【週刊】がんプラスPickupニュース(2025年1月27日)

2025/01/27

文:がん+編集部

血液透析がん患者さんの診断・治療・長期予後について解析結果を発表

 京都大学は2024年12月27日、国内のがん拠点病院20施設との多施設共同研究を実施し、502人のがんを発症した血液透析患者さんの臨床データについて、がんの診断・治療・長期予後について解析した調査結果を発表しました。

 解析の結果、血液透析がん患者さんの3年生存率は70%で、この結果は一般的な透析患者さん(73%)、もしくは一般的ながん患者さんと比較しても同等であることが明らかになりました。血液透析がん患者さんのうち、特に、手術療法が実施された患者さんで生存期間が長く(3年生存率83%)、死亡原因は、感染症や心不全などがんと直接関連しない死因(80%)が多いことが示されました。

子宮頸がんに対するiPS細胞由来CTL療法の医師主導治験を開始

 順天堂大学は2025年1月6日、HPV16型陽性の子宮頸がん患者さんを対象に、HPV16抗原を標的とした他家HPV特異的CTL(細胞傷害性T細胞)療法の安全性評価を目的とした医師主導第1相治験を開始したことを発表しました。

 本治験は、HPV16型陽性子宮頸がんで再発後に既存の治療による効果が見込めない患者さんを対象に、iPS細胞由来CTL療法「rejT-H01」の安全性を評価する医師主導の第1相試験です。rejT-H01は、iPS細胞技術と遺伝子編集技術によりCTLを増幅・強化した、免疫細胞療法です。

切除不能な非転移性肝細胞がんを対象に「肝動脈化学塞栓療法+レンビマ+キイトルーダ」を評価したLEAP-012試験の結果を発表

 近畿大学は2025年1月9日、LEAP-012試験の結果を発表しました。LEAP-012試験は、切除不能な非転移性肝細胞がんを対象に、「肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法と「肝動脈化学塞栓療法+プラセボ」を比較した第3相試験です。

 試験の結果、無増悪生存期間の中央値は、「肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ+ペムブロリズマブ」で14.6か月、「肝動脈化学塞栓療法+プラセボ」は10.0か月で、統計学的有意かつ臨床的に意義のある延長が認められました。また、「肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ+ペムブロリズマブ」の29%、「肝動脈化学塞栓療法+プラセボ」34%で死亡が確認され、24.0か月時点での全生存率はそれぞれ75%と69%でした。

 安全性に関しては、グレード3以上の治療関連有害事象は、「肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ+ペムブロリズマブ」は71%、「肝動脈化学塞栓療法+プラセボ」は32%に発現し、最も多かったのは高血圧と血小板数減少でした。治療関連有害事象による死亡は、「肝動脈化学塞栓療法+レンバチニブ+ペムブロリズマブ」は2%、「肝動脈化学塞栓療法+プラセボ」は1%未満でした。