「イミフィンジ+Imjudo」、切除不能な肝細胞がんの適応としてFDAが承認

2022/11/24

文:がん+編集部

 「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ(製品名:Imjudo)」併用療法を、切除不能な肝細胞がんの適応として米国食品医薬品局(FDA)が承認しました。

STRIDEレジメン、ネクサバールと比較して死亡リスクを22%低下

 アストラゼネカは2022年11月2日、「デュルバルマブ+トレメリムマブ」併用療法が、切除不能な肝細胞がんの成人患者さんを対象にFDAから承認されたことを発表しました。今回の承認は、HIMALAYA試験の結果に基づくものです。

 HIMALAYA試験は、未治療の切除不能な進行肝細胞がん患者さん1,324人を対象に、デュルバルマブ単剤およびデュルバルマブ1,500mgに加えて、トレメリムマブ300mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにデュルバルマブを投与するSTRIDEレジメンと、ソラフェニブ(製品名:ネクサバール)を比較した第3相試験です。主要評価項目は、STRIDEレジメンとソラフェニブを比較した全生存期間、重要な副次評価項目群はデュルバルマブとソラフェニブを比較した全生存期間、STRIDEレジメンとデュルバルマブの客観的奏効率、無増悪生存期間でした。

 試験の結果、STRIDEレジメンはソラフェニブと比較して死亡リスクを22%低下。3年生存率は、STRIDEレジメン31%、ソラフェニブ20%でした。

 Memorial Sloan Kettering Cancer Centerの指導医で、HIMALAYA試験の治験責任医師である Ghassan Abou-Alfa医師は、次のように述べています。

 「切除不能な肝がんの患者さんには、全生存期間を有意に延長する忍容性の高い治療が必要です。この治療法は、HIMALAYA試験において3年生存率の良好な結果を示したことに加えて、安全性のデータから、併用療法に起因する重度の肝毒性や出血リスクの増加が認められませんでした。これらは進行した肝疾患を併発している肝がん患者さんにとって重要な点です」