HER2陰性切除不能転移性の胃がんに対するペムブロリズマブの治験

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治験名

KEYNOTE-859

HER2陰性の切除不能または転移性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者を対象とした一次治療としてのMK-3475と化学療法の併用療法と、プラセボと化学療法を比較する二重盲検無作為化第3相試験

治験概要:

切除不能または転移性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する治験。HER2陰性でPD-L1発現している患者さんが対象です。
ペムブロリズマブ+化学療法とプラセボ+化学療法を比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、780人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化、並行群間、多施設共同、二重盲検。
試験群:ペムブロリズマブ+化学療法
対照群:プラセボ+化学療法
全生存期間、無増悪生存期間、客観的奏効率、有害事象、有害事象による治験薬投与中止などで評価します。

疾患解説:胃がん、食道胃接合部がん

国立がん研究センターのがん統計の2014年の全国推計値によると、胃がんに罹った人は、男性89094人、女性40145人、合計129239人で女性に比べて男性が2倍以上多くなっています。50代で徐々に増えはじめ、男性は70代をピークにその後は減少しますが、女性は、80代からさらに増加していきます。
胃がんのリスク要因は、喫煙、塩分の多い食事や野菜などの不足、生活習慣などいくつもあるといわれていますが、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染がリスクを高めるといわれています。
早期の胃がんではほとんど自覚症状がありませんが、がんの進行につれて起こる、胃痛、胸やけ、吐き気、食欲不振などが代表的な症状です。こうした気になる症状があれば医療施設で検査を受けてください。
胃がん検診は、対策型検診と任意型検診があります。対策型検診は、会社などで加入している健康保険組合や自治体が定期的に行うもので、任意型検診は、個人の希望で行う検診です。いずれの検診でも、有効性評価に基づくがん検診ガイドラインでは、50歳以上を対象として、問診と胃部X線検査(当分は1年に1回)か胃内視鏡検査を2年に1回受けることが推奨されています。
胃は内側から粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5つの層からできています。多くの胃がんは一番内側にある粘膜層から発生し、次第に胃壁の外側に向かって進行していきます。胃がんのステージ分類は、がんが5つの層のどこまで達しているかという深達度、リンパ節への転移、遠隔臓器への転移の3つの要素で決定されます。
早期胃がんの治療では、体への負担が外科的手術より少ない内視鏡を使った手術も可能な場合もあります。大まかにいうと、ステージII程度の進行度なら「容易に手術が可能」と判断し、ステージIII程度の進行度なら「ギリギリ切除可能」と判断され、ステージIVに至ると「根治切除ができない」となります。ただし、ステージだけでは治療方針は決まりません。 手術と薬物療法を組み合わせることで、従来は治癒が難しかった胃がんも治療の対象となっています。今後、新しい薬剤と手術を組み合わせた臨床試験が進むことで、胃がんの手術療法の治療成績は、さらに向上していくと考えられています。
食道胃接合部がんは、食道と胃のつなぎ目の食道胃接合部の上下2cmの範囲にできるがんです。リンパ節転移の広がりが、がんのできた場所によるため、食道胃接合部がんという分類がされるようになってきています。

胃がんの深達度
胃がんの深達度

胃がんの治療方針の基本の考え方
胃がんの治療方針の基本の考え方

治験薬:ペムブロリズマブ

ペムブロリズマブは、抗PD-1抗体という免疫チェックポイント阻害剤の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

治験薬:シスプラチン

シスプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。シスプラチンは、第1世代の白金製剤です。

治験薬:フルオロウラシル

フルオロウラシルは、DNAの合成阻害、RNAの機能障害によるがん細胞を細胞死に誘導する代謝拮抗薬です。
DNAを構成する主な成分はピリミジン塩基といわれ、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルなどです。フルオロウラシルは、このピリミジン塩基と似たような構造で、DNAが合成されるときにピリミジン塩基の代わりに取り込まれることで、DNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。

治験薬:オキサリプラチン

オキサリプラチンは、細胞増殖に必要なDNAと結合して、DNAの複製を阻害したり、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する抗がん薬です。
薬の構造中に白金(プラチナ)があるため、白金製剤やプラチナ製剤とよばれることもあります。オキサリプラチンは、第2世代の白金製剤にさらに改変が行われ、新たな適応を獲得した第3世代の白金製剤です。

