進行性または転移性の腎細胞がんに対するニボルマブの治験

治験名

血管新生阻害剤による治療歴を有する進行性または転移性淡明細胞型腎細胞がん患者においてニボルマブとエベロリムスを比較する無作為化非盲検第3相試験

治験概要:

進行性または転移性の腎細胞がんに対する治験。血管新生阻害薬による治療歴のある患者さんが対象です。
ニボルマブとエベロリムスを比較して、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率、安全性などで評価する臨床試験です。
登録予定数は、822人。
フェーズは、3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化非盲検試験。
比較する対象は
試験群:ニボルマブ
対照群:エベロリムス
全生存率、無増悪生存期間、奏効率、安全性 などで評価します。

疾患解説:腎臓がん

腎臓がんは、腎臓の腎実質と呼ばれる細胞ががん化した悪性腫瘍です。腎癌研究会の2002年の調査によると、人口10万人に対して男性8.2人、女性3.7人と男性に多く、年々増加傾向です。50歳代から増え始め、70歳代まで高齢になるほど罹患数は多くなります。
腎臓がんの発生原因は、喫煙と肥満といわれており、腎臓がんの予防では、禁煙と肥満にならないようなバランスのいい食事や運動が効果的だとの日本人を対象とした研究報告もあります。
腎臓がんは、あまり自覚症状がなく、約70%の人が症状のない段階で発見されています。自覚症状として多く見られるのが、血尿、背中や腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、体重減少、吐き気、便秘、腹痛などさまざまです。
腎臓がんは、がんの組織の違いでいくつかのタイプがり、混在していることもあります。最も多くみられる組織型は「淡明細胞型腎細胞がん」で、全体の約70~85%を占めます。そのほかに、多房嚢胞性腎細胞がん、乳頭状腎細胞がん、嫌色素性腎細胞がん、紡錘細胞がん、集合管がんなどがあります。
腎臓がんの組織型は、治療選択の判断材料の1つで、組織型の違いによって病気の進行や予後が異なります。

腎臓がんの組織型分類

淡明細胞型腎細胞がん
多房嚢胞性腎細胞がん
乳頭状腎細胞がん
嫌色素性腎細胞がん
集合管がん
腎髄質がん
Xp11.2転座型腎細胞がん
神経芽腫随伴腎細胞がん
粘液管状紡錘細胞がん
紡錘細胞がん
腎細胞がん、分類不能型

腎癌取扱い規約(第4版)より

腎臓がん進行度

T1a腎細胞がんの直径が4cm以下で腎臓にとどまる
T1b腎細胞がんの直径が4cmを超え、7cm以下で腎臓にとどまる
T2a腎細胞がんの直径が7cmを超え、10cm以下で腎臓にとどまる
T2b腎細胞がんの直径が10cmを超えて腎臓にとどまる
T3a腎細胞がんが腎静脈または周囲の脂肪組織に及ぶがゲロタ筋膜※を超えない
T3b腎細胞がんが横隔膜より下の大静脈内に広がっている
T3c腎細胞がんが横隔膜より上の大静脈内に広がる、または大静脈壁まで及ぶ
T4腎細胞がんがゲロタ筋膜※を超えて広がる(同じ側の副腎まで及ぶ場合を含む)

※ゲロタ筋膜:腎臓を覆っている一番外側の膜
出典:日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会,編:泌尿器科・病理・放射線科 腎癌取扱い規約第4版.2011年,金原出版より作成

治験薬:ニボルマブ

ニボルマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

対照薬:エベロリムス

エベロリムスは、mTORというたんぱく質を選択的に阻害する分子標的薬です。
がん細胞の増殖を抑制する働きと血管新生を阻害する2つの働きがある薬剤です。
mTORを阻害することで、がん細胞の増殖に関わる細胞内のシグナル伝達に働きかけ、がん細胞が増殖を抑制します。また、細胞内のシグナル伝達を抑制することで、血管新生も抑制されます。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 淡明細胞型腎細胞がんである患者
  • 進行性または転移性腎細胞がん患者
  • 測定可能病変がる患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 中枢神経系転移の病歴がある、または中枢神経系転移が現在ある患者
  • mTOR阻害剤による治療歴がる患者

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。
※ここに掲載した情報は、JAPIC-CTIUMIN-CTRに登録された情報を元にし、一般の人でもわかりやすく解説しています。そのため、すべて情報を網羅しているものでも、情報に誤りがある場合もあります。

試験概要詳細

試験の名称血管新生阻害剤による治療歴を有する進行性又は転移性淡明細胞型腎細胞がん患者においてONO-4538/BMS-936558とエベロリムスを比較する無作為化非盲検第3相試験
試験の概要血管新生阻害剤による治療歴を有する進行性又は転移性腎細胞がん患者において、BMS-936558とエベロリムスを投与したときの臨床的有用性を全生存期間により比較検討する
疾患名進行性又は転移性腎細胞がん
試験薬剤名ONO-4538/BMS-936558
用法・用量静脈内投与
対照薬剤名Everolimus
用法・用量経口投与
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン無作為化非盲検試験
目標症例数822
適格基準
  • 組織学的に淡明細胞型腎細胞がんであることが確認されている患者
  • 進行性又は転移性腎細胞がん患者
  • 測定可能病変(RECISTガイドライン1.1版に基づく)を有する患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 中枢神経系転移の病歴を有する又は中枢神経系転移を現在有する患者
  • mTOR阻害剤による治療歴を有する患者
主要な評価項目全生存期間
主要な評価方法
副次的な評価項目無増悪生存期間、奏効率、安全性など
副次的な評価方法
予定試験期間2012/10/01~2018/09/01

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより