タラゾパリブ、「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」の効能・効果で国内申請

2023/03/16

文:がん+編集部

 PARP阻害薬タラゾパリブの「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」に対する効能・効果について、国内承認申請が行われました。

タラゾパリブ、化学療法と比較して無増悪生存期間の延長が認められ忍容性は良好

 ファイザー株式会社は2023年2月24日、「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」に対する治療薬として、タラゾパリブの国内における製造販売承認申請を厚生労働省に行ったことを発表しました。今回の承認申請は、海外第3相EMBRACA試験および国内第1相試験の結果などに基づくものです。

 EMBRACA試験は、転移性乳がんに対する化学療法歴があり、BRCA遺伝子変異を有する局所進行または転移性乳がん患者さんを対象に、タラゾパリブと治験責任医師が選択した化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は、無増悪生存期間でした。試験の結果、タラゾパリブは化学療法と比較して、無増悪生存期間の延長が認められ、忍容性は良好でした。

 また、国内第1相試験では、BRCA遺伝子変異陽性HER2陰性の局所進行または転移性乳がんの日本人患者さんを対象に、タラゾパリブの有効性および安全性が評価され、臨床的に意味のある抗腫瘍効果が示されました。