「オプジーボ+ヤーボイ」、転移性非小細胞肺がんの一次治療として長期生存率を改善

2022/06/24

文:がん+編集部

 転移性非小細胞肺がんに対する一次治療として、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-277試験の解析で、長期の持続的な生存が認められました。

「オプジーボ+ヤーボイ」を受けた5年生存者の3分の2が、投与終了から3年以上その後の治療せず

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年6月6日、CheckMate-277試験のパート1の5年間の追跡データを発表しました。

 CheckMate-277試験は、組織型にかかわらず転移性非小細胞肺がんの一次治療として、ニボルマブを含む併用療法とプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較した、複数のパートで構成された第3相試験です。

 パート1では、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と化学療法を比較。主要評価項目はPD-L1陽性患者さんに対する全生存期間、PD-L1の発現にかかわらず腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/Mb)以上の患者さんに対する無増悪生存期間でした。

 パート1の5年間の追跡調査の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法は化学療法と比較して、PD-L1発現レベルにかかわらず、長期の持続的な生存が認められました。「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法を受け5年時点で生存していた患者さんのうち、約3分の2(PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんの66%、PD-L1発現レベルが1%未満の患者さんの64%)が、投与終了から3年以上にわたりその後の治療を受けていませんでした。

 安全性プロファイルは、これまでに報告された安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 主な解析結果は、以下の通りです。

PD-L1発現レベルが1%以上の5年生存率
「ニボルマブ+イピリムマブ」:24%
化学療法:14%

PD-L1発現レベルが1%未満の5年時点で生存していた患者数
「ニボルマブ+イピリムマブ」:19%
化学療法:7%

PD-L1発現レベルが1%以上の奏効率
「ニボルマブ+イピリムマブ」:28%
化学療法:3%

PD-L1発現レベルが1%未満の奏効率
「ニボルマブ+イピリムマブ」:21%
化学療法:0%