日本人患者を対象としてniraparibの有効性及び安全性を評価する、第2相、多施設共同、非盲検、単群試験 |
試験の概要 |
本治験の被験薬はNiraparibであり、相同組換え修復欠損(HRD)陽性で3又は4ラインの化学療法歴のある進行・再発性の高悪性度漿液性上皮性卵巣癌、卵管癌又は原発性腹膜癌の日本人患者に投与される。本治験はNiraparibの有効性及び安全性を評価する
本治験の予定被験者数は、約16例である。被験者はNiraparibカプセルを、毎日ほぼ同じ時間に服用する
– Niraparib 300mg
この多施設共同試験は日本で実施され、全体の治験期間は約23ヵ月である。被験者は治験薬投与期間及び治験薬最終投与後の追跡調査期間に実施医療機関に複数回来院する |
疾患名 |
卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌 |
試験薬剤名 |
Niraparib |
用法・用量 |
Niraparib 300mgカプセルを1サイクル28日として1日目から28日目まで1日1回経口投与する |
対照薬剤名 |
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用法・用量 |
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試験のフェーズ |
フェーズ2(第2相臨床試験) |
試験のデザイン |
多施設共同、非盲検、単群 |
目標症例数 |
20 |
適格基準 |
- 同意取得時に20歳以上の日本人女性患者
- 将来の治療に不利益を被ることなく、いつでも同意を撤回できることを理解したうえで、治験に関連した手順(標準的な医療行為は除く)を実施する前に、自由意思で書面による同意を示すことができる患者
- 腫瘍HRD検査の実施に同意しかつ治験依頼者が選定した測定機関で実施した腫瘍HRD検査で陽性を示す患者[乳癌遺伝子(BRCA)遺伝子病的変異又は病的変異の疑いあり、あるいはゲノム不安定性が陽性と定義]
注1:HRD検査結果は本試験への登録前に受領しなければならない。同意取得後でかつ患者が他の選択除外基準に合致すると考えられる場合、HRD検査用の腫瘍検体はスクリーニング期間前に(投与開始日の40日前から)提出してもよい
注2:本試験前に既に実施されていた生殖細胞系列BRCA(gBRCA)検査にてgBRCA変異が陽性の場合は、本試験への登録前に腫瘍HRD検査結果を要しないが、HRD検査自体は実施を要する
- 高悪性度(Grade 2又は3)の漿液性上皮性卵巣癌、卵管癌又は原発性腹膜癌と組織学的に診断され、化学療法治療歴があり、再発病変を有する患者で、直近のプラチナ製剤を含む治療で最終日から少なくとも6ヵ月間疾患の進行がみられなかった患者
- 3又は4ラインの化学療法歴がある患者。治験薬投与開始4週間前までに最後の抗悪性腫瘍薬物療法を終了していなければならない
- 固形がんの治療効果判定基準(RECIST、第1.1版)に基づく測定可能病変を1つ以上有する患者
- Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG) performance statusが1以下の患者
- 適切な臓器機能が保たれており、臨床検査値が以下の基準に合致する患者:
a. 好中球絶対数:1,500/μL以上
b. 血小板数:150,000/μL以上
c. ヘモグロビン値:10g/dL以上
d. 血清クレアチニン値が基準値上限(ULN)の1.5倍以下、又はCockcroft-Gault推算式によるクレアチニンクリアランス値が50mL/分以上
e. 総ビリルビン値がULNの1.5倍以下、又は直接ビリルビン値がULN以下
f. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT):ULNの2.5倍以下、肝転移を有する場合はULNの5倍以下
- 原発又は再発腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋組織標本がある、あるいは試験開始前に腫瘍新鮮材料による生検実施が可能な患者
- 治験薬の経口投与が可能な患者
- 妊娠可能な場合、治験薬投与開始前7日以内の血清妊娠反応[ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ(β-hCG)]が陰性の患者
- 以下の条件を満たす女性
a. スクリーニング開始前に1年以上の閉経状態にある。又は、
b. 避妊手術を受けている。又は、
c. 妊娠可能な女性は、同意取得時から治験薬最終投与180日後まで一つの非常に効果的な避妊法と一つの有効なバリア法による避妊法を同時に2つ講じることに同意する。又は、
d. ライフスタイルに合致する(通常の生活習慣で性交渉をしない)場合は、性交渉を完全に避けることに同意する[周期的な禁欲法(例:カレンダー法、排卵法、基礎体温法、排卵後を考慮した避妊法等)、コンドームのみ、抜去法、殺精子剤のみの方法及び授乳性無月経を利用する方法は避妊の方法として適切ではない。女性と男性のコンドームは同時に使用しない。]
- 年齢:20歳以上
- 性別:女性
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除外基準 |
- 治験薬投与開始前1週間以内に、骨髄の20%を超える範囲に緩和的放射線療法を受けた患者
- 直近の化学療法中に4週間を超えて持続するGrade3以上の血液毒性が認められた患者
- 直近の化学療法中に4週間を超えて持続するGrade3以上の疲労(fatigue)が認められた患者
- 治験薬投与開始前1年以内に、原発又は再発病変に対する治療の目的で、骨盤放射線療法を受けた患者
- 症候性でコントロール不良の脳転移又は軟膜髄膜転移を有する患者。コントロール良好と判断されるためには、登録の1ヵ月以上前に中枢神経病変に対し放射線治療や外科治療が実施されていなければならない。中枢神経病変に関連した新規又は進行性の臨床徴候がなく、ステロイドは登録の4週間以上前から一定の用法・用量で投与されているか、全く投与されていない状態であること。ベースライン時に脳転移がないことを確定する画像診断は要しない。脊髄圧迫病変を有する患者は、当該病変に対する確実な治療を受けかつ28日間にわたり臨床的な安定を示唆する根拠がある場合に、登録可能とする
- 治験薬又はその関連化合物の成分に対して過敏症である患者
- 過去にポリ(アデノシン二リン酸[ADP]-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤の投与を受けた患者
- 初回投与前28日以内又は治験薬の半減期の5倍のいずれか長い方の期間に、他の何らかの治験薬の投与を受けた患者
- 初回投与前3週間以内に大手術(治験医師の判断による)を施行した患者。患者は大手術のあらゆる影響から回復していなければならない
