「オプジーボ+化学療法」、切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法として無イベント生存期間を改善

2021/12/09

文:がん+編集部

 切除可能な非小細胞肺がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」による術前補助療法を評価したCheckMate-816試験で、無イベント生存期間の改善が認められました。

「オプジーボ+化学療法」、早期投与で長期的な臨床予後を改善する可能性

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は11月8日、切除可能なステージ1b~3aの非小細胞肺がんを対象に「ニボルマブ+化学療法」併用療法を評価したCheckMate-816試験で、主要評価項目である無イベント生存期間の改善を達成したことを発表しました。

 CheckMate-816試験は、PD-L1発現率にかかわらず切除可能な非小細胞肺がん患者さんの術前補助療法として、「ニボルマブ+化学療法」併用療法を化学療法と比較した第3相試験です。主要評価項目は完全奏効率、無イベント生存期間、副次的評価項目は全生存期間、Major Pathological Response(MPR)、死亡または遠隔転移までの期間でした。

 予め計画された中間解析の結果、術前の「ニボルマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して、統計学的有意にかつ臨床的に意義のある無イベント生存期間の改善を示しました。この中間解析よりも前に、もう1つの主要評価項目である完全奏効率も有意な改善が認められていました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。

 パリ・サクレー大学、呼吸器内科教授兼パリThorax Institute Curie Montsourisの部門長であるNicolas Girard医学博士は、次のように述べています。

 「切除可能な非小細胞肺がんの手術は治癒することを目的にしていますが、患者の30%から55%が手術後に再発を経験し、最終的にはこの疾患で亡くなられるため、このサイクルを阻止し得る別の治療選択肢が強く求められています。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法で認められた無イベント生存期間に対する肯定的な結果は画期的なものであり、切除可能な非小細胞肺がんに対する治療方法に重要な意味を含んでいます」

※残存しているがん細胞の面積が、がん組織中に占める割合が10%以下。