アイクルシグ、Ph陽性急性リンパ性白血病を対象としたPhALLCON試験で主要評価項目を達成

2022/12/07

文:がん+編集部

 フィラデルフィア染色体(Ph)陽性の急性リンパ性白血病を対象に、ポナチニブ(製品名:アイクルシグ)とイマチニブを比較したPhALLCON試験で、主要評価項目が達成されました。

アイクルシグ、イマチニブと比較して高い微小残存病変陰性完全寛解率を達成

 武田薬品工業株式会社は2022年11月18日、ポナチニブとイマチニブを比較したPhALLCON試験で、主要評価項目が達成されたことを発表しました。

 PhALLCON試験は、新たにPh陽性の急性リンパ性白血病と診断された成人患者さんを対象に、「ポナチニブ+強度減弱化学療法」と「イマチニブ+強度減弱化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は微小残存病変の陰性完全寛解率、副次的評価項目は無イベント生存率などでした。

 解析の結果、「ポナチニブ+強度減弱化学療法」は「イマチニブ+強度減弱化学療法」と比較して高い微小残存病変陰性完全寛解率を達成しました。

 ポナチニブは、BCR-ABL1を標的とする第三世代チロシンキナーゼ阻害薬です。白血病では、染色体に異常が起こることで、異常なタンパク質BCR-ABLが作られ、無秩序な細胞増殖が起こります。BCR-ABLのT315I変異は、高い難治性を示す耐性変異です。ポナチニブは、他のチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性を示すT315I変異型BCR-ABLについても阻害します。