試験の名称 |
クローディン(CLDN)18.2陽性、HER2陰性の局所進行性切除不能又は転移性胃腺癌及び食道胃接合部(GEJ)腺癌患者を対象とした、Zolbetuximab(IMAB362)+mFOLFOX6とプラセボ+mFOLFOX6の一次治療としての有効性を比較する、第III相国際多施設共同二重盲検ランダム化試験 |
試験の概要 |
本試験は国際多施設共同二重盲検ランダム化第III相試験である。CLDN18.2陽性、且つHER2陰性の治癒切除不能な局所進行性又は転移性胃腺癌及びGEJ腺癌患者を対象として、zolbetuximab+mFOLFOX6(フルオロウラシル[5-FU]+フォリン酸+オキサリプラチン併用療法)とプラセボ+mFOLFOX6のいずれか一方の群に1:1の比率で無作為に割り付けを行う |
疾患名 |
胃腺癌及び食道胃接合部(GEJ)腺癌 |
試験薬剤名 |
IMAB362 |
用法・用量 |
Cycle 1 Day 1に初回用量(A)を点滴静注にて投与し、以降のCycleでは3週間に1回、各Cycle Day 1に用量(B)を投与する |
試験薬剤名 |
オキサリプラチン(mFOLFOX6として3剤併用 |
用法・用量 |
2週間毎に4 cycle(各cycleに3回投与)点滴静注にて投与する。mFOLFOX6療法の内の何れかの薬剤が毒性のために中止となった場合は、mFOLFOX6療法の残りの薬剤を投与できる |
試験薬剤名 |
フォリン酸(mFOLFOX6として3剤併用) |
用法・用量 |
2週間毎に4 cycle(各cycleに3回投与)点滴静注にて投与する。4サイクル後は、5-FU+フォリン酸投与を各cycleに3回、被験者が投与中止基準に合致するまで、治験担当医師の判断により継続することができる |
試験薬剤名 |
5-FU(mFOLFOX6として3剤併用) |
用法・用量 |
2週間毎に4 cycle(各cycleに3回投与)点滴静注もしくは静脈内ボーラス投与する。4サイクル後は、5-FU+フォリン酸投与を各cycleに3回、被験者が投与中止基準に合致するまで、治験担当医師の判断により継続することができる |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
二重盲検ランダム化試験 |
目標症例数 |
550 |
適格基準 |
- 女性の場合、現在妊娠していない被験者又は以下のいずれかに該当する被験者:
a 妊娠可能ではないこと
b 妊娠可能な場合、治験期間中及び治験薬最終投与後6カ月間、別途定義された避妊法に係わるガイダンスを遵守することに同意したもの
- 女性被験者の場合、スクリーニング期間、試験期間、治験薬の最終投与後の6カ月間に、授乳を行わないことに同意していること
- 女性被験者の場合、スクリーニング期間、試験期間、治験薬の最終投与後の6カ月間に、卵子提供を行わないことに同意していること
- 妊娠する可能性のあるパートナーがいる男性被験者にあっては、治験期間中、及び治験薬最終投与後6カ月間に渡り、別途定義された避妊法を使用することに同意していること
- 男性被験者の場合は、スクリーニング開始から治験薬の最終投与後6カ月間精子提供をしない事に同意していること
- 妊娠中あるいは授乳中のパートナーのいる男性被験者については、治験開始から治験薬の最終投与後6カ月間の妊娠期間の間、あるいは授乳期間の間、禁欲を維持するか、コンドームを使用する事に同意していること
- 組織学的に胃腺癌又は食道胃接合部(GEJ)腺癌と確定診断されている被験者
- 治験薬初回投与前28日以内に放射線学的検査で治癒切除不能な局所進行性又は転移性病変が認められた被験者
- 治験薬初回投与前28日以内にRECIST 1.1に基づく測定可能病変が認められた被験者。測定可能病変が1個のみで、放射線治療歴のある被験者については、測定可能病変が、前回の放射線治療の照射野外にあるか、又は放射線治療後に進行が確認されていなければならない
- 中央検査機関によるIHC検査で、75%以上の腫瘍細胞の細胞膜に中程度~強度の染色強度でCLDN18.2の発現が認められる被験者
- 各施設又は中央検査機関による胃又はGEJの腫瘍検体の検査によりHER2陰性が確認された被験者
- Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG) Performance Statusが0 – 1の患者
- 12週間以上の生存が可能と判断された被験者
- 治験薬初回投与前14日以内に中央検査機関で測定された臨床検査結果が以下の基準を全て満たしている被験者。当該期間中に中央検査機関で測定された臨床検査データが複数ある場合は、適格性の判定には最新のデータを用いること
a. ヘモグロビン:9g/dl以上
b. 絶対好中球数:1.5×10^9/L以上
c. 血小板:100×10^9/L以上
d. アルブミン:2.5g/dl以上
e. 総ビリルビン:基準値上限(ULN)の1.5倍未満
f. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ及びアラニンアミノトランスフェラーゼ:肝転移がない場合はULNの2.5倍以下(肝転移を有する場合はULNの5倍以下)
g. 推定クレアチニンクリアランス: 30mL/分以上
h. プロトロンビン時間/国際標準比及び部分トロンボプラスチン時間:ULNの1.5倍以下
- 年齢:20歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- 治癒切除不能な局所進行性又は転移性胃腺癌又はGEJ腺癌に対して全身化学療法歴のある被験者
- 治癒切除不能な局所進行性又は転移性胃腺癌又はGEJ腺癌に対して放射線療法歴のある被験者
- 治験薬初回投与前14日以内に、全身性コルチコステロイド等の全身免疫抑制療法歴がある被験者
- 治験薬投与開始前28日以内に他の治験薬又は治験機器の使用歴がある被験者
- zolbetuximab の既知の成分、又はヒト化抗体やキメラ抗体等のモノクローナル抗体に対して重度のアレルギー反応又は不耐性の既往歴がある被験者
- 治験薬のいずれかの成分に対して即時型あるいは遅延型過敏症又は不耐性の既往歴がある、あるいは治験薬のいずれかの成分が禁忌である被験者
- mFOLFOX6療法の何れかの薬剤に対して重度のアレルギー反応又は不耐性の既往歴がある被験者
- ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の既往歴がある被験者
- 胃流出路閉塞又は持続する反復性の嘔吐を有する被験者
- 本治験への参加に不適切な胃出血を最近発現した被験者、又は本治験への参加に不適切である症状を発現した胃潰瘍と確定診断されている被験者
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染検査が陽性であることが既知の被験者、あるいは活動性B型肝炎(HBs Ag陽性)又はC型肝炎感染が既知の被験者
- 過去2年以内に全身免疫抑制療法を要した活動性自己免疫疾患の既往のある被験者
- 全身的治療を要する活動性感染症があり、治験薬投与開始前14日以内に完全に回復しなかった被験者
- 下記に示す重大な心血管疾患を有する被験者
a 治験薬初回投与前6カ月以内のうっ血性心不全(NYHA(ニューヨーク心臓協会)心機能分類IIIないしIV度)、心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血管形成術、ステント留置術、冠動脈バイパス移植術、脳血管発作又は高血圧クリーゼ
b 臨床的に重大な心室性不整脈(即ち、持続性心室頻拍、心室細動又はトルサード ド ポアント)
c QTc 間隔:男性>450msec:女性>470msec
d 先天性QT延長症候群の既往歴又は家族歴
e 抗不整脈薬を要する不整脈
- 活動性中枢神経系転移及び/又は癌性髄膜炎の既往歴を有する被験者
- グレード2以上の末梢性感覚ニューロパチーの既往歴がある被験者
- 治験薬投与開始前28日以内に大手術の施行歴がある被験者または、治験薬初回投与前14日以内に大手術から完全に回復しなかった被験者
- 治験遵守の妨げとなる可能性がある精神疾患又は社会的状況がある被験者
- 治療を要する他の悪性腫瘍を有する被験者
- 被験者の治験参加能力を阻害し、被験者を不当なリスクに陥れる、あるいはデータの解釈を煩雑にする合併症、併発感染症あるいは併発症状を有する被験者
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主要な評価項目 |
有効性 / efficacy |
主要な評価方法 |
無増悪生存期間(PFS)
ランダム化した日から放射線学的評価で病勢進行(RECIST 1.1により独立評価委員会が判定)がみられた日又は死因を問わない死亡日のいずれか早い方までの期間とする
評価期間:放射線画像上の病勢進行と判断するまで、又は他の全身化学療法を開始するまで |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
全生存期間(OS)
ランダム化した日から死因を問わない死亡日までの期間とする |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
奏効率(ORR)
RECIST 1.1を用いたIRCによる判定で最良総合効果(BOR)が完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)である被験者の割合とする
評価期間:放射線画像上の病勢進行と判断するまで、又は他の全身化学療法を開始するまで |
副次的な評価項目 |
有効性 / efficacy |
副次的な評価方法 |
奏効期間(DOR)
RECIST 1.1を用いたIRCによる判定で、最初に奏効(CR/PR)が認められた日から、部分奏効(PD)が認められた日又は死因を問わない死亡日まで、何れか早い方の日までの期間とする
評価期間:放射線画像上の病勢進行と判断するまで、又は他の全身化学療法を開始するまで |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
安全性及び忍容性 (1)
有害事象
評価期間: 90日間安全性追跡調査時まで |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
安全性及び忍容性 (2)
臨床検査結果、バイタルサイン及び12誘導心電図にて評価する
評価期間: 30日間安全性追跡調査時まで |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
安全性及び忍容性 (3)
Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG) Performance statusにて評価する
評価期間: 治験薬中止時まで |
副次的な評価項目 |
安全性 / safety |
副次的な評価方法 |
健康関連の生活の質
European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire – Core Questionnaire (EORTC QLQ-C30)、QLQ- Oesophago-Gastric Module 25 (OG25)、Global Pain (GP)及びEuroQOL Five Dimensions Questionnaire 5L (EQ5D-5L)によって評価する
評価期間: 90日間安全性追跡調査時まで |
副次的な評価項目 |
薬物動態 / pharmacokinetics |
副次的な評価方法 |
zolbetuximabの薬物動態
血清中のCmaxおよび Ctroughを算出する
評価期間: 90日間安全性追跡調査時まで |
副次的な評価項目 |
その他 / other |
副次的な評価方法 |
IMAB362の免疫原性
抗薬物抗体陽性例の頻度に基づきIMAB362の免疫原性を評価する
評価期間: 90日間安全性追跡調査時まで |
予定試験期間 |
2018年11月21日~2022年9月30日 |