転移性前立腺がんに対するオラパリブ+アビラテロン併用療法の治験
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治験名
転移性去勢抵抗性前立腺がん患者に対する一次治療としてオラパリブとアビラテロンの併用をプラセボとアビラテロンの併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第3相試験
治験概要:
転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する治験。骨スキャンまたはCT/MRI検査で1か所以上の転移が確認されている患者さんが対象です。
オラパリブ+アビラテロン併用とプラセボとアビラテロンの併用を比較して評価する臨床試験です。
登録予定数は720人。
試験デザインは、無作為化、平行群間比較。
フェーズは、第3相臨床試験。
比較する対象は
試験群:オラパリブ+アビラテロン併用
対照群:プラセボ+アビラテロン併用
で主要評価項目は画像所見上の無増悪生存期間、副次的な評価項目は、全生存期間、疼痛進行までの期間などで評価します。
疾患解説:去勢抵抗性前立腺がん
国立がん研究センターのがん統計によると2014年に前立腺がんと診断された人は74459人です。60代から徐々に増えはじめ、70代後半をピークにその後は減少していきます。男性では、胃がん、大腸がん、肺がんに次いで4番目に多いがんです。
前立腺は尿道のまわりを取り囲みようにある男性特有の臓器で、精液に含まれる前立腺液が作られます。前立腺の細胞が無秩序に増殖することで発生します。前立腺がんのほとんどは進行がゆるやかで、早期発見に有効はPSA検査もあり、治癒の可能性も高いがんです。全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査によると、前立腺がんの5年生存率は、ステージI~IIIまでは100%、ステージIVでも64.1%となっています。
前立腺がんの多くは早期には自覚症状がありませんが、進行してくると尿がでにくい、排尿回数が増える、さらに進行すると血尿や腰痛などの骨転移による痛みなどが起こることがあります。
前立腺がんは、男性ホルモンの刺激によって増殖する性質があるため、手術やホルモン療法(内分泌療法)で男性ホルモンの分泌を抑え、去勢状態にする治療が行われます。ホルモン療法を続けていくと薬の効果が薄れ、がんが再び勢いをましていきます。こうした状態を去勢抵抗性といいます。転移性去勢抵抗性前立腺がんは、去勢抵抗性でなおかつ転移のある前立腺がんの状態です。去勢抵抗性前立腺がんを対象とした治療薬は、現在4剤と、去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対する治療薬が1剤、承認されています。
去勢抵抗性前立腺がんの承認薬
| 一般名(製品名) | 投与法 | 副作用など |
抗アンドロゲン薬 | エンザルタミド(イクスタンジ) | 経口 | 高血圧、疲労感。痙攣性発作、脳梗塞などの既往のある患者さんで強い発作が現れることがある |
アビラテロン(ザイティガ) | 心疾患、糖尿病の合併症を悪化させる場合がある。肝機能障害。プレドニンを併用する |
抗がん剤 | ドセタキセル(タキソテール) | 点滴 | 悪心・嘔吐、脱毛、骨髄抑制、末梢神経障害 |
カバジタキセル(ジェブタナ) | 骨髄抑制、発熱性好中球減少症、下痢 |
放射線治療薬 | ラジウム223(ゾーフィゴ) | 静脈注射 | 貧血、血小板減少、骨痛、下痢など |
治験薬:オラパリブ
オラパリブは、損傷したDNAを修復するPARPと呼ばれる酵素を阻害する分子標的薬です。
正常な細胞でDNAに損傷が起こると、PARPが修復します。PARP阻害薬で修復を妨げても、PARP以外のBRCA1とBRCA2という遺伝子が、たんぱく質を生成し損傷したDNAを修復します。しかし、BRCA1/2遺伝子に変異があると、損傷したDNAの修復が行われないため細胞死を誘導します。
オラパリブは、BRCA1/2遺伝子変異によってDNAが修復できずがん化した細胞に特異的に働き、PARPを阻害することでがん細胞のDNA損傷の修復をさせず細胞死を誘導します。
治験薬:アビラテロン酢酸エステル
アビラテロン酢酸エステルは、アンドロゲン合成酵素であるCYP17を阻害するホルモン治療薬です。
前立腺がんは、男性ホルモンのテストステロンが酵素で変換されたジヒドロテストステロンとアンドロゲンが結合し、がん細胞の核に移行してDNAと結合すること増殖します。
アビラテロンは、精巣、副腎、がん細胞内でアンドロゲンの合成を阻害することで、去勢抵抗性前立腺がんに対して抗腫瘍効果をしめします。
主な治験参加条件
対象となる人 |
- 同意説明文書および本治験実施計画書に記載されている要件および制限の遵守を含む同意書に署名できる患者