治験薬:カペシタビン

カペシタビンは、細胞の増殖に必要なDNA合成を阻害する代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)と呼ばれる抗がん剤です。
細胞増殖に必要なピリミジン塩基という物質が必要で、DNAが合成されるときピリミジン塩基と似た構造のピリミジン拮抗薬が代わりに取り込まれることで抗腫瘍効果を発揮します。
ピリミジン系抗がん剤には、カペシタビンのほか、フルオロウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、シタラビン、ゲムシタビンなどがあります。
カペシタビンは、体内に吸収されたのち肝臓や腫瘍組織でフルオロウラシルに変化するプロドラッグといわれる製剤です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • 切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんであると診断され、PD-L1発現状況の結果が確定している患者
  • HER2陰性のがんがある患者
  • 投与期間中および化学療法の最終投与後180日間またはペムブロリズマブの最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、本治験実施計画書に詳述する避妊法を使用することおよび精子提供をしないことに同意した男性患者
  • 妊娠しておらず、授乳中でなく、かつ以下の条件のいずれかを満たす女性患者:
    a)妊娠可能な女性に該当しない
    または
    b)妊娠可能な女性であるが、投与期間中および化学療法の最終投与後180日間またはペムブロリズマブの最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、本治験実施計画書に詳述する避妊法を使用することに同意した女性患者
  • 測定可能病変が1つ以上ある患者
  • 放射線照射を受けていない腫瘍病変から採取した保存腫瘍組織検体、新たに採取したコアまたは切除生検検体を提出可能な患者
  • PD-L1バイオマーカー解析に十分と考えられる腫瘍組織検体を提出可能な患者
  • MSIバイオマーカー解析用の腫瘍組織検体を提出可能な患者
  • 全身状態(Performance Status:PS)が0または1の患者
  • 適切な臓器機能がある患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 扁平上皮胃がんまたは未分化型胃がんがある患者
  • 無作為割付け前28日以内に、大手術、切開生検または重大な外傷を受けた、もしくは治験期間中に大手術を受ける必要があると考えられる患者
    注:大手術を受けた場合は、治験薬初回投与前までに前治療による毒性または合併症から十分に回復していること
  • グレード2以上の末梢性ニューロパチーがある患者
  • 治験薬の無作為割付け前72時間以内の尿妊娠検査の結果が陽性であった妊娠可能な女性
  • 切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんもしくは食道胃接合部腺がんに対する治療歴がある患者。少なくとも無作為割付け6か月前までに完了している場合は、術前または術後補助療法を受けていてもよい
  • 抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤または他の補助刺激性もしくは共抑制性T細胞受容体を標的とした薬剤の治療歴がある患者
  • 無作為割付け前4週間以内にがんに対する全身性の治療(治験薬も含む)を受けた患者
    注:前治療によるすべての毒性から回復(グレード1以下またはベースラインまで)していること
  • 治験薬初回投与前2週間以内に放射線療法を受けた患者
  • 放射線療法に関連したすべての毒性から回復しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと
  • 中枢神経系以外に対する緩和的放射線療法の場合は、1週間のウォッシュアウト終了後の組入れが許容される
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 現在他の治験薬の治験に参加している、または治験薬初回投与前4週間以内に他の治験薬の治験に参加したもしくは治験用の医療機器を用いた患者
    注:治験のフォローアップ期間に移行している患者で、他の治験薬の最終投与から4週間以上経過している場合は組入れ可能
  • 免疫不全状態と診断された患者、または治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 過去5年以内に進行性または治療が必要な他の悪性腫瘍がある患者
    注:ただし、根治的治療を受けた皮膚の基底細胞がん、皮膚の扁平上皮がん、または上皮内がんの患者は組入れ可能である
  • 活動性の中枢神経系への転移またはがん性髄膜炎がある患者
  • ペムブロリズマブまたはその添加剤に対する重度の過敏症がある患者
  • 過去2年以内に全身性の治療を要した活動性の自己免疫疾患がある患者
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な間質性肺疾患/肺臓炎の既往がある患者
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症がある患者
  • ヒト免疫不全ウイルス感染の既往がある患者
  • B型肝炎の既往または合併もしくは活動性のC型肝炎がある患者
  • 活動性の結核の既往がある患者
  • 治験担当医師の判断により、治験結果に影響を与える、患者の治験の完遂を妨げる、または、患者の治験の参加が患者の利益とならないと考えられるあらゆる疾患、治療歴または臨床検査値異常の既往または合併がある患者
  • 低カリウム血症がある患者
  • 低マグネシウム血症がある患者
  • 低カルシウム血症がある患者
  • 治験の実施に影響を与える可能性があると判断された精神疾患または薬物乱用障害がある患者
  • 妊娠中または授乳中の女性患者、もしくはスクリーニング時来院から化学療法の最終投与後180日間またはペムブロリズマブの最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、妊娠を希望する女性患者またはパートナーの妊娠を希望する男性患者
  • 同種組織/臓器の移植歴がある患者
  • 本治験で使用する化学療法剤またはそれらの添加剤に対して、重度の過敏症がある患者 グレード2以上の聴力障害がある患者

