がん免疫療法の種類

がん免疫療法の種類について、ご紹介します。

がん光免疫療法

がん光免疫療法とはどんな治療法なのか、開発状況を紹介します。

がん光免疫療法

光免疫療法は、がん細胞に発現しているタンパク質と結合する抗体に光感受性物質を付加した薬剤を注射し、病変に非熱性赤色光を照射することで、がん細胞を破壊する治療法です。さらに、破壊されたがん細胞の破片が免疫細胞に対する抗原となるため、残ったがん細胞に対して免疫細胞がさらに攻撃する効果が期待できます。

光感受性物質を付加した抗体が、がん細胞と結合し、非熱性赤色光と光感受性物質が反応をすることで、がん細胞が破壊されます。光感受性物質は、非熱性赤色光に反応するように設計されているため、薬剤と結合していない細胞や非熱性赤色光が当たらない細胞は破壊されません。手術では、がん細胞を取り巻いて攻撃していた免疫細胞を、がん細胞ごととります。放射線治療でも、がん細胞のみに放射線を照射することは難しく、がん細胞に集まった免疫細胞にも影響を及ぼしてしまいます。光免疫療法は、がん細胞に集まってきている免疫細胞への影響が少なく、また、破壊されたがん細胞の破片それ自体ががん抗原となり、免疫細胞は効率よくがん細胞を攻撃できます。

光免疫療法により、がん細胞を攻撃する免疫細胞が体内で作られても、免疫チェックポイント分子による免疫抑制が起こっていると、攻撃が効果的に働かなくなる可能性もあります。理論上では光免疫療法と免疫チェックポイント阻害薬を併用することで、より効果がある可能性も考えられますが、現在、光免疫療法と免疫チェックポイント阻害薬を併用した臨床試験は行われていないため、まだ効果や安全性は確認されていません。

現在、臨床試験中の光免疫療法は、抗EGFR抗体薬セツキシマブに光感受性物質IRDye700DXを付加した「ASP-1929」を静脈注射し、がん細胞とASP-1929が結合した後、非熱性赤色光を光ファイバーで照射する治療法です。日本では、2018年4月から国立がん研究センター東病院で、頭頸部がんに対しての治験が開始されました。また、2019年の米国臨床腫瘍学会で、第2a相臨床試験の結果が発表され、有効性、安全性ともに良好な結果が報告されています。

図1
光感受性物質をがん細胞と選択的に結合する抗体に付加
(1)光感受性物質をがん細胞と選択的に結合する抗体に付加する
図2
光感受性物質を付加した抗体を点滴で静脈
(2)光感受性物質を付加した抗体を点滴で静脈に注射する
図3
光感受性物質が付加された抗体ががん細胞に結合
(3)光感受性物質が付加された抗体ががん細胞に結合する
図4
がん細胞に非熱性赤色光を照射
(4)がん細胞に非熱性赤色光を照射する
図5
がん細胞を破壊
(5) 光感受性物質が非熱性赤色光と化学反応を起こしエネルギーを吸収し、急激に変化することでがん細胞を破壊する

参考文献:日本臨床腫瘍学会編. ”がん免疫療法ガイドライン 第2版”.金原出版,2019.

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