- 治験に関わる必須の手順・生体試料採取・解析を開始する前に、同意書に日付を記入し署名した患者
- 任意の探索的な遺伝学的研究および任意のバイオマーカー研究に組み入れる患者は、以下の基準を満たしていなければならない
遺伝学的研究用試料の採取を開始する前に、遺伝学的研究への同意書に日付を記入し署名した患者
試料採取前にバイオマーカー研究への同意書に日付を記入し署名した患者
- 任意の探索的な遺伝学的研究または任意のバイオマーカー研究への参加を断っても、患者が不利益を被ることはない。任意の研究への参加を断った患者を本治験から除外することはない
- 同意書への署名時の年齢が18歳以上(または韓国では19歳以上)の患者。本邦において20歳未満の患者を組み入れる場合は、患者およびその代諾者から文書により同意を得ること
- 組織診または細胞診により前立腺腺がんと確定診断された患者
- 骨スキャンまたはCT/MRI検査で1か所以上の転移病変が文書で確認された患者
- 一次治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん
- ゴナドトロピン放出ホルモンアナログまたは両側精巣摘出術により持続的なアンドロゲン除去状態であり、無作為割付け前28日以内の血清テストステロンが50ng/dL(2.0nmol/L)未満である患者。試験組入れ時点でアンドロゲン遮断療法 を受けている患者は、試験期間を通じて継続すること
- 病勢進行が文書で確認され、アビラテロン療法に適した患者
- 治験薬投与前28日以内に測定された臓器機能および骨髄機能が正常である患者
- 全身状態(Performance Status:PS)が0~1であり、過去2週間に悪化がみられなかった患者
- 治験責任(分担)医師により6か月以上の生存が期待される患者
- 主要評価項目rPFSについて、HRR関連遺伝子変異状態別のサブグループ解析を実施できるようにするため、実施医療機関は、無作為割付け前に、病理検査および試料採取に関する最低限の要件を満たすホルマリン固定パラフィン包埋保存腫瘍組織試料またはスクリーニング期間中に新たに採取された生検試料が入手可能であることを確認しなければならない。無作為割付け前に、腫瘍試料が入手可能であることを文書で確認できない患者は本治験に組み入れることはできない
- 男性患者は、妊娠している女性または妊娠が可能な女性と性交する場合、オラパリブとアビラテロンの投与期間中および最終投与後3か月間はコンドームを使用しなければならない。男性患者の女性パートナーも、妊娠が可能な場合は有効な避妊法を使用すべきである患者
- 年齢:18歳以上
- 性別:男性
|
対象とならない人 |
- 過去5年間に病勢進行が認められた、または治療を要した別の悪性腫瘍があることが判明している患者
- 骨髄異形症候群/急性骨髄性白血病の患者または骨髄異形症候群/急性骨髄性白血病を示唆する特徴がみられる患者
- 臨床的に重大な心血管疾患が認められた患者、心機能分類2~4度の心不全もしくはスクリーニング期間中に超音波検査若しくはマルチゲートスキャンによって評価した心駆出率が50%未満の患者
- 心臓手術または経皮的冠動脈形成術が予定されている患者
- 血行再建術の既往歴がある患者
- コントロール不良の高血圧が認められる患者
- コントロール不良の下垂体または副腎機能不全の既往歴のある患者
- 活動性感染症またはプレドニゾロンの使用が禁忌となるその他の病状が認められる患者プレドニゾロン換算で10mg/日超のコルチコステロイド全身投与を要する慢性症状が認められる患者
- 重篤な、コントロール不良の内科疾患、悪性腫瘍以外の全身疾患、または活動性でコントロール不良の感染症のため、医療上のリスクが高いと判断された患者
- 組入れ前の抗がん療法に起因する有害事象共通用語規準グレード2を超える毒性が持続している患者。脱毛症は除く
- 脳転移が認められる患者。脳転移がないことを確認するためのスキャンは必要ない
- 脊髄圧迫がある患者は、治療済みであり、4週間にわたって臨床的に安定している場合は組入れ可とする
- 骨および軟部組織の双方で病勢進行について評価不能な患者
- 内服薬を飲み込めない患者および治験薬の吸収を妨げる可能性がある胃腸障害がある患者
- 免疫力が低下している患者
- 活動性肝炎感染が判明している患者
- オラパリブを含むPARP阻害薬の使用歴がある患者
- 治験薬投与開始前3週間以内に全身化学療法または放射線療法(緩和療法を除く)を受けた患者。緩和的放射線療法を受けている患者は、無作為割付け1週間前に放射線療法を中止しなければならない
- CYP17阻害薬(アビラテロン、orteronelなど)の使用歴のある患者