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)

パフォーマンスステータス(Performance Status:PS)は、全身状態の指標で、患者さんの日常生活の制限の程度を示します。米国の腫瘍学の団体が決めたECOG、Karnofsky、WHOなどの基準があります。

ECOG パフォーマンスステータス


PS 0全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS 1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
PS 2歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS 3限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS 4全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

出典:Common Toxicity Criteria Version2.0 Publish Date April 30, 1999 (JCOGホームページより引用)

Karnofsky パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
正常の活動が可能。特別な看護が必要ない100正常。疾患に対する患者の訴えがない。臨床症状なし
90軽い臨床症状はあるが、正常活動可能
80かなり臨床症状あるが、努力して正常の活動可能
労働することは不可能。自宅で生活できて、看護はほとんど個人的な要求によるものである。様々な程度の介助を必要とする70自分自身の世話はできるが、正常の活動・労働することは不可能
60自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
身の回りのことを自分できない。施設あるいは病院の看護と同等の看護を必要とする。疾患が急速に進行している可能性がある40動けず、適切な医療および看護が必要
30全く動けず、入院が必要だが死はさしせまっていない
20非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10死期が切迫している
0

WHO パフォーマンスステータス


スコア患者の状態
0全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限無く行える
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。たとえば、軽い家事、事務など
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
3限られた身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす
5死亡

出典:国立がん研究センター東病院「患者さん向け治験情報」より

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

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※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。

