リムパーザ、BRCA陽性HER2陰性の早期乳がんの術後補助化学療法としてFDAが申請を受理

2022/01/12

文:がん+編集部

 オラパリブ(製品名:リムパーザ)が、化学療法歴のあるBRCA遺伝変異陽性かつHER2陰性の高リスク早期乳がんに対する術後補助化学療法として、米国食品医薬品局(FDA)から優先審査に指定されました。

リムパーザ、浸潤性乳がんの再発、二次がんまたは死亡のリスクをプラセボと比較して42%低下

 アストラゼネカは2021年11月30日、オラパリブの一部変更承認申請が、FDAに受理され優先審査に指定されたことを発表しました。対象は、術前または術後のいずれかに化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の高リスク早期乳がんの患者さんに対する術後薬物療法です。今回の申請受理は、OlympiA試験の結果に基づくものです。

 OlympiA試験は、BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の高リスク早期乳がんで、根治的な局所治療および術前または術後補助化学療法を完了した患者さんを対象に、術後薬物療法としてオラパリブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は浸潤性疾患のない生存期間(局所領域再発、遠隔再発、新規がん発現、または死因を問わない死亡までの期間)、副次的評価項目は遠隔無病生存期間、全生存期間、QOL、安全性などでした。

 解析の結果、浸潤性乳がんの再発、二次がんまたは死亡のリスクをプラセボと比較して42%低下。統計学的に有意かつ臨床的に意義のある浸潤性疾患のない生存期間の延長を示しました。安全性と忍容性に関しては、これまでに認められているプロファイルと一致していました。