- 登録前24ヵ月以内に、卵巣癌以外の浸潤性悪性腫瘍の診断、検出又は治療を受けた患者(確実に治療された皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌を除く)。ただし、骨髄異形成症候群(MDS)又は急性骨髄性白血病(AML)の既往歴若しくは現病歴がある場合は、罹患時期に関わらず除外とする
- コントロール不良の重篤な疾患、非悪性全身性疾患、又はコントロール不良の活動性感染症により、医学的リスクが高いと考えられる患者。例として以下が含まれるが、これらに限定されない:コントロール不良の心室性不整脈、最近(初回投与前90日以内)発現した心筋梗塞、コントロール不良の大発作てんかん性疾患、不安定脊髄圧迫病変、上大静脈症候群、腸閉塞又は他の重篤な胃腸疾患、同意書への署名の妨げとなる何らかの精神障害
- 治験薬投与開始前4週間以内に輸血(血小板又は赤血球)を受けた患者
- 治験薬投与開始前4週間以内に生ウイルス及び細菌ワクチンの投与を受けた患者
- 治験結果に影響を及ぼす、若しくは全治験期間にわたる患者の治験参加の妨げとなる、又は患者の治験参加が最善の利益とはならない、何らかの疾患、治療又は臨床検査値異常[活動性又はコントロール不良の骨髄抑制(貧血、白血球減少、好中球減少又は血小板減少)等]を有する患者
- 同意取得時に何らかの不法な薬物の常用者(娯楽目的での使用を含む)である、又は最近(過去1年以内に)薬物若しくはアルコール乱用の既往がある患者
- 妊娠中若しくは授乳中の女性、又は予定される治験期間内に妊娠を予定している女性。ただし、授乳中の女性が授乳を中止した場合は、登録可能とする
- 免疫抑制状態にある患者(脾臓摘出を受けた患者は許容される)
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性が既知の患者
- B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)陽性、又は活動性のC型肝炎ウイルス(HCV)の感染が既知若しくは疑われる患者
注:B型肝炎コア抗体(HBcAb)又はB型肝炎表面抗体(HBsAb)を有する患者は登録可能であるが、B型肝炎ウイルス(HBV)は検出限界未満でなければならない。C型肝炎ウイルス抗体(HCVAb)陽性の患者はHCVが検出限界未満でなければならない
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主要な評価項目 |
有効性 / efficacy |
主要な評価方法 |
全奏効率(ORR)
評価期間:約23ヵ月
ORRとは、治験担当医師によるRECIST(第1.1 版)に従った評価で完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)を達成した被験者の割合と定義する。CR:すべての標的病変の消失。PR:ベースライン径和に比して、標的病変の径和が30%以上減少 |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
奏効期間(DOR)
評価期間:約23ヵ月
DORとは、CR又はPR(いずれか早く記録された方)の測定基準に適合した日から、疾患の再発又は進行が客観的に記録された最初の日までの期間と定義する |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
疾患制御率(DCR)
評価期間:約23ヵ月
DCRとは、治験担当医師によるRECIST(第1.1 版)に従った評価で、CR、PR又は安定(SD)を達成した被験者の割合と定義する。SD:経過中の最小の径和に比して、PRに相当する縮小がなく進行(PD)に相当する増大がない。PD:経過中の最小の径和(ベースライン径和が経過中の最小値である場合、これを最小の径和とする)に比して、標的病変の径和が20%以上増加、かつ絶対値で5 mm以上増加 |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
治験薬投与後に発現した有害事象(TEAE)が認められた被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月)
有害事象(AE)とは、治験に登録された患者又は被験者において、治験期間中に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとであり、必ずしも当該医薬品の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない。TEAEとは治験薬投与開始後に発現した有害事象とする |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
Grade 3以上のTEAEが認められた被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月)
有害事象の重症度を米国国立がん研究所(NCI)の有害事象共通用語規準(CTCAE、第4.03版)に基づき判定する。Grade 1:軽症、Grade 2:中等症、Grade 3:重症または医学的に重大であるが、ただちに生命を脅かすものではない、Grade 4:生命を脅かす、Grade 5:有害事象による死亡 |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
重篤なTEAEが認められた被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月) |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
TEAEにより治験薬の投与中止に至った被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月) |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
TEAEにより治験薬の投与中断に至った被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月) |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
TEAEにより治験薬の減量に至った被験者の例数
評価期間:最終投与30日後まで(約23ヵ月) |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
無増悪生存期間(PFS)
評価期間:約23ヵ月
PFSとは、治験薬初回投与日から、治験担当医師によるRECIST(第1.1版)に基づくPD、又は臨床的評価に基づく進行とされた日又は何らかの原因で死亡した日のいずれか早い方までの期間と定義する |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
全生存期間(OS)
評価期間:約23ヵ月
OSとは、治験薬初回投与日から、あらゆる原因による死亡日までの期間と定義する |
予定試験期間 |
2018年12月26日~2020年6月9日 |