筋層非浸潤生膀胱がんに対するデュルバルマブ+BCG併用療法の治験

治験の募集状況は、「jRCT 臨床研究等提出・公開システム外部リンク」ページでご確認ください。

上記ページにアクセスし、条件欄から「研究の名称」を選択、このページの「試験概要詳細」の「試験の名称」をコピーして、キーワード欄に貼り付け、検索してください。

治験名

POTOMAC

カルメット・ゲラン桿菌(BCG)未使用の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者においてデュルバルマブ+BCG併用療法とBCG単独療法を比較する第3相無作為化非盲検多施設国際共同試験

治験概要:

筋層非浸潤生膀胱がんに対する治験。BCG使用経験のない患者さんが対象です。
デュルバルマブ+BCG併用療法とBCG単独療法を比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、975人。
フェーズは、3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化非盲検。
比較する対象は
試験群:デュルバルマブ+BCG併用療法
対照群:BCG単独療法
無病生存期間などで評価します。

疾患解説:膀胱がん

国立がん研究センターのがん統計によると2014年に膀胱がんと診断された人は20207人です。60代後半から70代にかけて徐々に増えはじめ、高齢になるほど増加します。男性に多く、女性の3倍の罹患数です。
膀胱は内腔側の表面から順に、粘膜上皮(尿路上皮)、粘膜下層という粘膜で覆われ、さらに筋層(筋肉の層)と続いて、外側は脂肪の層で包まれています。膀胱がんは、この尿路上皮ががん化したもので、まれに扁平上皮がんや腺がんの場合もありますが、90%以上が尿路上皮がんという種類です。
膀胱がんは、筋層非浸潤性がん、筋層浸潤性がん、転移性がんに分類されます。がんが粘膜下層に留まっていて筋層に達していないものを筋層非浸潤性膀胱がんと呼びます。
膀胱がんの自覚症状で最も多いのが、痛みを伴わない赤色や茶色の血尿です。ときには膀胱炎と同様に排尿時の痛みや頻尿などの症状が出ることもあります。膀胱がんの原因としては喫煙が最も重要です。

治験薬:デュルバルマブ

デュルバルマブは、抗PD-L1抗体という免疫チェックポイント阻害薬の1つです。
免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。
がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞は、がん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

主な治験参加条件

対象となる人
  • BCG使用経験がない患者
  • 高リスク尿路上皮がん(T1腫瘍、ハイグレード/G3腫瘍、CIS、または複数かつ再発性の評価可能な腫瘍の最大直径が3cm以上腫瘍のうち3つの基準全てに該当)
  • 全てのTa/T1乳頭状がんが完治している
  • 膀胱への放射線療法の既往歴がない
  • がん免疫療法による治療歴がない
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
対象とならない人
  • 筋層浸潤性、局所進行、転移性、および/または膀胱外浸潤膀胱がん(T2、T3、T4、および/または4期)
  • 膀胱外(尿道、尿管、または腎盂)の筋層非浸潤性尿路上皮がんの併発
  • 本治験で以前に治験薬を割り付けられた
  • がん治療のために何らかの化学療法、治験薬、生物学的療法またはホルモン療法の併用を受けている
  • 現在または過去に、自己免疫疾患または炎症性疾患がある
  • 別の原発性悪性腫瘍の既往がある
  • 結核、B型肝炎、C型肝炎およびHIVを含む活動性感染がある
  • 現在、またはデュルバルマブの初回投与前14日以内に免疫抑制剤の投与を受けている場合

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。治験実施にあたり、日本では「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」という厳しいルールが定められています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

※ここに掲載した情報は、jRCT 臨床研究等提出・公開システム に登録された情報を元にし、がんプラスが独自に記事としてまとめ、提供しています。
※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。

試験概要詳細

試験の名称カルメット・ゲラン桿菌(BCG)未使用の高リスク筋層非浸潤性膀胱癌患者においてデュルバルマブ+BCG併用療法とBCG単独療法を比較する第III相無作為化非盲検多施設国際共同試験
試験の概要本試験は、筋層非浸潤生膀胱癌患者に対して、デュルバルマブ+BCG併用療法の有効性及び安全性を、BCG単独療法との比較により検討する第III相無
疾患名筋層非浸潤性膀胱癌
試験薬剤名デュルバルマブ(MEDI4736)、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)
用法・用量デュルバルマブ(MEDI4736)及びカルメット・ゲラン桿菌(BCG)の併用療法
対照薬剤名カルメット・ゲラン桿菌(BCG)
用法・用量 BCG治療(標準治療)
試験のフェーズフェーズ3(第3相臨床試験)
試験のデザイン無作為化非盲検
目標症例数
適格基準
  • 選択基準:本試験の適格性を満たす為に、被験者は次の基準を満たしていること
  • BCG使用経験のない
  • 組織学的に確認された高リスク尿路上皮癌、すなわち、T1腫瘍、High grade/G3腫瘍、CIS、又は複数かつ再発性の大きな(評価可能な腫瘍の最大直径が3cm以上)腫瘍(3つの基準全てに該当すること)を有する
  • 全てのTa/T1乳頭状癌が完全している
  • 膀胱への放射線療法の既往歴がない
  • がん免疫療法による治療歴のない
  • 年齢:18歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • 次の除外基準を一つでも抵触している場合、患者は本治験には参加できない
  • 筋層浸潤性、局所進行、転移性、及び/又は膀胱外浸潤膀胱癌(すなわち、T2、T3、T4、及び/又はIV期)
  • 膀胱外(すなわち、尿道、尿管、又は腎盂)の筋層非浸潤性尿路上皮癌の併発
  • 本治験で以前に治験薬を割り付けられた
  • 癌治療のために何らかの化学療法、治験薬、生物学的療法又はホルモン療法の併用を受けている
  • 現在又は過去に、自己免疫疾患又は炎症性疾患(例:大腸炎、クローン病、グレーブス病、関節リウマチ等)
  • 別の原発性悪性腫瘍の既往がある
  • 結核、B型肝炎、C型肝炎及びHIVを含む活動性感染を有する
  • 現在、又はデュルバルマブの初回投与前14日以内に免疫抑制剤の投与を受けている場合
主要な評価項目
主要な評価方法
副次的な評価項目
副次的な評価方法
予定試験期間

出典:医薬品情報データベースiyakuSearchより