試験の名称 |
前治療歴のある局所進行性又は転移性尿路上皮癌患者を対象としたEnfortumab Vedotinと化学療法を比較する非盲検、ランダム化第3相試験 (EV-301) |
試験の概要 |
本治験は、プラチナ製剤を含む化学療法歴を有し、免疫チェックポイント阻害薬による治療中又は治療後に病勢進行が認められた成人の局所進行性又は転移性尿路上皮癌患者を対象とする国際共同非盲検ランダム化第3相試験である。被験者を1:1の割合でendortumab vedotin (EV)又は化学療法のいずれかにランダムに割り付ける。Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status(ECOG PS)、地域及び肝転移により被験者を層別する |
疾患名 |
尿路上皮癌 |
試験薬剤名 |
enfortumab vedotin / ASG-22CE |
用法・用量 |
28日を1サイクルとして、各サイクルの1、 8、 15日目に静脈投与する |
対照薬剤名 |
化学療法 (docetaxel、 vinflunine、 paclitaxelのいずれか) |
用法・用量 |
21日を1サイクルとして、各サイクルの1日目に静脈投与する |
試験のフェーズ |
フェーズ3(第3相臨床試験) |
試験のデザイン |
非盲検、ランダム化試験 |
目標症例数 |
550 |
適格基準 |
- 同意書に署名する時点で各国の規制に従って法的に成人である被験者
- 組織学的又は細胞学的に尿路上皮癌(すなわち膀胱、腎盂、尿管又は尿道の癌)を有することが確認されている被験者。扁平分化(移行細胞)又は混合細胞型を伴う尿路上皮癌の被験者は適格とする
- 局所進行性又は転移性病変に対するCPI(抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体)による治療中又は治療後に画像評価による病勢進行又は再発が認められた被験
- 転移性/局所進行性病変に対するプラチナ製剤を含むレジメン(シスプラチン又はカルボプラチン)による治療歴がある被験者(術前補助療法又は術後補助療法を含む)。プラチナ製剤が術後補助療法/術前補助療法として投与された場合、治療終了から12カ月以内に進行が認められていなければならない
- ベースライン時に画像評価により転移性又は局所進行性病変を有することが確認された被験者
- 治験薬投与前に中央検査会社に提出する腫瘍組織の保存検体が得られていること。腫瘍組織の保存検体が得られていない場合、新たに腫瘍組織検体を採取の上、提供すること
- ECOG PSが0又は1の被験者
- ベースライン時の臨床検査値が以下に該当する被験者
好中球絶対数(ANC)1500/mm^3以上
血小板数100×10^9/L以上
ヘモグロビン9g/dL以上
血清総ビリルビンが基準値上限(ULN)の1.5倍以下、Gilbert病患者の場合はULNの3倍以下
各治験実施医療機関の基準に基づく推定又は24時間蓄尿によるクレアチニンクリアランス(CrCl)が30 mL/min以上(CrClの代わりに糸球体濾過量[GFR]も使用可能)
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)がULNの2.5倍以下、肝転移を有する場合はULNの3倍以下
- 女性の場合、以下のいずれかに該当する被験者
妊娠する可能性のない被験者:
スクリーニング時に閉経している被験者(特に他の病理学的あるいは生理学的な原因が無いにも関わらず1年以上月経がない)、又は外科的避妊手術を受けた被験者(例:子宮摘出術、両側卵管切除術、両側卵巣摘出術)
妊娠する可能性のある被験者:
試験期間中及び治験薬の最終投与後の少なくとも6カ月間妊娠しないことに同意した被験者
Day1以前7日以内の尿又は血清妊娠検査で陰性の被験者(結果が偽陽性で、妊娠していないと確認されたことが記録されている被験者は参加に適格とする)
異性間の性交渉を伴う場合は、スクリーニング期間、試験期間、治験薬の最終投与後の少なくとも6カ月間、コンドームの使用に加え、各国で認められた基準に基づき確立された避妊法から1種類の避妊法をとることに合意した被験者
- 女性被験者の場合、スクリーニング期間、試験期間、治験薬の最終投与後の少なくとも6カ月間に、授乳又は卵子提供を行わないことに同意していること
- 男性被験者とその配偶者/パートナーの間で妊娠の可能性がある場合は、
スクリーニングから治験薬の最終投与後の6カ月間以上、男性用コンドームを使用する事に同意する事。男性被験者が精管結紮等の不妊処置をしていない場合はスクリーニング開始から試験期間、治験薬の最終投与後の6カ月間以上は、各国で認められた基準に基づき確立された一つの避妊法をとる事に同意していること
- 男性被験者の場合は、スクリーニング開始から治験薬の最終投与後の少なくとも6カ月間精子提供をしない事に同意していること
- 妊娠中あるいは授乳中のパートナーのいる男性被験者については、治験開始から治験薬の最終投与後の少なくとも6カ月間の妊娠期間の間、あるいは授乳期間の間、禁欲を維持するか、コンドームを使用する事に同意していること
- 現行の治験薬投与期間中、他の介入試験に参加しないことに同意する被験者
- 年齢:20歳以上
- 性別:両方
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除外基準 |
- 既存のGrade 2以上の感覚性又は運動性ニューロパチーを有する被験者
- 活動性中枢神経(CNS)転移を有する被験者。CNS転移の治療を受けている被験者については、以下の条件をすべて満たせば参加を認める
CNS転移がスクリーニング前の少なくとも6週間にわたって臨床的に安定していること
CNS転移に対してステロイド投与を要する場合、少なくとも2週間プレドニゾン20mg/Day相当以下の用量で変更がないこと
ベースライン時の撮像で新たな脳転移や脳転移拡大の所見が認められないこと
軟髄膜病変がないこと
- 前治療に伴う臨床的に重要な毒性が持続している被験者
- EV又は他のモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含むADCの投与歴がある被験者
- 尿路上皮癌に対して、対照群で利用可能なすべての治験治療による化学療法の治療歴がある被験者
- 局所進行性又は転移性尿路上皮癌に対して、治療終了から12カ月以内に再発した場合の術後補助療法又は術前補助療法としての化学療法を含め、2つ以上の化学療法レジメンを受けている被験者
- 治験薬の初回投与前3年以内の別の悪性腫瘍の既往、又は過去に診断された悪性腫瘍の残存病変を示す所見がある被験者
- EVの初回投与時点で感染(ウイルス、細菌又は真菌)に対して抗菌薬を全身に投与中の被験者
- 活動性B型肝炎(例:HBsAg陽性)又は活動性C型肝炎(例:HCV RNA[定性]を検出)が確認されている被験者
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染(HIV 1又は2)の既往が確認されている被験者
- 治験薬の初回投与前6カ月以内の脳血管疾患(脳卒中又は一過性脳虚血発作)、不安定狭心症、心筋梗塞又はNew York Heart Association Class III~IVに相当する心症状(うっ血性心不全など)の既往が確認されている被験者
- 治験薬の初回投与前4週間以内に放射線治療又は大手術を受けた被験者
- 治験薬の初回投与2週間前の時点で化学療法、生物学的製剤、治験薬及び/又は免疫療法による抗がん治療が完了していない被験者
- EV又はEV製剤中に含まれる賦形剤に対し過敏症の既往のある被験者;又は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で作成した生物学的製剤に対して過敏症であることが知られている被験者
- 以下のいずれかに対して過敏症であることが知られている被験者:
ドセタキセル、又は、製品ラベルに記載された賦形剤のいずれか
パクリタキセル、又は、製品ラベルに記載された賦形剤のいずれか
ビンフルニン、又は製品ラベルに記載された賦形剤のいずれか(その他のビンカアルカロイドを含む)
- 活動性角膜炎又は角膜潰瘍が確認されている被験者
- その他の臨床状態により治験薬の投与を受けられない、治験薬の投与に耐えられない又は追跡調査をできない可能性があると治験責任医師等が判断した被験者
- 治験薬の初回投与前3カ月以内にコントロール不良の糖尿病の既往を有する被験者
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主要な評価項目 |
全生存期間(OS) |
主要な評価方法 |
ランダム化から死亡日までの期間 |
副次的な評価項目 |
無増悪生存期間(PFS1) |
副次的な評価方法 |
ランダム化の日から、画像評価で病勢進行が確認された日(RECIST V1.1に基づく)、又は、原因を問わない死亡日までの期間
評価期間: 病態進行の確認または死亡日まで |
副次的な評価項目 |
全奏効率(ORR) |
副次的な評価方法 |
RECIST V1.1に基づいた客観的な完全奏効又は部分奏効を認めた被験者の割合
評価期間: 病態進行を確認するまで |
副次的な評価項目 |
病勢コントロール率(DCR) |
副次的な評価方法 |
RECIST V1.1に基づいた客観的な完全奏効又は部分奏効、あるいは病勢安定を達成した被験者の割合
評価期間: 病勢進行を確認するまで |
副次的な評価項目 |
奏効期間(DOR) |
副次的な評価方法 |
CR又はPRを達成した被験者について、RECIST V1.1に従って最初のCR/PRが認められた日から(いずれか最初に記録されたもの)、画像評価で進行が確認された日、又は死亡日までの期間
評価期間: 病態進行の確認または死亡日まで |
副次的な評価項目 |
安全性及び忍容性 |
副次的な評価方法 |
有害事象、臨床検査値、バイタルサイン、12誘導心電図、及びEastern Cooperative Oncology Group (ECOG) Performance Statusにて評価する
評価期間: 最終投与後の30日間追跡調査期間まで |
副次的な評価項目 |
EORTC Quality of Life Questionnaire (QLQ-C30)による生活の質(QOL)の評価 |
副次的な評価方法 |
評価期間: 最終投与後の30日間追跡調査期間まで |
副次的な評価項目 |
EuroQOL 5-dimensions (EQ-5D-5L)による患者報告アウトカム(PRO)評価 |
副次的な評価方法 |
評価期間: 最終投与後の30日間追跡調査期間まで |
予定試験期間 |
2018年8月31日~2021年9月29日 |