試験概要詳細

試験の名称HER2陰性の切除不能又は転移性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌患者を対象とした一次治療としてのMK-3475と化学療法の併用療法と、プラセボと化学療法を比較する二重盲検無作為化第III相試験(KEYNOTE-859)
試験の概要本試験は、未治療の切除不能又は転移性のヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌を有する18歳以上の男性及び女性患者を対象として、MK-3475と化学療法の併用療法と、プラセボと化学療法の有効性を比較評価する
疾患名胃癌
試験薬剤名Pembrolizumab、cisplatin、5-fluorouracil、oxaliplatin、capecitabine
用法・用量MK-3475+FP又はCAPOXQ3W、35コース(2年間)まで:MK-3475(200mgを各コースの1日目)、FP(シスプラチン:80mg/m2を各コースの1日目、5-FU:800mg/m2/日を各コースの1~5日目に持続投与)、CAPOX(オキサリプラチン130mg/m2を各コースの1日目、カペシタビン1000mg/m2を1日2回、各コースの1~14日目)
対照薬剤名cisplatin、5-fluorouracil、oxaliplatin、capecitabine
用法・用量プラセボ+FP又はCAPOXQ3W、35コース(2年間)まで:プラセボ(各コースの1日目)、FP(シスプラチン:80mg/m2を各コースの1日目、5-FU:800mg/m2/日を各コースの1~5日目に持続投与)、CAPOX(オキサリプラチン130mg/m2を各コースの1日目、カペシタビン1000mg/m2を1日2回、各コースの1~14日目)
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン無作為化、並行群間、多施設共同、二重盲検
目標症例数780
適格基準
  • 組織学的又は細胞学的に切除不能な局所進行性又は転移性の胃腺癌又は食道胃接合部腺癌であると診断され、PD-L1発現状況の結果が確定している患者
  • HER2陰性のがんを有する患者
  • 投与期間中及び化学療法の最終投与後180日間又はMK-3475の最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、本治験実施計画書に詳述する避妊法を使用すること及び精子提供をしないことに同意した男性患者
  • 妊娠しておらず、授乳中でなく、かつ以下の条件のいずれかを満たす女性患者:
    妊娠可能な女性に該当しない
    又は
    妊娠可能な女性であるが、投与期間中及び化学療法の最終投与後180日間又はMK-3475の最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、本治験実施計画書に詳述する避妊法を使用することに同意した女性患者
  • 治験担当医師による評価で、RECIST1.1に基づく測定可能病変を1つ以上有する患者
  • 放射線照射を受けていない腫瘍病変から採取した保存腫瘍組織検体、新たに採取したコア又は切除生検検体を提出可能な患者
  • PD-L1バイオマーカー解析に十分と考えられる腫瘍組織検体を提出可能な患者
  • MSIバイオマーカー解析用の腫瘍組織検体を提出可能な患者
  • Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Statusが0又は1の患者(治験薬初回投与前3日以内)
  • 適切な臓器機能を有する患者
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 扁平上皮胃癌又は未分化型胃癌を有する患者
  • 無作為割付け前28日以内に、大手術、切開生検又は重大な外傷を受けた、若しくは治験期間中に大手術を受ける必要があると考えられる患者
    注:大手術を受けた場合は、治験薬初回投与前までに前治療による毒性又は合併症から十分に回復していること
  • Grade2以上の末梢性ニューロパチーを有する患者
  • 治験薬の無作為割付け前72時間以内の尿妊娠検査の結果が陽性であった妊娠可能な女性
  • 切除不能な局所進行性又は転移性胃腺癌若しくは食道胃接合部腺癌に対する治療歴を有する患者。少なくとも無作為割付け6ヵ月前までに完了している場合は、術前又は術後補助療法を受けていてもよい
    抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2の薬剤又は他の補助刺激性若しくは共抑制性T細胞受容体(CTLA-4、OX-40、CD137等)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者
  • 無作為割付け前4週間以内にがんに対する全身性の治療(治験薬も含む)を受けた患者
    注:前治療によるすべての毒性から回復(Grade1以下又はベースラインまで)していること
  • 治験薬初回投与前2週間以内に放射線療法を受けた患者
  • 放射線療法に関連したすべての毒性から回復しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと
  • 中枢神経系(CNS)以外に対する緩和的放射線療法(放射線療法の期間が2週間以下)の場合は、1週間のウォッシュアウト終了後の組入れが許容される
  • 治験薬初回投与前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
  • 現在他の治験薬の治験に参加している、又は治験薬初回投与前4週間以内に他の治験薬の治験に参加した若しくは治験用の医療機器を用いた患者
    注:治験のフォローアップ期間に移行している患者で、他の治験薬の最終投与から4週間以上経過している場合は組入れ可能
  • 免疫不全状態と診断された患者、又は治験薬初回投与前7日以内に長期全身性ステロイド療法や他の免疫抑制療法による治療を受けた患者
  • 過去5年以内に進行性又は治療が必要な他の悪性腫瘍を有する患者
    注:ただし、根治的治療を受けた皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、又は上皮内癌(例:上皮内乳癌、子宮頸部上皮内癌など)の患者は組入れ可能である
  • 活動性のCNSへの転移又は癌性髄膜炎を有する患者
  • MK-3475又はその添加剤に対する重度(Grade3以上)の過敏症を有する患者
  • 過去2年以内に全身性の治療を要した活動性の自己免疫疾患を有する患者
  • 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、もしくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者
  • 全身性の治療を必要とする活動性の感染症を有する患者
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往を有する患者
  • B型肝炎(HBs抗原陽性)の既往又は合併若しくは活動性のC型肝炎[HCVRNA(定性)陽性]を有する患者
  • 活動性の結核の既往を有する患者(結核菌、Bacillus tuberculosis)
  • 治験担当医師の判断により、治験結果に影響を与える、患者の治験の完遂を妨げる、又は、患者の治験の参加が患者の利益とならないと考えられるあらゆる疾患[例:ジヒドロピリミジン脱水素酵素欠損症が判明している]、治療歴又は臨床検査値異常の既往又は合併を有する患者
  • 低カリウム血症を有する患者(血清カリウム値が基準値下限未満)
  • 低マグネシウム血症を有する患者(血清マグネシウム値が基準値下限未満)
  • 低カルシウム血症を有する患者(血清カルシウム値が基準値下限未満)
  • 治験の実施に影響を与える可能性があると判断された精神疾患又は薬物乱用障害を有する患者
  • 妊娠中又は授乳中の女性患者、若しくはスクリーニング時来院から化学療法の最終投与後180日間又はMK-3475の最終投与後120日間のいずれか長い期間まで、妊娠を希望する女性患者又はパートナーの妊娠を希望する男性患者
  • 同種組織/臓器の移植歴を有する患者
  • 本治験で使用する化学療法剤[静注5-FU又は経口カペシタビン(これらに限定しない)]又はそれらの添加剤に対して、重度の過敏症(Grade3以上)を有する患者
  • Grade2以上の聴力障害[>25dBの閾値変動(2つの隣接する周波数での平均聴力)]を有する患者注:シスプラチンの投与を受ける患者のみ
主要な評価項目有効性/efficacy
主要な評価方法 OS:無作為化から死亡(原因を問わない)までの期間
PFS:無作為化から最初に記録された疾患進行又は死亡(原因を問わない)のいずれか早い時点までの期間
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
副次的な評価方法客観的奏効(OR):完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)
DOR:最初に奏効(CR又はPR)が認められた時点から疾患進行
又は死亡(原因を問わない)のいずれか早い時点までの期間
有害事象
有害事象による治験薬投与中止
予定試験期間2019年3月18日~2024年2月2日

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより