慢性期の慢性骨髄性白血病を対象に、アイクルシグを評価したOPTIC試験の結果をASCO/EHAで発表
2021/06/11
文:がん+編集部
慢性期の慢性骨髄性白血病患者さんを対象に、ポナチニブ(製品名:アイクルシグ)を評価したOPTIC試験の主要解析結果が発表されました。
アイクルシグ、動脈閉塞イベントのリスクを低減しながら、臨床的に意義のある奏効を持続
武田薬品工業は5月20日、抵抗性または不耐性の慢性期の慢性骨髄性白血病患者さんを対象に、ポナチニブを評価したOPTIC試験の主要解析結果を、第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第26回欧州血液学会(EHA)年次総会で報告することを発表しました。
OPTIC試験は、チロシンキナーゼ阻害薬による前治療へ抵抗性または不耐性を示す慢性期の慢性骨髄性白血病患者さんを対象に、有効性と安全性の最適化を目的として、BCR-ABL1チロシンキナーゼを阻害するポナチニブの投与量調整レジメンを評価した第2相試験です。45mg・30mg・15mgの3つの投与開始用量による奏効を見ながら投与量が調整されました。
解析の結果、45mgで開始し、奏効の指標としてBCR-ABL1が1%以下を達成後15mgに減量することで、動脈閉塞イベントのリスクを管理しながら持続的で臨床的に意義のある奏効を示しました。
オーガスタ大学ジョージアがんセンターに在籍し、OPTIC試験の治験責任者であるJorge Cortes医師は、次のように述べています。
「OPTIC試験の主要解析結果は、耐性および不耐性の慢性期の慢性骨髄性白血病患者さんにおいて、アイクルシグが非常に有用であることを裏付けています。アイクルシグは、2つ以上のチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性または不耐性となった場合に検討されるべきです。このアプローチにより、通常、奏効率が低く、転帰が悪いとされる第2世代チロシンキナーゼ阻害薬を連続して使用する必要性が最小限に抑えられます。これらの知見は、奏効に基づく投与量調整レジメンによってアイクルシグの有効性と安全性の最適化を達成でき、動脈閉塞イベントのリスクを低減しながら有効性を提供できることを示しています」