サイトカイン療法
サイトカイン療法とはどんな治療法なのか、種類と開発状況を紹介します。
サイトカイン療法
サイトカインは、細胞から分泌されるタンパク質で生理活性物質の総称です。免疫細胞の活性化や機能抑制などにかかわる重要な役割を担っています。サイトカインにはさまざまな種類があります。免疫系の調整を行うサイトカインには、細胞の活性化や増殖などに関わる「インターロイキン(IL)」や、ウイルスや細胞の増殖を抑制する「インターフェロン(IFN)」があります。サイトカイン療法は、これらのサイトカインを精製し、体内に投与する治療法です。単剤、もしくは免疫療法との併用での効果が確認されており、現在、IL-2、IFN-α、IFN-β、IFN-γを用いたサイトカイン療法が承認されています。
IL-2は、T細胞やNK細胞を増殖、活性化します。米国では転移性腎臓がん、悪性黒色腫を対象に承認され、国内でも転移性腎臓がんを対象に承認されています。
IFNは、がん細胞を攻撃するT細胞やNK細胞などを活性化します。現在、IFN関連の薬剤は、腎臓がん、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、膠芽腫、髄芽腫などで承認されています。
参考文献:日本臨床腫瘍学会編. ”がん免疫療法ガイドライン 第2版”.金原出版,2019.