- 既知の強力なCYP3A阻害薬(イトラコナゾール、テリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビルまたはコビシスタットでブーストしたプロテアーゼ阻害薬、インジナビル、サキナビル、ネルフィナビル、boceprevir、テラプレビル等)または中程度のCYP3A阻害薬(シプロフロキサシン、エリスロマイシン、ジルチアゼム、フルコナゾール、ベラパミル等)を併用している患者。治験薬投与開始前に2週間のウォッシュアウトを行った患者は組入れ可とする
- 既知の強力なCYP3A誘導薬(フェノバルビタール、エンザルタミド、フェニトイン、リファンピシン、リファブチン、rifapentine、カルバマゼピン、ネビラピン、セント・ジョーンズ・ワート等)または中程度のCYP3A誘導薬(ボセンタン、エファビレンツ、モダフィニル等)を併用している患者。治験薬投与開始前に、フェノバルビタールおよびエンザルタミドは5週間、他の薬剤は3週間のウォッシュアウトを行った患者は組入れ可とする
- 治験薬投与開始前2週間以内に大手術を受けた患者および大手術の影響から回復していない患者
- 同種骨髄移植または2単位臍帯血移植を受けた患者
- 無作為割付け前1か月以内に他の臨床試験に参加し治験薬または治験医療機器を使用した患者
- オラパリブまたはアビラテロン、これらの添加物、これらと化学構造が類似した薬物または同クラスの薬物に対する過敏症の既往歴がある患者
- 本治験の計画および実施に関与する患者
- 患者が治験の手順、制限、および要件を遵守することができず、治験への参加が適切でないと治験責任(分担)医師により判断された者
- 過去に本治験で割り付けられた患者
|
パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)
パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。
ECOG パフォーマンスステータス
PS 0 | 全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える |
PS 1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業 |
PS 2 | 歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす |
PS 3 | 限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
PS 4 | 全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす |
出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)
Karnofsky パフォーマンスステータス
| スコア | 患者の状態 |
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない | 100 | 正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし |
90 | 軽い臨床症状はあるが、正常活動可能 |
80 | かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能 |
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする | 70 | 自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能 |
60 | 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要 |
50 | 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要 |
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある | 40 | 動けず、適切な医療および看護が必要 |
30 | 全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない |
20 | 非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要 |
10 | 死期が切迫している |
0 | 死 |
WHO パフォーマンスステータス
スコア | 患者の状態 |
0 | 全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える |
1 | 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など |
2 | 歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす |
3 | 限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす |
4 | 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす |
5 | 死亡 |
出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より
治験情報に関する注意点
治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。
治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。
治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと
※ここに掲載した多くの情報は、JAPIC-CTIやUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。
試験概要詳細
試験の名称 | 転移性去勢抵抗性前立腺癌患者に対する一次治療としてオラパリブとア ビラテロンの併用をプラセボとアビラテロンの併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験 |
試験の概要 | 本試験の目的は、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)となった後に細胞傷害性化学療法及び新規ホルモン製剤による治療歴のないmCRPC患者を対象に、オラパリブとアビラテロン併用時の有効性及び安全性を、プラセボとアビラテロン併用時との比較により検討する |
疾患名 | 転移性去勢抵抗性前立腺がん |
試験薬剤名 | オラパリブ |
用法・用量 | 300mg(2 x 150mg錠)1日2回 |
試験薬剤名 | アビラテロン |
用法・用量 | 1000mg 1日1回 |
試験のフェーズ | フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン | 無作為化、平行群間比較 |
目標症例数 | |
適格基準 |
- 同意説明文書及び本治験実施計画書に記載されている要件及び制限の遵守を含む同意書に署名できる患者
- 治験に関わる必須の手順・生体試料採取・解析を開始する前に、同意書に日付を記入し署名した患者
- 任意の探索的な遺伝学的研究及び任意のバイオマーカー研究に組み入れる患者は、以下の基準を満たしていなければならない
遺伝学的研究用試料の採取を開始する前に、遺伝学的研究への同意書に日付を記入し署名した患者
試料採取前にバイオマーカー研究への同意書に日付を記入し署名した患者
- 任意の探索的な遺伝学的研究又は任意のバイオマーカー研究への参加を断っても、患者が不利益を被ることはない。任意の研究への参加を断った患者を本治験から除外することはない
- 同意書への署名時の年齢が18歳以上(又は韓国では19歳以上)の患者。本邦において20歳未満の患者を組み入れる場合は、患者及びその代諾者から文書により同意を得ること
- 組織診又は細胞診により前立腺腺癌と確定診断された患者
- 骨スキャン又はCT/MRI検査で1カ所以上の転移病変が文書で確認された患者
- 一次治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん
- ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ又は両側精巣摘出術により持続的なアンドロゲン除去状態であり、無作為割付け前28日以内の血清テストステロンが50ng/dL(2.0nmol/L)未満である患者。試験組入れ時点でアンドロゲン遮断療法 を受けている患者は、試験期間を通じて継続すること
- 病勢進行が文書で確認され、アビラテロン療法に適した患者
- 治験薬投与前28日以内に測定された臓器機能及び骨髄機能が正常である患者
- Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のPerformance Statusが0~1であり、過去2週間に悪化がみられなかった患者
- 治験責任(分担)医師により6カ月以上の生存が期待される患者
- 主要評価項目rPFSについて、HRR関連遺伝子変異状態別のサブグループ解析を実施できるようにするため、実施医療機関は、無作為割付け前に、病理検査及び試料採取に関する最低限の要件を満たすホルマリン固定パラフィン包埋保存腫瘍組織試料又はスクリーニング期間中に新たに採取された生検試料が入手可能であることを確認しなければならない。無作為割付け前に、腫瘍試料が入手可能であることを文書で確認できない患者は本治験に組み入れることはできない
