カドサイラ、HER2陽性の早期乳がんに対する術後薬物療法として適応追加
2020/09/11
文:がん+編集部
トラスツズマブ エムタンシン(製品名:カドサイラ)が、HER2陽性の早期乳がんに対する術後薬物療法として適応追加されました。
カドサイラ投与で、ハーセプチンより浸潤性疾患または再発リスクが50%低減
中外製薬は8月21日、抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体トラスツズマブ エムタンシンについて、「HER2陽性の乳がんにおける術後薬物療法」に対する適応追加の承認を厚生労働省から取得したことを発表しました。今回の適応追加の承認は、第3相KATHERINE試験の成績に基づくものです。
KATHERINE試験は、トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)を含む術前薬物療法で完全寛解が得られなかったHER2陽性の早期乳がん患者さん1,486人を対象に、術後にトラスツズマブ エムタンシンまたはトラスツズマブを投与、比較した臨床試験です。
解析の結果、トラスツズマブ エムタンシン投与群では、トラスツズマブ投与群より「浸潤性疾患のない生存期間」において優越性が認められ、再発リスクを50%低下させることが示されました。安全性に関しては、これまで認められている安全性プロファイルと一致していました。
添付文書情報
販売名 | カドサイラ®点滴静注用100 mg、同160 mg |
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一般名 | トラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え) |
効能・効果 | HER2陽性の手術不能又は再発乳癌 HER2陽性の乳癌における術後薬物療法 |
効能・効果に関連する注意 | 〈効能共通〉 1. HER2陽性の検査は、十分な経験を有する病理医又は検査施設において実施すること。 2. 本剤は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法の治療歴のある患者に投与すること。 3. 本剤の術前薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。 〈HER2陽性の乳癌における術後薬物療法〉 4. 術前薬物療法により病理学的完全奏効(pCR)が認められなかった患者に投与すること。 5. 臨床試験に組み入れられた患者のpCRの定義等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。 |
用法・用量 | 通常、成人にはトラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)として 1回3.6 mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する。 ただし、術後薬物療法の場合には、投与回数は14回までとする。 |