- 男性患者は、妊娠している女性又は妊娠が可能な女性と性交する場合、オラパリブとアビラテロンの投与期間中及び最終投与後3カ月間はコンドームを使用しなければならない。男性患者の女性パートナーも、妊娠が可能な場合は有効な避妊法を使用すべきである
- 年齢:18歳以上
- 性別:男性
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除外基準 |
- 過去5年間に病勢進行が認められた、又は治療を要した別の悪性腫瘍があることが判明している患者
- MDS/AMLの患者又はMDS/AMLを示唆する特徴がみられる患者
- 臨床的に重大な心血管疾患が認められた患者、New York Heart Associationの心機能分類II~IV度の心不全若しくはスクリーニング期間中に超音波検査若しくはマルチゲートスキャンによって評価した心駆出率が50%未満の患者
- 心臓手術又は経皮的冠動脈形成術が予定されている患者
- 血行再建術(冠動脈、頸動脈、又は末梢動脈の重大な狭窄)の既往歴がある患者
- コントロール不良の高血圧(収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧95mmHg以上)が認められる患者
- コントロール不良の下垂体又は副腎機能不全の既往歴のある患者
活動性感染症又はprednisone/プレドニゾロンの使用が禁忌となるその他の病状が認められる患者
- prednisone/プレドニゾロン換算で10mg/日超のコルチコステロイド全身投与を要する慢性症状が認められる患者
- 重篤な、コントロール不良の内科疾患、悪性腫瘍以外の全身疾患、又は活動性でコントロール不良の感染症のため、医療上のリスクが高いと判断された患者
- 組入れ前の抗癌療法に起因する有害事象共通用語規準(CTCAE)グレード2を超える毒性が持続している患者。脱毛症は除く
- 脳転移が認められる患者。脳転移がないことを確認するためのスキャンは必要ない
- 脊髄圧迫がある患者は、治療済みであり、4週間にわたって臨床的に安定している場合は組入れ可とする
- 骨及び軟部組織の双方で病勢進行について評価不能な患者
- 内服薬を飲み込めない患者及び治験薬の吸収を妨げる可能性がある胃腸障害を有する患者
- 免疫力が低下している患者
- 活動性肝炎感染(すなわち、B型肝炎又はC型肝炎)が判明している患者
- オラパリブを含むPARP阻害薬の使用歴がある患者
- 治験薬投与開始前3週間以内に全身化学療法又は放射線療法(緩和療法を除く)を受けた患者。緩和的放射線療法を受けている患者は、無作為割付け1週間前に放射線療法を中止しなければならない
- CYP17(17alpha -ヒドロキシラーゼ/C17,20-リアーゼ)阻害薬(アビラテロン、orteronel等)の使用歴のある患者
- 既知の強力なCYP3A阻害薬(イトラコナゾール、テリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル又はコビシスタットでブーストしたプロテアーゼ阻害薬、インジナビル、サキナビル、ネルフィナビル、boceprevir、テラプレビル等)又は中程度のCYP3A阻害薬(シプロフロキサシン、エリスロマイシン、ジルチアゼム、フルコナゾール、ベラパミル等)を併用している患者。治験薬投与開始前に2週間のウォッシュアウトを行った患者は組入れ可とする
- 既知の強力なCYP3A誘導薬(フェノバルビタール、エンザルタミド、フェニトイン、リファンピシン、リファブチン、rifapentine、カルバマゼピン、ネビラピン、セント・ジョーンズ・ワート等)又は中程度のCYP3A誘導薬(ボセンタン、エファビレンツ、モダフィニル等)を併用している患者。治験薬投与開始前に、フェノバルビタール及びエンザルタミドは5週間、他の薬剤は3週間のウォッシュアウトを行った患者は組入れ可とする
- 治験薬投与開始前2週間以内に大手術を受けた患者及び大手術の影響から回復していない患者
- 同種骨髄移植又は2単位臍帯血移植を受けた患者
- 無作為割付け前1カ月以内に他の臨床試験に参加し治験薬又は治験医療機器を使用した患者
- オラパリブ又はアビラテロン、これらの添加物、これらと化学構造が類似した薬物又は同クラスの薬物に対する過敏症の既往歴を有する患者
- 本治験の計画及び実施に関与する患者(治験依頼者、Merck社、及び実施医療機関の従業員又は職員)
- 患者が治験の手順、制限、及び要件を遵守することができず、治験への参加が適切でないと治験責任(分担)医師により判断された者
過去に本治験で割り付けられた患者
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主要な評価項目 | |
主要な評価方法 | |
副次的な評価項目 | |
副次的な評価方法 | |
予定試験期間 | |
出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより